ruruBの極楽な日々

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その妹

2011-12-05 23:48:21 | 演劇

シス・カンパニーの「その妹」を観てきた。

亀治郎と蒼井優、秋山菜津子と段田安則らが出演している。


出かける前に別の友達と電話で話していて、私は
「今日はこれからお芝居なんだ~。「その妹」っていう藤原竜也の出るやつ」
と言っていたのだが、これは間違いだった。完璧な混同で勘違い。

藤原君の出るのは来月観る予定の「下谷万年町物語」だった。

なので今日一緒に観た友達から
「え?今日は藤原君は出ないよ」と言われてときは非常に驚いた。

勘違いはさらに続く。

時は大正あたり。戦争で盲目になった画家(亀治郎)に献身的に仕える妹(蒼井優)が周りの助けを得ながらも
どうにもならない運命に翻弄されていくという、あまり救いのない話であった。
亀治郎の卑屈でウジウジしたところや、兄を必死に支えようとする蒼井優のけなげな演技はとても上手かったのだが
話自体に感動するようなエピソードがなく、観終わって元気になるというよりも、元気を持って行かれたような感があった。

その後お茶を飲みつつ談義したのだが、以下は私たちの無知による壮大な勘違いの会話である。

私「武者小路実篤って途中で盲目になったんだね、知らなかった」
F「うん」      ←2人とも「その妹」は武者小路実篤とその妹のことを書いた話だと思っている。
私「武者小路実篤ってさ、確か、ほら、あの高度成長期の昭和の時代にどこの家の玄関や部屋にも
  飾ってあったような絵の人だよね。柿とかカボチャとか。静物画に、筆文字でひと言添えてある、みたいな」
F「ん~??」
しばらくして、
F「ああ、わかった。相田みつをの「人間だもの」みたいな感じの絵ね、あったあった」
私「そうそうそう!」 「ってことは、ああいう絵は目が見えなくなる前に描いたのかね??」
F「う~ん」
私「そういえば、主人公の名前は『野村』だったよね? ってことは、武者小路実篤っていうのは本名じゃなかったんだ」
F「うん」


そして家に帰ってちょっとネットで調べたら顔から火が噴いた。

武者小路実篤は白樺派の小説家で詩人で画家であり盲目にもなっていなければ「その妹」は彼の小説だったのである。

武者小路実篤が本名だし。

恥ずかしすぎる。すいません。






アットホームアットザズー At Home At the Zoo

2010-07-01 22:53:16 | 演劇


三軒茶屋の小劇場シアタートラムで
「アット・ホーム・アット・ザ・ズー At Home At the Zoo」を観た。


原作はアメリカの劇作家、エドワード・オールビーの「動物園物語」である。

舞台は休憩なしの2幕もので、役者はそれぞれ2人、1幕は堤真一と小泉今日子。2幕は堤真一と大森南朋だった。
大森南朋は龍馬伝で武市さんをやっている人だ。

出演するのはこの3人だけ。豪華なメンバーだよね。

でもそれだけ。

うわさには聞いていたけれど、話の意味はほぼ不明。
すでに観た人が言っているように、意味を理解しようとしても答えはなさそうだし、無理にわかろうとすると
疲れて頭痛がしそうだったので、頭で考えずにただ観た。

簡単に言うと

常に人の世は不条理なものなり。

ってこと??

う~ん、

まぁ、ともかく3人が間近で観れて良かった。少し横のほうとはいえ、最前列だったので。
とっても贅沢な時間という感じ。

堤真一はうまかった。

きょんきょんは顔が小さい。髪の毛がツヤツヤ。「恋する妊婦」「楽屋」と生きょんきょんを観るのは3度目。
演技がうまいというより、独特の存在感のある人だ。

大森南朋は大きい。大きい堤さんよりさらに大きくてがっちりしている。
牢獄に入れられている武市半平太のイメージとは違う。

膨大なセリフを覚えていてすごいなと思ったけど、途中セリフを忘れて脳がパタッとストップしたようで
笑いながら苦労していた(笑)



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裏切りの街

2010-05-24 23:03:21 | 演劇


パルコ・プロデュースの「裏切りの街」を観てきた。

最近の私は、お芝居が公開されたあと評判をチェックし、おもしろそうなのを見つけたらチケットを調達して観に行くようにしている。

この作品もそんなお芝居のひとつだった。

三浦大輔という人の舞台は初めて観たが、うわさ通り、過激な中にも人間の本質がえぐり出されている、おもしろい芝居だった。


あらすじはこんな感じ。

もうすぐ40歳になる主婦、智子(秋山菜津子)には2年前に結婚した夫(松尾スズキ)がいる。
25歳の裕一(田中圭)はバイトもせずに同棲中の恋人(安藤サクラ)に毎日2千円ずつもらう生活をしている。
そんなふたりが出会い系サイトで知り合い、先のない逢瀬を重ねて行く。
それぞれの家で不協和音が生じ始め、そんな中、智子は妊娠してしまう。


責任を取らず逃げるダメ男と、そんな男に引き寄せられ、ずるずる関係を続けてしまうダメな女。

そこにあるのは裏切りなのに裏切っている実感もなければ良心の呵責もない。そんな彼らも
気が付いていないけど実は…。

ダメ男とダメ女、あるいはそれぞれのふたりの家が舞台上で同時に描き出され、その会話がドキッとするくらい、
リアルで、きめ細かくておもしろい。

お芝居を観る前、評判を観ていると「傑作。おもしろかった!」と絶賛している人と、共感できないし、
ダメなふたりのダメなところを延々と見せられても…という人の両方がいて、意見が分かれていたのだが、
私は前者であった。

まず、役者がみんなうまい。それぞれのダメっぷりやダラダラっぷりやつかみどころのなさが
誰もが持ちえる人間の弱さそのものを体現していて、引き込まれてしまうのだ。

この三浦大輔という人は、現実を切り取ったような今の時代の今の言葉が本当にうまい人だな、と思った。

飽きさせない、っていうのがその証拠だ。

この舞台、かなり長時間で、一幕が110分、二幕が90分とトータルで3時間15分ある。

これだけ長いとものすごく疲れる可能性もあるのだが、私にはむしろ時間よりも短く感じた。

それだけおもしろかったのだと思う。

賛否両論の「否」の人には
最後までダメ人間のダメなところを観させられていったい何の意味がある?という脱力感があるらしいが、
私には別のように感じられた。


ダメ人間にもダメ人間なりの小さな幸福があり、幸福には違いないということだ。

それを舞台を観ている私が許す、ということは、私もまた許される、ということだ。

色恋に限らず、人は誰もダメなところ、弱いところを持っている。逃げることもある。みんな不完全なのだ。


私はこの世を生きにくいと思ったことはあまりない。
それはきっと私が自分自身を、わりと許しているからだと思う。


そして、三浦大輔という人はそんな私と同じ目線を持つ人なんじゃないかな。


とても好きなお芝居だったな。



それはそうと、ブログを1か月も更新していなかったので、何人かの友達から「どうした?何かあった?」と
心配のメールをもらった。


てへへ、何もなかったんだけどさ、ちょっとサボっているうちにどんどん面倒になって放置していただけ。

あ、それとダイエットを始めて、そっちに意識が向いていた、っていうのもあるかな。



そんな返事を友達Kにしたら
「ダイエットのことも、佐賀のことも(佐賀に2泊3日で行った)書かれるのを待ってます」と言ってきたので、

これからぼちぼち書いていくね。




2人の夫とわたしの事情

2010-04-21 23:03:14 | 演劇


渋谷BUNKAMURAのシアターコクーンでやっている「2人の夫とわたしの事情」を観てきた。

サマセット・モームが93年前に書いたコメディをケラリーノ・サンドロビッチが演出している。

戦争で夫(ウィリアム)を亡くした妻(ヴィクトリア)は夫の親友(フレデリック)と再婚する。
ところがそんなふたりのもとに死んだはずの前夫ウィリアムがひょっこり帰ってきて大騒ぎに。
さらにそこへお金持ちの新しい男も加わって話はよけいややこしくなっていく。


妻ヴィクトリアは松たか子。

前夫ウィリアムには段田安則。

現在の夫フレデックは渡辺徹。


いや~、おもしろかった。サイコー。

松たか子はホッソリしていて美人で声もかわいらしい。
観ているだけでニンマリしているくらいかわいいのに、その悪気のない悪女ぶりがぶっ飛んでいておもしろすぎる。

段田安則と渡辺徹の責任のなすりつけ合い、心のかけ引きもおかしい。

メイドとか成金男とか弁護士といった脇役の演技もそれぞれにおもしろくて、サイコーのコメディーにしあがっていた。

話がわかりやすく会話のセンスが良くて、最初からずっとクスクス笑いっぱなし、本当に楽しめた。

途中10分ずつの休憩が2回ある3幕もので、上演時間は2時間40分。

3幕ものという形式もめずらしいけど、これも舞台にある種の軽さをかもしだしていて、なかなかいいものだった。

おもしろくて軽いといっても、決して内容が薄いわけではなく、人間の人生にまつわる共通した側面が
描かれていて、そういう意味でもおもしろかった。

こんな風にずっとクスクス笑いが続いて、観終わってから元気になって帰ってくるような舞台を
前にも観たことがあるよな~と思っていたら、

おととし観た三谷幸喜の「グッドナイト・スリイプタイト」だった。中井喜一と戸田恵子の会話のかけあいとか
どこか雰囲気が似ていると思った。

ああ、楽しかったなぁ。

舞台美術に凝ったりしていなくても、よくできたお話や役者の演技で楽しませてくれる
こういう昔ながらの舞台らしい舞台っていうのもやっぱりいいなぁ。



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アイーダ

2010-04-04 23:23:52 | 演劇


劇団四季のアイーダを観てきた。

アイーダはもともとオペラとして有名だが、それをディズニーがミュージカル化し、NYのブロードウェイで
演じられるようになったのは2000年だった。

その2000年秋、私は初めてニューヨークへ行き、アイーダを観た。
トニー賞主演女優賞を受賞した、アイーダ役のヘザー・ヘッドリーという黒人女性の歌がとてもうまかったのが
印象に残っている。

そのとき「きっとあと1~2年したら劇団四季がやるだろうな」と思った。
ほかのディズニーミュージカル「美女と野獣」「ライオンキング」も劇団四季が早々にやっていたからね。

だから私たちは日本で上演される前のオリジナル版をひと足先に観たことになる。…はずだった。

ところが「アイーダ」が日本で初公開されたのは2003年、しかも大阪から始まって福岡、京都、名古屋を
巡回するだけで東京にはなかなか来なかった。

そしてやっと!2009年10月から東京で公開になったのだ。

私にしてみたら10年ぶりの「アイーダ」ということになる。


とある博物館に古代エジプトの遺物が展示されている。そこで偶然出会った男女が見つめ会った瞬間、
舞台は古代エジプトにさかのぼる。
男はラメダス、エジプトの侵略部隊の隊長、女はヌビア人の王国の王女、アイーダだった。
好きになってはいけない者同士に芽生えた悲恋の物語。



アイーダ役は以前「ウィキッド」の主人公、エルファバ役で観た人だった。そのときは歌が素晴らしくて
感激した。

今回のアイーダ役もすごくうまくて熱演していたのだが、感激の域とまではいかなかった。なぜだろう。

アイーダ役ではもう一人のHさんという女性が圧倒的に支持されているんだそう。
私は観たことがないが、もしかしたらその人は今日感じた物足りなさを感じさせないのかもしれないな。

それから「アイーダ」は舞台美術もちょっと地味でおとなしめ。電飾の華やかなきらびやかさもないし
目をうばわれるような仕掛けもない。

ふと、15年~10年前はすごく洗練されていて新しいと思えた舞台美術も、すでに「古くなってきている」と
いうことなのだろうか、と思った。少なくともこのアイーダは10年前の作品なわけだしね。

数日前に観た薔薇とサムライが新しい舞台美術を取り入れていて、一概に「それだけがいい」とは
言わないまでも、同じようなパターンでは物足りなさを感じるようになっていく、のは自然な流れとして
舞台美術についても言えることなのかもしれないな。



あと、エルトン・ジョンの歌はどの曲も彼の曲らしく、全体的によくできていたけれど
あまり印象に残るメロディーのものがなかった。

ミュージカルもお芝居と同じで好みがあるのだろうけれど、私はやっぱり「オペラ座の怪人」のような
ドラマチック、ロマンチック、印象的でメロディアスな歌、っていう要素満載なほうが好きなんだな~。

あと、今回は前から2列目のセンター、サイド寄りという、若干見上げる席だったので、長時間観ていると
けっこう首がつらかった。前のほうがいいってわけでもないね。とくに全体を見渡したいミュージカルはね。

とはいえ、久しぶりに観たミュージカルは楽しめた。

たまにはいいものだな。




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