迦羅求羅虫

小さな寺の日々の出来事

全面撤退・・・?

2011-09-08 09:56:47 | 原発
ネットに入ったら、

東電社長、全面撤退申し出た

という見出しが目に入りました。
おっ、ついに原発からの全面撤退を決心したのか・・・
と、一瞬でも思ってしまった自分がバカらしい。
撤退とは、作業員を同原発から全面撤退させたいと、枝野さんに申し入れたということでした。

清水氏はまず、海江田さんに撤退を申し出たが拒否され、枝野さんに電話したんだそうな。
で、原発の吉田昌郎所長や経産省だの保安院だの関係機関に見解を求めた、と。
当の吉田所長は「まだ頑張れる」とおっしゃったそうです。
いずれも撤退は不要との見方を示したそうですが、何でしょう、この東電の本社と現場の乖離は。

確かに、事故発生時から現場に留まり、それこそ過剰な被曝を受けながら
作業に当たられている東電の皆さんの過酷な状況は、我々の想像をはるかに超えるものでしょう。
しかし、これだけの事故を起こした会社として、全面撤退ってどういうことなんでしょう。
ふつーに考えて、そういうことが言える、またできる仕組みというものが、よくわかりません。
では誰があの場所で終息に向けた作業を行うんでしょう。
中間処理施設どころか、最終処分場になりかねない。
そういうものを抱える福島の人々の気持ちをただいたぶるだけの記事でしたね。
とにかく事故発生直後の東電関係者の逃げ足の速さときたら、
私の知っているかぎりのところでは、語り草です。


建屋カバーの工事が進み、少しは安心になるのかと思ったら、
逆に内部は高濃度になるため、排気塔からの放出は避けられない、という
アメリカの研究者さんの話もあるようで。
汚染廃棄物の問題は、国や行政のゆるゆるの基準で焼却処分になりそうだけど、
もちろん数値の高いものは行き場が無いし、焼却の際の灰の飛散もあるし、
そもそもその焼却後に残ったものをどうする?
え、国よ、東電さんよ、どうするの?

私たちは何も、わからない。
知らされない。
ただ、除染せよ、除染ありき、で、もくもくと地域住民が汗を流しています。
数日前行った美容院で、私の髪を切りながら、美容師さんが、

「これからさき私ら死ぬまで被曝し続けるんですよね~。
やだなあ~。」

ほんとに、いやだよねえ。
東電どころじゃない、みんな、撤退したいよ。
あの日の前に。

野田さんは財務大臣のときに、東電は絶対無くさないとおっしゃったとか。
東電は無くさなくてもいいけど、原発は無くしてほしいなあ。
でも、京大の小出さんもテレビで、そうはならないのが今の政治と言ってたし・・・。

うちのネコさんも困った顔をしています。


そうそう、先日小名浜に水揚げされたカツオ。
よそではやはり厳しかったようです。
獲れた漁場の名前で市場に出すこともできるけれど、
流通の過程で水揚げの場所もわかるし、また地元漁業者の皆さんだって、
そんなことをする積もりもないでしょう。
価格はキロ100円。通常の3分の1だそうです。
それも、買い手がいないのを無理に頭を下げてお願いして。

海も山も町も人も、厳しいです。
これが原発。

ああ、今日はいい天気だなあ~~~~