virtual"the elf"

神戸の舞子,海岸近くのelf。'04幕を下ろし、その秋仮想空間にてゾンビのごとく甦る。マスター谷口の世界へ酔うこそ!

須磨駅前にて(去年の忘れ物)

2014-02-02 23:47:50 | ローカルねた
=去年UPしそこねたネタです=

JR須磨駅前でのお話3つ。

その1 =夏=
60歳代半ばの男性が夏に毎日、午前中に1時間弱ほど須磨の海をじ~っと見に来るので、そのうち顔見知りになった。
毎日のことなので最初は挨拶だけ。そのうち世間話を少しずつ。
持ち物や雰囲気からはご近所にお住まいの方のよう。
やがて訊いてみました。
「毎日ここに来て、海を見てはるけど・・?」

「ここは女房との思い出の場所なんや。結婚前のデートもここの浜やった。
死んでからはここに来て、海を見るようになったなぁ・・。死ぬまではとくに・・ここ来て海見ることなかったんやけどなぁ・・」
「そうでしたか・・」

別に何をするわけでもなく、若者で賑わってる様子も気にせず、
日陰にしゃがんで、たまにはチューハイの缶を持って、海を見つめて、
やがて帰っていく。

秋に偶然、道で出会った時は「前日、こけた!」と顔にキズが。
今も海を見に行かれてるんでしょうか。。。


その2 =秋=
70歳代半ばの女性が突如「このあたりで旅館はどこでしょうか?」と訊いてきた。
「旅館ですか? すぐそばにもありますが・・」
「友達と待ち合わせしてて、そこに行こうと思うんですが・・」
「旅館の名前はなんですか?えっ?わからない・・。」
「友達が予約したので、まかせてて知らないんです。
 旅館のパンフレットを送るからと言ってたのに送ってこないので、
 昨日電話したら、そうだった?と言われて。
 今までもそうやって、あっちこっち行ってたんですけど、
 友達が待ち合わせ時間を1時間過ぎても来ないので、そこに行ってみようかと・・。
 先に行っているかもしれないし・・ 」
「ホテルではなくて、旅館ですか?」
「温泉が出るらしいんで 」
「友達の携帯は?連絡がとれない・・。家の電話番号は?わからない・・。
 温泉が出るのなら、須磨寺近くの○○かもしれませんねえ。
 駅の公衆電話に電話帳がありますから、番号を調べて、友達が予約しているか
 訊ねてみたらいかがでしょうか?」
「はい、そうします」

心配になって公衆電話を見にいったら、イエローページを開いていたけど・・
「よくわからないですねぇ・・」
どうもイエローページの見かたがわからない様子。
「僕が見てみましょう。。・・ここ、なんですが」
「はい、電話してみます」

しばらく経って・・
「その旅館でした。友達はまだ来てないとのことでしたが、
 泊まる用意もしてきてるので、来なくても行ってみます」

やがて旅館からお迎えの車がやって来た。
「お世話になりました」
「いえいえ。須磨寺もぜひ行ってみてくださいねぇ。たくさん見どころありますから」
車の中からさかんに手を振るおばさんを僕も手を振って見送った。

パンフ送るのを忘れてたのくらいですから、
兵庫県・加西から友達は来なかったかもです。
大阪府・茨木から初須磨のおばさんは"ひとり旅館"をいかがすごされたのでしょう、   
気になるところです。。。

2年ほど前、武田尾温泉の旅館で牡丹鍋を4人分予約して、
でも1人不参加で・・
3人で4人分を食べることになりました。
もちろん料金もきっちり4人分でした。(入浴料までも4人分で・・)


その3 =晩秋=
70歳台の男性が近づいてきて
「須磨区寺田町というのはどこでしょうか?」
「寺田町? わからないですねぇ・・」(大阪の寺田町なら知ってるけど・・)
「そうですか。私ね寺田町の生まれなんです。
 でも戦争で親の里に引っ越して、幼かったのでそこでの記憶はないんです。
 この夏に"少年H"を見ましてね、"少年H"が育った須磨区の地名を聞いたので、
 死ぬ前にどうしても一度は訪ねたいと思いましてね、やってきました」
「そうですか。どちらからですか?」
「宇都宮からです」
「餃子で有名な!」(これしか宇都宮ネタは知らない・・)
「そうです」
えっ~、遠路はるばる・・これはぜひ訪ねて行ってもらわねば・・

客待ちで暇そうにしていたタクシーの運転手に須磨区寺田町を訊ねたら、
ナビの画面で「ここ!」と。
須磨区太田町交差点の南側でした。

「須磨駅からはちょっと歩いていけませんねぇ。タクシーで行かれたらいかがですか」
「じゃ、そうします。ありがとうございました」

僕が生れたのは須磨区太田町ですが、
同じように幼いときだけいたのでその記憶は全くありません。
なんだぁ僕が生れたとなりの町でしたね~とは
言えずじまいで、タクシー見送りました。。。











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