乱鳥の書きなぐり

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『坐敷芸忠臣蔵』16『仮名手本忠臣蔵』四段目(判官は力弥に尋ねた「力弥、力弥、由良助は」「いまだ参上仕りませぬ」「エエ存命に対面せで残念」)///山東京傳  歌川豊国

2021年06月09日 | 山東京傳

 

『坐敷芸忠臣蔵』16///『仮名手本忠臣蔵』四段目(判官は力弥に尋ねた「力弥、力弥、由良助は」「いまだ参上仕りませぬ」「エエ存命に対面せで残念」)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

 

 『仮名手本忠臣蔵』四段目(四段目・来世の忠義)

 

(花籠の段)

 扇が谷にある塩冶判官の上屋敷は、あるじの判官が閉門を命じられたことにより大竹で以って門を閉じ、家中の者たちも出入りを厳重に禁じられていた。

 そうして蟄居している判官に妻のかほよ御前は夫の心を慰めようと、大星力弥も伺候する前で八重桜を籠に生け、判官へ献上しようとするところに、諸士頭の原郷右衛門と家老の斧九太夫が参上する。

 郷右衛門によれば本日上使が館に来るとの知らせ、閉門を赦すという御上使であろうと郷右衛門はいうが、九太夫はそうではあるまいと打ち消し、師直に賄賂でも贈っておけばよかったなどという。

 

 これに郷右衛門は腹を立て九太夫と言い争いとなるのをかほよがなだめ、事の起こりはこのかほよから、あの

「さなきだに、、、、、、、、」

の和歌を師直に送らなければこんなことには…と嘆くのであった。

 そこへ「御上使のお出で」という声がするので、かほよをはじめとして人々は座を改め、上使を迎える。

 

(判官切腹の段)

 足利館から石堂右馬之丞、薬師寺次郎左衛門が上使として来訪した。

 情け深い石堂に比べ、師直とは親しい間柄の薬師寺は意地が悪い。

 一間より判官が出てきて上使に応対する。判官は切腹、その領地も没収との上意を申し渡される。

 これには同席していたかほよはもとより、家中の者たちも驚き顔を見合わせるが、判官はかねてより覚悟していたのかその言葉に動ずる気色も無く、

「委細承知仕る」

と述べた。

 そして着ているものを脱ぐと、その下からは白の着付けに水裃の死装束があらわれる。

 判官はこの場で切腹するつもりだったのである。

 だがせめて家老の大星由良助が国許から戻るまでは、ほかの家臣たちにも目通りすまい…と待つが、なかなか現れない。

 判官は力弥に尋ねた。

「力弥、力弥、由良助は」

「いまだ参上仕りませぬ」

「…エエ存命に対面せで残念、残り多やな。是非に及ばぬこれまで」

と、遂に刀を腹に突き立て、近くにいたかほよがそのさまを正視できず目に涙して念仏を唱える。

 

 そのとき大星由良助が国許より駆けつけ、後に続いて一家中の武士たちが駆け入った。

「ヤレ由良助待ち兼ねたわやい」

「ハア御存生の御尊顔を拝し、身にとって何ほどか」

「オオ我も満足…定めて仔細聞いたであろ。エエ無念、口惜しいわやい」

…と判官は刀を引き回し、薄れゆく意識の中で最後の力を振り絞り、

「この九寸五分は汝へ形見。我が鬱憤を晴らさせよ」

とのどをかき切って事切れた。

 

 由良助はその刀を主君の形見として押し頂き、無念の涙をはらはらと流すのだった。

 だがこれで判官の、余の仇を討てとの命が伝わったのである。

 

 石堂は由良助に慰めの言葉をかけて帰り、薬師寺は休息するといって奥へ入った。

 上使の目を憚っていたかほよ御前はそれを見て、とうとうこらえきれず

「武士の身ほど悲しい物のあるべきか」

と判官のなきがらに抱きつき、前後不覚に泣き崩れるのだった。

 判官の遺骸は塩冶家菩提所の光明寺に埋葬するため、駕籠に乗せられるとかほよも嘆きつつそれに付き添い館を出て、光明寺へと急ぐ。

 

(評定の段)

 そのあと、一家中で今後のことについての会議をすることになった。

 由良助は家老斧九太夫と金の分配のことで対立し、九太夫はせがれの定九郎とともに立ち去る。

 ここで由良助は、残った原郷右衛門、千崎弥五郎ら家臣たちに主君の命を伝え、仇討のためにしばらく時節を待つように話す。

 

 やがて明け渡しの時が来る。

 由良助たちは

「先祖代々、我々も代々、昼夜詰めたる館のうち」

も、もう今日で見納めかと名残惜しげに館を出る。

 

城明け渡しの段

 表門の前では屋敷明け渡しに反対する力弥ら若侍たちが険悪な雰囲気で立ち騒いでいる。

 そこへ出てきた由良助は判官が切腹に使った刀を見せ、師直に返報しこの刀でその首をかき切ろうと説得するので、人々は

「げにもっとも」

とその言葉に従う。

 だが屋敷の内には薬師寺が、

「師直公の罰があたり、さてよいざま」

というとどっと笑い声が起こる。

 その悔しさに屋敷内へと駆け込もうとする諸士を由良助はとどめ、

「先君の御憤り晴らさんと思ふ所存はないか」

というので皆は無念の思いを抱きつつも、この場を立ち去るのであった。

(ウィキペディア)

 

 

『坐敷芸忠臣蔵』四段目

 

 

『坐敷芸忠臣蔵』(『坐敷藝忠臣蔵』)

 山東京傳 戯作 

 歌川豊国 戯画

 山東京傳 1761-1816

 歌川豊国 1769-1825

 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810]

 19cm

 和装
 印記:只誠蔵,斎藤文庫,洒竹文庫
 関根只誠,斎藤雀志,大野洒竹旧蔵

 早稲田大学図書館 (Waseda University Library)

『坐敷芸忠臣蔵』ヘ13 02377

『坐敷忠臣蔵』  1 山東京傳 戯作  歌川豊国 戯画 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810] 早稲田大学図書館

『坐敷忠臣蔵』  2 『坐敷藝忠臣蔵』と『仮名手本胸之鏡』は同じか否か。それともよく似ていると言うだけか。部分的に一緒ではあるが、違う本なのだろう。

『坐敷忠臣蔵』 3 表紙   山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810] 早稲田大学図書館

『坐敷忠臣蔵』  4 裏表紙 及び 「坐敷忠臣蔵序」1、2、3  山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810] 早稲田大学図書館 (2枚)

『坐敷忠臣蔵』  5 出演者全員顔見世的一枚(一部、日本語漢文で記されている)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810] 早稲田大学図書館

『坐敷忠臣蔵』  6 大序(各出演者の簡単な芸などの説明)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810] 早稲田大学図書館

『坐敷忠臣蔵』 7(大序 かほよの兜「蘭奢待の香るこの兜こそ義貞着用のものに間違いない」)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画 小舟町(江戸) : 文亀堂, 文化7[1810] 早稲田大学図書館

坐敷忠臣蔵』8(序切 とんび役のものはほ(師直)がからす役のもゝの井(桃井若狭之助安近)に向かい小馬鹿にした事ばかりを並べ立てる)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷忠臣蔵』 9( 二段 もゝの井「此しゃくしを耳となしかうもり(蝙蝠)の身振りにてつらはぢをかゝせるつもり」)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷忠臣蔵』 10(二段 『仮名手本忠臣蔵 二段目・諫言の寝刃』と、『坐敷藝忠臣蔵』二段目)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷芸忠臣蔵』 11(『坐敷藝忠臣蔵』 三段  「三段目口」「三段目」 三段目1/3、2/3)(2枚)(2枚)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷忠臣蔵』 12(『坐敷藝忠臣蔵』 「三段目切」(もろなほがもゝの井に悪態をつきまくる)三段目3/3)(1枚)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷忠臣蔵』 13(『坐敷藝忠臣蔵』三段目( 歌舞伎:『仮名手本忠臣蔵 三段目』 ) 山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷芸忠臣蔵』 14(『坐敷芸忠臣蔵』四段目(へどのついたる にざかなを うちまもり/\ むねんのしな) 山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷芸忠臣蔵』15 四段目切(はつと いちどに立いでしが、思へば無念、と、立かへる)山東京傳 戯作   歌川豊国 戯画

『坐敷芸忠臣蔵』16 ///『仮名手本忠臣蔵』四段目(判官は力弥に尋ねた「力弥、力弥、由良助は」「いまだ参上仕りませぬ」「エエ存命に対面せで残念」)///山東京傳  歌川豊国

 

 

『坐敷芸忠臣蔵』 (四段目)

 

 

 

 

『仮名手本胸之鏡』山東京伝 作 歌川豊国 画   早稲田大学デジタル図書

 通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]   寛政11 [1799]   黄表紙

仮名手本胸之鏡 上 1 表紙 仮名手本胸之鏡 通油町 蔦十版 巳未春

仮名手本胸之鏡 上 2  一丁表

仮名手本胸之鏡 上 3  一丁裏 二丁表

仮名手本胸之鏡 上 4  二丁裏 三丁表

仮名手本胸之鏡 上 5  三丁裏 四丁表

仮名手本胸之鏡 上 6  四丁裏 五丁表

仮名手本胸之鏡 上 読了^^v  7  五丁裏

仮名手本胸之鏡 中 7 一丁表

仮名手本胸之鏡 中 8 一丁裏 二丁表

仮名手本胸之鏡 中 9 二丁裏 三丁表

仮名手本胸之鏡 中 10 三丁裏 四丁表

仮名手本胸之鏡 中 11 四丁裏 五丁表

仮名手本胸之鏡 中読了^^v  仮名手本胸之鏡五丁裏 12 六丁表

仮名手本胸之鏡 下 13 一丁表

仮名手本胸之鏡 下 14 二丁裏 三丁表

仮名手本胸之鏡 下 15 三丁裏 四丁表

仮名手本胸之鏡 下 16 四丁裏 五丁表

仮名手本胸之鏡(上中下読了^^v)  17 下 五丁裏

 

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