乱鳥の書きなぐり

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仮名手本胸之鏡 中 9 二丁裏 三丁表

2020年07月20日 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 中 9 二丁裏 三丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

仮名手本胸之鏡 中

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 中 9 二丁裏 三丁表

 

中 二丁裏上  

とかく人ハ心にくろしやうぞくを

きせ、はぢをしのばざれバ、忠臣(ちうし)」の

ろうにおさめたる大功(たいこう)とたから

ものハゑがたし、むせう向きの

みじかき人ハ、いつしやう大(たい)

功(こう)ハさてぞかし

 

中 二丁表中央 算盤を持ってたつ男の言葉

黒装束の顔に  

    胸に 大功

 

「かうはぢを

 しのんでハたれ

 ことさとら

 れることでハ

 ねへ、大ぐわん

 じやう しゆハ

 まだゞ/″\、うつた

 

中 二丁表中央 右下の座る男

    手ぬぐいに  の文字

 

  なるほど

  うらぎが

  みしかく

  てハ、てぬ

  ぐひにも

  ならぬ

 

中 二丁裏中央 左下の座る男

    手ぬぐいに  の文字

 

中 三丁表中央 左下の座る男

   い

   きとくしる

   きもみし

   かうこざる

 

中 三丁表中央 丸鏡の下

    たいこうのかゞみ

    大功の鏡

 

  はぢをしのひ

  いかりをこしへて

  大功をたつる人ハ

  此心のみにうつるきやう

  げんのごとし

仮名手本胸之鏡 中 9 二丁裏 三丁表

 

中 二丁裏上  

とかく人は心に黒装束を

着せ、恥を忍ばれざれば、忠臣(ちゅうしん)の

楼に納めたる大功(たいこう)と 宝

物は、得難し、むしょう向きの

短かき人は、一生 大(たい)

功(こう)は、さてぞかし

 

中 二丁表中央 算盤を持ってたつ男の言葉

黒装束の顔に  

    胸に 大功

 

「こう 恥を

 忍んでは、誰、

 事悟ら

 れる事では

 ねへ、大勘

 定 しゅうは

 まだだ、まだだ、売った(打った)

 

中 二丁表中央 右下の座る男

    手ぬぐいに  の文字

 

  なるほど

  裏着が

  短く

  ては、手ぬ

  ぐひにも

  ならぬ

 

中 二丁裏中央 左下の座る男

    手ぬぐいに  の文字

 

中 三丁表中央 左下の座る男

   い

   きとくしる

   気(着)も短

   こうこざる

 

中 三丁表中央 丸鏡の下

    たいこうのかゞみ

    大功の鏡

 

  恥を忍び

  怒りを越し経て

  大功を達つる人は

  此心の身に写る狂

  言の如し

くろしやうぞく

 黒装束

 

 

 

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