乱鳥の書きなぐり

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仮名手本胸之鏡 中 8 一丁裏 二丁表

2020年07月19日 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 中 8 一丁裏 二丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_01505/

仮名手本胸之鏡 中

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 中 8 一丁裏 二丁表

 

中 一丁裏上  

たんりよこうをなさずとハ

むべなるかな、あとさきのかん

べんなくはらのたつまゝに

ことをやぶる人ハ、わが心の

     つるぎをもつて

     わがあしにていへをふみ

     つぶし、つまや子に

     なげきを

かけ、けらい、めしつかひ

にハ、ひしよくに

はなれしめ

なんぎをさする

こと、みなこれ

一人のたんりよ

しりおこるなり   

中 一丁裏上 真ん中家を左足で抑え、刀を持ってたつ男

その左に刀男の腹を持って振り返る男

という頭の白生き物をきて去る左上の男

 

中 二丁表中右

 「さむさにむかつて

  きもの はな

  するとハ

  なんたる

  いんぐわだ

 

中 一丁裏上 右女の目から

     泪

     泪

 

中 一丁裏右下

 「にようぼうの

  目より、なみだの

  たま はしりいづる

 「わがあしにて、わが

  いへをふみつぶす

 

中 一丁裏右下座る男が、二丁表ご飯頭の男に声をかける

 「しよく

  にはなれて

  □すがら

  何にしやう

丸鏡の中の絵

仮名手本忠臣蔵 塩谷判官(えんやはんがん)切腹の場

仮名手本胸之鏡 中 8 一丁裏 二丁表

 

中 一丁裏上  

たんりょうこうをなさずとは

むべなる哉、後先の勘

弁無く、原野たちままに

事を破る人は、我が心の

     劔を持って

     我が足にて家を踏み

     潰し、妻や子に

     嘆きを

掛け、家来、召使

には、被食に

離れしめ

難儀をさする

事、皆これ

一人の胆力

知りおこる也   

中 一丁裏上 真ん中家を左足で抑え、刀を持ってたつ男

その左に刀男の腹を持って振り返る男

という頭の白生き物をきて去る左上の男

 

中 二丁表中右

 「寒さに向かって

  着物 離

  するとは

  なんたる

  因果だ

 

中 一丁裏上 右女の目から

     泪

     泪

 

中 一丁裏右下

 「女房の

  目より、涙の

  玉 は知り出(いず)る

 「我が足にて、我が

  家を踏み潰す

 

中 一丁裏右下座る男が、二丁表ご飯頭の男に声をかける

 「食

  に離れて

  □すがら

  何にしよう

仮名手本忠臣蔵 塩谷判官(えんやはんがん)切腹の場

(文化デジタルライブラリー https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc21/himotoku/d4/2a.html)

 上使は、石堂右馬丞(いしどううまのじょう)と、高師直 (こうのもろのう)と懇意の薬師寺次郎左衛門(やくしじじろうざえもん)。塩谷判官(えんやはんがん)は切腹、領地は没収との上意が申し渡されます。判官は既に覚悟を決めており、死装束を整えていました。切腹の支度が粛々と進みます。切腹の座についた判官は、一目だけでも大星由良助(おおぼしゆらのすけ)に会いたいと到着を待ちわびますが、もはや猶予は許されません。ついに、刀を腹に突き立てます。

 そこへ由良助が駆け付けました。判官は苦しい息の下、「無念」と伝えこと切れました。由良助の手には、判官が形見と告げた腹切り刀。由良助は、判官の最期の言葉を噛みしめます。

判官の亡骸は、泣き崩れる顔世御前(かおよごぜん)と家臣達に付き添われ、葬送のため菩提寺光明寺へ向かいました。

 

 

 

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