乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

仮名手本胸之鏡 下 14 二丁裏 三丁表

2020-07-24 | 山東京傳

仮名手本胸之鏡 下 14 二丁裏 三丁表

早稲田大学所蔵

https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/he13/he13_02946/he13_02946_0054/he13_02946_0054.html

仮名手本胸之鏡 下

山東京伝 作

歌川豊国 画

早稲田大学デジタル図書

通油町(江戸)  [蔦屋重三郎]

寛政11 [1799]

黄表紙

仮名手本胸之鏡 下 14 二丁裏 三丁表

 

下 一丁裏 上

やけのゝきゞす、よるのつるてう

るひ ちゝとひでさへしさぬ

ものハ なし、

しかる

をおや

のみ

にて

子を

かさ

する

これ

 

ぎりにせめらるゝ

なり、そのくるしみ

いかばかりならん

 

「こなせがかたなをふり

 あげたところハ、こなみが

 いのちハまことにかぜのまへの

 ともしびのごとくなり

 

刀を振り上げる鬼の頭に ぎり

なんとぎりハかれまいが

ぎり/″\むすめをころ

せやひ

 

風神のような鬼

油壺には 

鬼は油壺の灯火に大風を吹きかける

 

女の着物に 

女は刀を持ち、刀を持つ鬼と戦っている。

 

  「おやの身で

   なんとかたなが

   あてらりやう

   あゝ、くるしや

        /\

 

泣き崩れる女

   おん

   あい

親の帯は、泣き崩れる女(娘)に繋がっている。

娘が親に引かれているような状態

親の着物は、波文様

袖に 本 (親の名は本ぞう)の文字

 

下 三丁表 下 

    本ぞう、子ゆへの

    やみにまよひて

    おん、あいにひか

    るゝ

鏡に写る画

家に中では祈る女に、刀で切りつける女

外戸口で虚無僧に扮した男が、家の中をのぞいている

 

鏡の下には 

     おや の おん の かゞみ

    親の恩の鏡

 

下 三丁表 下

    ほんぞうが子ゆへのやみに

    まよひて、おん、あいにひる

    るゝところあたりも、おゝつ

    ゑのざとうのごとし

 

   「かゝるおやのおんをしらぬ

    子ハとり、けだものにもおとるべし

    これらがよきおやのおんのおんぞ、こと

                    なり

 

 

仮名手本胸之鏡 下 14 二丁裏 三丁表

 

 

下 一丁裏 上

やけのの きぎす、夜の鶴、鳥

類 父とひでさえしさぬ

ものは 無し、

しかる

を親

のみ

にて

子を

かさ

する

 

義理に責めらるる

也、其苦しみ

如何ばかりならん

 

「こなせが刀を振り

 上げたところは、こなみが

 命は誠に風の前の

 灯火の如く也

 

刀を振り上げる鬼の頭に ぎり

なんと義理が枯れまいが

ぎりぎり娘を殺

せやい

 

風神のような鬼

油壺には 

鬼は油壺の灯火に大風を吹きかける

 

女の着物に 

女は刀を持ち、刀を持つ鬼と戦っている。

 

  「親の身で

   なんと刀が

   当てらりょう

   ああ、苦しや

        苦しや

 

泣き崩れる女

   恩

   愛

親の帯は、泣き崩れる女(娘)に繋がっている。

娘が親に引かれているような状態

親の着物は、波文様

袖に 本 (親の名は本ぞう)の文字

 

下 三丁表 下 

    本蔵、子故の

    闇に迷いて

    恩、愛に引か

    るる

鏡に写る画

家に中では祈る女に、刀で切りつける女

外戸口で虚無僧に扮した男が、家の中をのぞいている

 

鏡の下には 

     おや の おん の かゞみ

    親の恩の鏡

 

下 三丁表 下

    本蔵が子故の闇に

    迷いて、恩、愛にひる

    るる所辺りも、大杖

    の座頭の如し

 

   「かかる親の恩を知らぬ

    子は鳥、獣にも劣るべし

    これらが良き親の恩のおんぞ、こと

                   也

 

 

こなせ(固有名詞)、こなみ(固有名詞) 

「こなせが刀を振り

 上げたところは、こなみが

 命は誠に風の前の

 灯火の如く也

 →父親の着物が波文様なのは、娘の名によるものか、、、

ざとう 座頭

 1盲人の琵琶(びわ)法師の位。勾当(こうとう)の下。

 2頭髪をそった盲人で、琵琶・三味線(しゃみせん)をひいて語り物を語ったり、あんま・はり等を業としたりした者。

 

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