遺伝 陽春 萩原朔太郎 （2景）

　　　　　　
　　　　　　
　　
　　　　


　　　　遺伝　　　萩原朔太郎




　　　　人家は地面にへたばって

　　　　おおきな蜘蛛のように眠っている。

　　　　さびしいまっ暗な自然の中で

　　　　動物は恐れにふるえ

　　　　なにかの夢魔におびやかされ

　　　　かなしく青ざめて吠えています。

　　　　　　のおあある　とおあある　やわあ

　　　　もろこしの葉は風に吹かれて

　　　　さわさわと闇に鳴ってる。

　　　　お聴き！　しずかにして

　　　　道路の向こうで吠えている

　　　　あれは犬の遠吠だよ。

　　　　　　のおあある　とおあある　やわあ

　　　「犬は病んでいるの？　お母あさん。」

　　　「いいえ子供

　　　　犬は飢えているのです。」

　　　　遠くの空の微光の方から

　　　　ふるえる物象のかげの方から

　　　　犬はかれらの敵を眺めた

　　　　遺伝の　本能の　ふるいふるい記憶のはてに

　　　　あわれな先祖のすがたをかんじた。

　　　　犬のこころは恐れに青ざめ

　　　　夜陰の道路にながく吠える。

　　　　のおあある　とおあある　のおあある　やわああ

　　　「犬は病んでいるの？　お母あさん。」

　　　「いいえ子供

　　　　犬は飢えているのですよ。」


　　　　
　　　　　　


　　　　陽春　　　萩原朔太郎




　　　　ああ、春は遠くからけぶつて来る、

　　　　ぽつくりふくらんだ柳の芽のしたに、

　　　　やさしいくちびるをさしよせ、

　　　　をとめのくちづけを吸ひこみたさに、

　　　　春は遠くからごむ輪のくるまにのつて来る。

　　　　ぼんやりした景色のなかで、

　　　　白いくるまやさんの足はいそげども、

　　　　ゆくゆく車輪がさかさにまわり、

　　　　しだいに梶棒が地面をはなれ出し、

　　　　おまけにお客さまの腰がへんにふらふらとして、

　　　　これではとてもあぶなさうなと、

　　　　とんでもない時に春がまつしろの欠伸（あくび）をする。　

　　　　　　　　

　　　　

さくらさくら さくら さくら さくら （16景） 2012年 4/07 4/09

　　　さくらさくら　　　　　　近くの公園にて


　　　河口恭吾 - 桜
　　　



　カワイイ桜を見つけました。
　幹から小枝が出て、咲いています♡
　一等賞


　可憐な　しだれ桜
　

　物思いにふける　さくらさん


　この道を、歩いてい行こう


　この道も、歩いて行きたい


　鴨と　桜


　エニシダと　桜


　赤いはっぱの　葉桜


　ワイワイと　楽しそう…


　こっちにも、向こうにも…
　桜が、降りてきた
　重そうだ


　桜の花びら


　夕日の枯木と　桜


　夕日と　桜


　夕日に　桜
　

　夕日や　桜　
　

　さくら さくら

　さくら さくら
　さくら さくら　さくら
　ふたりで　さんぽ

仮名草子編 30『竹斎物語 上』竹斎 寛永製板 /『日本古典文学大系 仮名草子集』90 竹斎

　読書記録がなかなかできないので、中間報告をしま～す＾＾



　仮名草子編　30『竹斎物語　上』　から　『竹斎　寛永製板』

　『日本古典文学大系　仮名草子集』90から　『竹斎』

『竹斎物語　上』　仮名草子編　30から　『竹斎　寛永製板』
　１９７８．５　
　近世文学書誌研究会編


　以前岩波で読んだことのある竹斎だが、面白かったので、仮名草子編　『竹斎物語　上　下』　から　『竹斎　寛永製板』を選び、じっくりと腰を据えて読むことにした。

『竹斎　寛永製板』を読もうと思ったのはただひとつの理由。岩波の『日本古典文学大系　仮名草子集』では、『竹斎　寛永製板』が選ばれているため。

　変体仮名の略仕方はおおむね読めるようにはなったとはいえ、漢字や変形は戸惑うので、ガイドがあるとわかりよい。

　この四日間というもの毎日三時間以上は『竹斎　寛永製板』に取り組んでいる。

　進んだページは109－132

　残り　上　133-193　　　下194-271　　気が遠くなる…


『竹斎　寛永製板』一ページを大学ノート一枚で都合良く納められ、余スペースに読みにくい綴りなどを辞書で調べて入れているのだが、日がたつにつれ読める字が多くなり、ペースが進むのが不思議だ。

　ノートに書き込むと、右手が痛くなってくるけれど、意味が穫りやすいし、古語辞典や古文書辞典のメモも脇にメモできるし、これっていいね。

　えんぴつの感触も削る音も、充実感があるよ。


　楽しもう～人生☆　そんな風に思うことができるお遊びだよ。

　

『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』 『風雲日月双紙』

『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』

　原題: National Treasure: Book of Secrets）

　2007年　アメリカ映画
　2004年　『ナショナル・トレジャー』の続編

　
　ウィキペディアより　▼
　歴史学者ベンのもとに古美術商のウィルキンソンが訪れる。彼がベンに見せたのはリンカーン大統領暗殺事件の犯人ジョン・ウィルクス・ブースの日記の失われた18ページ、そこにはベンの祖先が暗殺事件にかかわっていたという記録が残されていた。一族の汚名を晴らそうとベンは再び冒険に出る

監督 ジョン・タートルトーブ
脚本 ザ・ウィバーリーズ
原案 テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
コーマック・ウィバーリー
マリアンヌ・ウィバーリー
原作 キャラクター創造
ジム・カウフ
オーレン・アヴィヴ
チャールズ・シーガース
製作 ジェリー・ブラッカイマー
ジョン・タートルトーブ
製作総指揮 マイク・ステンソン
チャド・オマン
バリー・ウォルドマン
オーレン・アヴィヴ
チャールズ・シーガース
出演者 ニコラス・ケイジ
ジャスティン・バーサ
ダイアン・クルーガー
ジョン・ヴォイト
ハーヴェイ・カイテル
ヘレン・ミレン
エド・ハリス
ブルース・グリーンウッド

前作に続いて多くの歴史的建造物で撮影が行われた。
アメリカ合衆国議会議事堂
アメリカ議会図書館
リンカーン記念館
ホワイトハウス
ラシュモア山
エッフェル塔
ビッグ・ベン
フォード劇場
バッキンガム宮殿
メリーランド大学カレッジパーク校
マウントバーノン
自由の女神像#パリの自由の女神像



『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』を楽しむ。

　こういった映画は結構好きなのに、このとことずっと見てなかったのね。

　ラスト30分で、家族二人が集まってくるじゃない…。

　そしてはじめから見ていたわたしよりも楽しそうなかおしてみてるじゃな～い。

　ハッピーエンドで目尻を下げながら見ていると、娘がチーズクラッカーやクッキーやジュースのようにおいしいおちゃけやなんだかんだと持ってきてくれて、こんなのってありじゃなあぁい？な～～んて映画の締めはほろ酔いながら、ディズニー風の花火が上がり、幸せ感と満足感で満たされたのでありまする。

　ああ～、冒険ごっこがしたいなぁ～～～☆








『風雲日月双紙』

監督：酒井辰雄
原作：三上於●吉
脚色：森田龍男
出演：大谷友右衛門　近衛十四郎　浅茅しのぶ　七浦弘子　幾野道子　高野真二　千秋みつる
1955年
松竹
92分
モノクロ
復讐の剣に起つ右近と左近！ 血に呪われた黄金の秘図とは？ 構成・伊藤大輔！　唸る右太衛門・近衛の豪快剣！ 亡き父の復讐に燃え、御厨藩五万八千石の存亡を賭け立ち上がった、榊右近、左近の兄弟の活躍を描く。



『風雲日月双紙』を見て楽しむ。

　先日見た『天晴れ一番手柄　青春銭形平次』の主演である大谷友右衛門は目張りの入れた劇中女性から持てる良い男。
　一方兄訳は　近衛十四郎。この方の剣さばきは瞬発力を伴い、飛び上がったかと思えば切れている。着地の必要以上に深くて低い「腰の入れ方」と型と目地からは素晴らしい。


　昔の時代劇って、もてる男とほの字の女性が何人か出てきて、緊張棺を少し和らげてくれるのね。
「そなたはそれほどまでに、このわたくしのことを思いやっていりゃれたのか」
「ごめんなさい。それほど思っちゃい無かったの。いつまでも○○と仲良く」…とあくまでも強がっったまま、息が絶える。一方でかわいく演じる娘もいるというのにね。日本の女性だねぇ～☆
　
　生まれる前の白黒の映画や古い映画って、私には斬新で、舞台見ているみたいでおもしろぉお～い♩