52: 『百鬼夜行絵巻の謎』
小松和彦 著
集英社 HPより ▼
一九四七年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター教授。埼玉大学教養学部教養学科卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。専門は文化人類学・民俗学。著書に、『憑霊信仰論』『日本妖怪異聞録』(講談社学術文庫)、『異人論』『悪霊論』(ちくま学芸文庫)、『京都魔界案内』(光文社知恵の森文庫)、『神隠しと日本人』(角川ソフィア文庫)、『異界と日本人』(角川選書)、『妖怪学新考』(洋泉社Modern Classics新書)、『酒呑童子の首』『神なき時代の民俗学』『妖怪文化入門』(せりか書房)など多数。
集英社新書
2008年
254ページ 1260円
『百鬼夜行絵巻の謎』をじっくり楽しむ。
そういえば、昔 京都の高台寺・圓徳院で土佐光信筆の『百鬼夜行絵巻』を見たことがあるよ。
本書にも、土佐光信筆の『百鬼夜行絵巻』の話は載せられていた(嬉)
小松和彦先生の本は復数冊読み、三、四冊は百鬼夜行の話が出てきたな。
書かれる内容に魅力的を感じる先生だ☆
異類の話が多く書かれていて、うなずきながら読み進む。
「擬人化と妖怪化」(194-)は、興味深い。
魚介類や器物が擬人化されると、その時点で幻想度(変化の度合い)が高いため、妖怪と見なされやすらしい。(196)
‘器物の妖怪や鬼たちの仲間’として狐や兎や蛙など四肢を持った動物たちが擬人化されて描かれると、それらも「妖怪」として見なされる。
「百鬼夜行絵巻」に書かれた時点で、妖怪に変容(図柄の意味が変わる)
『鼠草子』(本書ではサントリー所蔵)が載っていた(^^)
蛤はかわいらしい女性で描かれていたが、サザエはグロテスクな獣のような男性で描かれていたのが印象的。
日分研本、東博模本 各巻末の省き方、類似点の比較は、たいへん面白い。(152-153)
集英社 HPより ▼
新発見の絵巻を初公開!ついに解明されるミステリー。
「日本人の想像力と創造力って…凄い!」
宮部みゆき氏推薦
二〇〇七年七月、画期的な絵巻「百鬼ノ図」が発見される。この新発見の絵巻の登場によって、“謎”だらけといわれてきた百鬼夜行絵巻のミステリーが一気に解け、これまでの定説は完全にくつがえることになったのである。
著者は、国内外にある百鬼夜行絵巻の伝本六十余の画像をすべて収集、それらの詳細な分析により、絵巻の成立と系譜の全容の解明をはたす。この発見と研究のプロセスを収録した本書は、妖怪研究第一人者による、百鬼夜行絵巻研究の決定版である。
本邦初公開の「百鬼ノ図」をはじめ、初紹介の伝本多数をカラーで掲載。
写真は全て『百鬼夜行絵巻の謎』より お借りしました。