乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

122;『鳥獣虫魚の文学史 2 鳥の巻』 鈴木健一編 三弥井書店  平成23年8月

2011-10-14 | 読書全般(古典など以外の一般書)




 122;『鳥獣虫魚の文学史 2 鳥の巻』






『鳥獣虫魚の文学史 2 鳥の巻』 147ページから最後まで

 鈴木健一編

 三弥井書店

 平成23年8月 

 P.363

 2800円




 公式サイトより ▼

 古典文学作品の中で鳥、獣、虫、魚がいかに表現され、どのような存在として描かれたのか、いきものに焦点をあて、文学史の構築を試みた本邦初の書!人間存在を鳥獣虫魚の側から逆照射することによって古典文学における鳥獣虫魚と人間との関係性の変遷を明らかにする。



 公式サイトより ▼
【目次】

鳥の自由さと不自由さ(鈴木健一)/『風土記』に描かれた鳥(兼岡理恵)/『万葉集』のひばり(根来麻子)/『竹取物語』「燕の子安貝」(吉田幹生)/『伊勢物語』の都鳥(近藤さやか)/『蜻蛉日記』道綱鷹を放つ(吉野瑞恵)/『源氏物語』「雀の子を犬君が逃がしつる」(今井 上)/『今昔物語集』の「屎鵄」(蔦尾和宏)/『平家物語』富士川合戦の水鳥(平藤 幸)/鶯詠の変遷─夏鶯・冬鶯をめぐって(小山順子)/鷹百首(木村尚志)/歌ことば「鴫の羽がき」(岡凬真紀子)/能「善知鳥」(姫野敦子)/『勧学院物語』の社会とキャラクター造形─高貴な雀の物語(伊藤慎吾)/『鴉鷺合戦物語』(沢井耐三)/『諸艶大鑑』の美面鳥(井上和人)/祇園南海「詠孔雀」(壬生里巳)/賀茂真淵の鷲詠(高野奈未)/『絵本見立百化鳥』(木越俊介)/『南総里見八犬伝』の大鷲(大屋多詠子)/『椿説弓張月』の鶴(糸川武志)/あとがき/執筆者紹介







 前回古典講義との強粒分があったので、取り急ぎ記録した。

 今回は147ページから363ページまで。

 難しい内容で興味深い物は5、6度読んでみたが、理解で来ているかどうかは別問題。

 とても面白かった。




 前回は『竹取物語』「燕の子安貝」(吉田幹生)だけをメモしておいたが、146ページまでに他にもとても興味のある内容があった。

 そして今回、147ページから363ページまでの間で、ほんの少しだけ 簡単にメモをとっておこうと思う。




 能「善知鳥」(姫野敦子)

   『藻塩草もしおぐさ
         「血の涙」が人の身を損ずると記されている。     

          地獄において、怪鳥と変じた善知鳥は、猟師をせめさいなむのである。
          娑婆にては。…………………………………………………………………。201

          ここから興味ある内容が続く。
          どのように表現するのか、能楽「善知鳥」を聴きたい。



『勧学院物語』の社会とキャラクター造形─高貴な雀の物語(伊藤慎吾)

    『勧学院物語(雀草子)』の世界

          擬人名                 215

          擬人化表現の型  
            擬人化の絵画表現
           「頭部異類型」「異類着装型」     223

          擬人化と原型の違い
            雀が擬人化されず原型の理由など  

     擬人化表現の型と 擬人化と原型の違い伸び便にとても興味を持った、

     歌舞伎でも動物や鳥や虫を 擬人化したり原型のまま使う芝居を思い浮かべ、なるほどと納得した。




『諸艶大鑑』の美面鳥(井上和人)

     美面鳥  架空の鳥  『諸艶大鑑』西鶴
         二代男にする使命をおびて飛来した美面鳥
        (人間の女性と鳥とのキメラ→迦陵頻伽 )257ー
         女護の島  
         迦陵頻伽をパロディ化
         好色一大男の最終章   
        「世之介涅槃図」      




賀茂真淵の鷲詠(高野奈未)

      賀茂真淵
     『賀茂翁家集』
      万葉調




『絵本見立百化鳥』(木越俊介)

     五もん鳥。あべ川に住。
     一名きなこ鳥といふ。
     卵をあんころといふ。
     うまひうまひと鳴く。


     あふ木   御影堂に多し。花は正月さく。実は夏なり。
     汗とり   あついあついと鳴く。木陰をよろこぶ鳥にてよく水をのみ。瓜を食う。


     かごか木  道中。また辻辻に生る。木ぶりいやし。此木のこやしに酒を飲む。花はたまたま遊所に咲く。
     駄賃鳥   道中に多し。坂はてるてると鳴。朝鳴く時はいさぎよし。大酒のみ。餅を喰ふ。毛きたなし。
      

     さかづ木  花は祝儀の座につき。実は上戸になる。
     口とり   酒の間へ出てさへづる。毛色取合次第

     シテワ木     謡講に生きる。花は声。実は節といふ。此木四種あり。風情なる木。
     一鳥(いってう)   やはあぽんぽんと鳴く。間のよき鳥にてとく肩にとまる。大鳥は手の下にとまる。


     幕明木   花やかなる木にて。詠多し。霜月朔日をさかりとす。花は二番目実を三番目といふ
     頭鳥    あどを鳴くなり。がく屋に住む




     小野恭靖『ことばあそびの文学史』『ことばあそびへの招待状』(新典社)
     中村幸彦『遊戯論』(『著者集』8 中央講論社 1982)
     多田克己・京極夏彦 『百鬼解読』(講談社文庫 2006年)




『南総里見八犬伝』の大鷲(大屋多詠子)

     猿之助劇団の芝居と、『南総里見八犬伝』を思い浮かべながら読む。
     
    『戯場訓蒙図彙』しばいきんもうずい  
          歌舞伎においても鷲は子を襲う鳥として認識されていた。
     鷲は鳥の中でも最も強いと位置づけられてきた。

    『優曇華物語』うどんげ
          鷲に襲われ生還
          黒いホクロが証拠  → 歌舞伎『双蝶々曲輪日記』ふたつちょうちょうくるわにっき
                           とくに『引窓』は何度楽しんだことだろう。
                           長五郎の右頬の父親譲りのかたみのホクロ

    『花衣いろは縁起』大阪竹本座初演
          三之助を守るため
         「方便の殺生は菩薩の六度万行にもまさる」
          高野餌食になる所を……
         「けだかき生まれつき…………。」

          この話は絵金画屏風に描いており、記事にされている方がいらっしゃいました。

            絵金ぜよ!その2 -私の絵金考-   2010/07/24/(Sat) 木村了子さまのブログ

    







『鳥獣虫魚の文学史』1・2 「獣の巻」「鳥の巻」を読むきっかけを下さいました先生に感謝の気持ちを申しあげたいと思います。
 
 ありがとうございました。


 わたくしの読み込み力が浅いことをお詫びいたします。

 失礼があればお許し下さいませ。


 自分の興味深い箇所のほんの一部をメモさせていただきました。

 今日も簡単な記録だけで失礼いたします。












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Y先生 講義     「当道座」などの興味深いお話を聴く。   

2011-10-14 | 民俗考・伝承・講演




 午前中、奈良の古文書を使用しての、Y先生の二時間の講義を聞く。

 色々と興味深い内容が多かったが、中でも「当道座」の一連の流れは詳しく説明される。

 歌舞伎演目の『あんまとどろぼう』の意味合いが、一層理解できたのはありがたい。

 江戸時代には視覚障害者においてだけとはいえ、環境が整っていたのは良いことだ。

 座頭には「◯◯市」と言った名が多いが、「座頭市」では意味をなさないといったY先生の言葉にほくそ笑む。

「古手」「古鉄」「古道具」などの三商売や 【某寺】の説明はすこぶる詳しい。

 他にも「赤坂」と言う地名、 「御林」の「御」の意味、 「頼母子講」「相続講」など、後々何かで役に立ちそうな内容が多かった。



 講義後、Y先生に◯◯楽の舞台があることを教えていただく。

 Y先生は◯◯楽もご研究されていたということで、伝統芸能に僅かばかり関心のあるわたしにとっては心強く感じた。

 貴重な興味深いお話をありがとうございました。



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秋の平等院の藤棚と 境内に咲く花や実     (19景)

2011-10-14 | お出かけ







         秋の平等院の藤棚と 境内に咲く花や実









 
                




 平等院の藤といっても、9月末に訪れたわたしたちは,緑の葉が茂りツタのびるそれを見た。

 五月。

 大きく広い藤棚は京をどりに舞妓が勢揃いしたように、藤紫のかんざしを垂れ下げるのであろう。

 平等院には樹齢約200年以上といわれる春日大社「砂ずりの藤」より大きな手を広げる男性的な藤の樹があった。

 藤原氏ゆかりの寺院である平等院の「ノダフジ」は、300㎡の棚に4株ある。

 平等院のシンボル 藤は、創建した藤原氏の家紋である。




 九月下旬

 藤の花こそ出会いは無かったが、平等院の境内には色々な花が咲いていた。




 
                 














                 

       



       

       













ところ:京都府宇治市宇治蓮華116 TEL:0774-21-2861
拝観時間:午前8時30分~午後5時30分
拝観料:大人600円 ・障害者300円
   ・なお「鳳凰堂」別途拝観料必要
交通:京阪宇治線「宇治」駅下車徒歩10分
   JR奈良線「宇治」駅下車
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『妹背山婦女庭訓~吉野川』1982年 十七世中村勘三郎 實川延若 中村芝翫 中村歌右衛門

2011-10-14 | TVで 歌舞伎・能楽




          『妹背山婦女庭訓~吉野川』
          





出演:十七世中村勘三郎 實川延若 中村芝翫 中村歌右衛門
1982年
121分
カラー
 桜満開の吉野川。この川を隔てて領主大判事清澄(十七世勘三郎)と太宰家の後室定高(歌右衛門)は、領地争いで不和となっている。しかし清澄の子息久我之助(延若)と、定高の娘雛鳥(芝翫)はひそかに恋を育んでいた。両親の不和、そして両家を隔てる吉野川のために、若い二人の恋は叶わずやがて悲劇の結末を迎える…。舞台の華やかさと物語の悲しさが対照的に描かれる歌舞伎ならではの表現手法で、昭和の名優が揃った見応えのある名舞台をお見逃しなく。 (1982年/昭和57年3月・歌舞伎座)




 テレビで『妹背山婦女庭訓~吉野川』を見た。

 出演、十七世中村勘三郎 實川延若 中村芝翫 中村歌右衛門

 この演目のこの出演者によるお舞台は、見ていて泣きました。

 じんわりと涙があふれてでくるのです。

 ひとえ やえ と ここの(心)えて………(要約 間違いの可能性あり)この複雑に入り込んだ掛詞の後の 急な展開は、言葉にはできません。



 十七世中村勘三郎さんはわたしが高校生の頃、踊りが好きだった役者さんの一人。

 前日に見た『仮名手本忠臣蔵 四段目』に出演されていた先代鴈治郎さんは後ろ向きで肩を落とされているだけで,悲しみが伝わってくる役者さんだった。

 そして『妹背山婦女庭訓~吉野川』の十七世中村勘三郎さんは,間が素晴らしくよかった。

 わたしが歌舞伎を見始めた頃にはお二方とも相当お年を召しておられたので、ステキ~といった感情は抱かなかったが、好きな役者さんだった。



 實川延若さんは手が美しい。

 台詞も好きだし、人形状瑠璃を見ているようなお顔立ちもいいなと感じた。

 そういうと歌舞伎チャンネルで見た實川延若さんの『操り三番叟』は、とてもよかった。



 中村歌右衛門さんが花道から登場されると、あたりがぱっと明るくなった。華がある役者さんだ。

 二本の花道から客席を挟んでの中村歌右衛門さんと十七世中村勘三郎さんとの憎々し気な会話は、吉野川の幅を充分に味合わせて下さり、川の流れが聞こえてくるような錯覚を覚えた。



 そして、わたくしの好きな中村芝翫さん………。

 テレビで今はもう誰ひとりいらっしゃらない名役者四人出演の『妹背山婦女庭訓~吉野川』を見ることができ、しみじみよかったと感じるのでした。
 

 




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