うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

声の悦楽、音の愉楽

2005年05月14日 | 語る!
土曜の昼下がり、「義経」の再放送を見ながら、いい声だよね、と再認識。残念ながらタッキーではありません(何が残念かよくわかりませんが)。いい声の主はナレーションをやってる白石加代子。あの声は何でしょう。幾分古いイントネーションが入っているせいか、聞いているとアドレナリンが出てきます。「特別な声」をもって生まれてくる人がいるのかもしれません。そして、「特別な声」に磨いていく人がいるのかもしれません。世の中では、細川俊之とか、森本レオとかが、そんな声を持つ人として時に語られていますよね。
いい声は言語の器と、音としての波動の両方を持ち、二つが上になったり下になったりする。言葉の意味を聞いているのか、美しい音を聞いているのか、自分でもわからなくなってしまう瞬間は、声の悦楽です。耳で聞いているのか、頭で聞いているのか、それとも心の深いところで聞いているのかがわからなくなる瞬間です。昔のSFで宇宙人の言ってることがわかるってのを、テレパシーみたいにやってることってありますが、ちょっとそれにも似ています。ホーミーのように違う音域を聞いたようでもあります。
白石加代子の語り、美輪明広の歌(小さいホールで聞くと泣かされます。未来会館では、「朧月夜」なんて歌で、60くらいのおじさんおばさんも大泣きでした。私も泣きました。なぜか泣けます。ぐしょぐしょです。)ジャニス・ジョプリン、中島みゆき、清志郎、エゴラッピン、椎名林檎、風間杜夫、ヘレン・メリルなど、声の迷路に連れて行かれることがあります。お経や、祝詞、浄瑠璃というのもそんな要素を持っています。目を閉じて聞くと、音の流れの中から意味が浮き上がってくる瞬間があり、その中に巻き込まれて、ちょっとだけ天に通じたような気分になれます。変な薬物よりトランス状態かも。
コメント (2)
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