うさとmother-pearl

目指せ道楽三昧高等遊民的日常

西にまいる

2006年09月27日 | ことばを巡る色色
ただいま。
今回京都のたびはルーブル美術館展を京都市美術館で見るのが大目的。しかし、実のところ、ルーブルよりも見たかったのは、お向かいの京都近代美術館でやっている若冲だったりする。でも若冲は来春に名古屋にやってくるので、おふざけで入札したら安く落札できてしまったルーブルを見に行ってきましたよ。
出発は日曜早朝。国道を西に向かい、まずは以前一度入ったことがある関が原(今検索してみたら、垂井のようですが、私の地図の中では関が原です)のパン屋さんグルマンで朝食。モーニングは430円、中でパンを買って食べることもできるので、にぎわっていました。その上、2.30個買っていくような人もいて、「地元の人が来る店はいい店」を証明するようなところ。
途中から高速にのり、京都南でおりる。インター近くのダイエーに所用で入ったついでに、「なかま」にて昼食。結局今回もチープ旅な予感ですね。「なかま」は、関西の芸人さんがよく話題にする定食屋さん。たまごかけごはんとおかずのセットです。たいていは600円前後で、お味噌汁とお漬物の付いたセットが食べられます。やっぱりイチオシ、海老ぷりぷりフライのセットをたのみました。白身フライおろしかけもおいしい!付け合せの野菜も新鮮です。
今日のお泊りは、壬生。ホテルを探しているとおみこしの行列に出会う。出会ったのは、島原商店街。かの島原遊郭のあったところです。ホテルの近くなので、今回のたびでは、島原も見たいと思っていたところにおみこし。もちろん、すぐさまホテルに車を置き、10分ほど歩いて島原に。島原には、「角屋」という揚屋が残っています。太夫さんもいてまだ現役の花街。格式の高さが屋外からも見てとれる「角屋」の前に立っていると、住吉大社のおみこしがやってきて、「角屋は住吉さんの氏子なんや。ここでおみこし見るのも縁なんや」と、町役のおじさんに、声をかけられ、本当に、何かのご縁でわたしはここにいるのだろうと思ったりの、前回同様、遊郭巡りとなりました。本当は、角屋さんの中に入りたかったのですが、ルーブル展に行かなければならないので、次回のお楽しみということで、バスに乗り平安神宮へ。
ルーブル展はほとんどがギリシア彫刻。たぶん日本ではやっとこ壷を作ったりしているときにこの文化。幾つかの名前を持つアフロディティ。うつくしうございました。
その中で一番時間をかけて見てしまったものは天井。京都市美術館は昭和8年に建てられた西洋建築。日本の意匠と西洋のそれが混交している。緩い緩い廻り階段や漆喰、日本風アールデコ、思わず見とれてしまいました。
次にいったのは、京都市美術館から細見美術館。酒井抱一などの江戸琳派展。細見美術館は静かで「オシャレ」。収集は琳派が中心のよう。確かに最近、琳派へのじわじわとやってきた熱狂は注目だと思いながら琳派の象と、琳派の金魚のファイルを購入。地下にはcafeもあるのだけれど、インド舞踊のライブのためか仕切りだったようで、少しリハーサルを見せてもらった。

今回のおとうふ、いつもの「とようけや」と、新規開拓「久在屋」こちらの若竹いり豆腐はなかなかのものでした。
今回の甘いもん、いつもは小川珈琲のロールケーキなんだけど、植物園北のマールブランシュのモンブラン。和栗のみで作られた、これも和洋混交のおかしです。
今回の感慨 やっぱ、日本人は琳派だぜ

そして来月は、近江へ。
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名古屋あるき

2006年09月18日 | お出かけ
随分とご無沙汰をしてしまった。確かに夏はとても忙しくて、ゆっくりものを考える時間もなかったのだけれど、こうやってかけないでいるのは、別に理由があるようだ。それはなにか。きっと、どこかで書くことが怖くなってしまっただろう。わたしの住んでいる場所は、イノセントなところである。わたしはこの田舎で温かく育まれてきたのだろう。わたしはいくつもの「検索」を繰り返し、この国の中にわたしの知らなかった過去や場所や人々やがあることを知り、自分の無知とこの地の無垢なることを知った。そんなわたしが何かを考え語ることに意味があるのか、私にどれだけのことが書けるのかと思ってしまったというのも、ちょっとした本心ではある。たくさんの裏や表の情報の中で、ね。

そんな私の最近は、こっそりネットオークションなんかをして、美術館のチケットを落札している。
日曜の昨日は、名古屋池下の「古川美術館」に出かけた。日本ヘラルドを作り上げた古川為三郎翁の住まいと茶室に、翁が蒐集した松園やらが飾ってある。現代作家のガラス展も開かれていた。地下鉄池下駅からほんの数分のところにある「静か」
すぐ隣には、最近テレビでよく見る吉川社長のよし川ビレッジがある。
住宅街の、奥の、高台へと登る木々の中の、103の天寿を全うした翁の静かなすまい。

実は、ここを訪ねる前、以前から気になっていた中村大門界隈を通ってみた。ここは中村遊郭のあった場所である。2階に手すりのある窓を持ついくつかの楼。ガラスの美人画を掲げる家もある。しかし疎らに残る楼は皆、日曜の昼の中にとろとろ眠っているようだった。とうの昔に置き去られ、少しずつ崩れ落ちながら眠っている。デイサービスの施設となったものもある。紅殻の壁を持つ「稲本」は料亭となり、門の奥の深い庭の前で、中年のご婦人が昼の食事の算段をしていた。

時の流れの中で、暗い物は白く明るい物に、湿ったものはハラハラと乾いた物に姿を変えることもあるのだ。また、清潔な白い物が薄汚れたものに、ぱりぱりと乾いた物がぬるぬると湿気ってしまうこともある。
今回は車でまわっただけだったけれど、近いうちに車を止め、歩いてみようか。

来週は京都。勢いで落札してしまったルーブル美術館展を見に行く。せっかくなので、少し歩いて「細見美術館」にいってみようかとも思う。
なんて思って「検索」していたら、五条歌舞練場なんてのがヒットしちゃった。
コメント (20)
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