乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

テールライトが木端微塵になった日 

2006年11月16日 | トレーニング

先週末は、無謀にも富士スバルラインにチャレンジして、高熱を出したわたくしでしたが、

これは単なる疲労だったようで、おかげさまで、咳や鼻水といった風邪の症状はなく、

熱さえ下がれば、体調はすっかり元に戻ったのでございました。

しかしながら、この一件が元で、またも娘から叱られてしまいました。

「熱を出すほど自転車に乗るなんて、いくらなんでもおかしい!」と戒められ、

体を休めるためにも、3日間は自転車に乗ることを禁止されてしまったのです。

そこで、南町田にあるグランベリーモールのモンベルショップに行ってみたり、

岳人祭開催中のICI石井スポーツを覘いてみたりして、自転車に乗れない鬱屈を

紛らわせていたのでございますが、今日、15日(水)からは、

ようやく謹慎処分が解けたのでございます!

早速いそいそとCAAD9少佐を連れ出し、今日のところは和田アタックは断念して、

麓の「夕やけ小やけの里」を往復することにいたしました。

いつものように、多摩御陵の丘を越え、都立公園墓地の丘を越え、

陣馬街道をひた走って、「夕やけ小やけの里」へ。

・・・・・・ただ、ここで引き返すのでは、ちょっと走り足りない気分でございました。

そこで、陣馬街道から分岐している醍醐林道という道をしばらく進んでみることに。

この醍醐林道に進み入るのは、はじめての経験です。

陣馬街道と違って、人家が点在する集落の中を登っていく道でしたが、

本日の天候のせいか、なにやら鬱蒼とした雰囲気です。

やがて人家が途絶え、天狗でも出てきそうな雰囲気の山道を進んでいきますと、

車止めのゲートがあり、「これより先、道路幅1.8m」と書かれていました。

ですが、特に通行止め等の表記がなかったので、ゲートをすり抜けて、さらに先へ。

路面はかろうじて舗装されているものの、ところどころに大きな穴があいていたり、

デコボコになっていたりで、かなり荒れた状態です。

しばらく行くと、道に工事用の太い鎖が渡されていて、「これより先通行禁止」という

看板が掲げられていました。

陣馬街道の分岐からの距離は、だいたい3.5kmくらいでした。

仕方がございませんので、少佐どのに向きを変えていただいて、今来た道を

戻ることにいたしました。

空は重く雲がかかり、気温もかなり低いようです。

下り坂では風をきるので、手がかじかんでジンジンしてきました。

すると、、、ポツン、、、ポツン、、、と、雨粒が、、、

たいへん! わたくしはともかく、少佐どのを雨に濡らすことになろうとは!

雨は次第に本降りになってまいります。

わたくしは、必死にクランクをまわし、「夕やけ小やけの里」に逃げ込みました。

少佐どのには、あずまやの下で雨をしのいでいただき、まずはひと安心です。

通り雨のようですから、しばらく雨宿りしていれば、すぐに止むでしょう。

わたくしは、売店でマフィンを買ってきて、それを食べながら気長に雨宿りすることに

したのでございます。

すると、ひとりのお歳を召された男性が前を通りがかり、ふと足を止められて、

さも興味深そうにCAAD9を眺めはじめたのでございます。

そして、人懐っこく「どこから来たの? 遠くからですか?」と、

わたくしに声をかけてくださいました。

わたくしは、地元の八王子人なので、せっかく「遠くから?」と訊いていただいたのに、

なんだか申し訳ないようでございましたが、正直にその旨を申し上げますと、

その方は、都心のほうから地下鉄と京王線を乗り継いで、足を運ばれたとのことです。

雨宿りついでにお話を伺っておりますと、会社勤めをされながら、趣味で30年以上も

自転車にお乗りになっていらっしゃるそうです。

最初のロードレーサーは、クロモリで、30年前の価格で10万円。

その後に購入されたバイクは、当時としては最高級のアルミフレームで、

当時のお値段で30万円は、非常に高価なバイクだったということでございました。

そのアルミバイクには、今でもお乗りになっていらっしゃるそうなのです。

「でもね、75歳を過ぎてから、脚力の衰えを痛感してるんですよ~。」

そう、にこやかにおっしゃるのですが、お見受けするところ、とても75歳を

過ぎているようには見えないのです。

お世辞ではなく、ほんとうに若々しい印象でしたので、そのことを申し上げますと、

その方、なんと、今は82歳でいらっしゃるのですって!

びっくりしてしまいました。

お若く見えますけれど、実年齢は82歳というお歳で、颯爽とロードバイクを

乗りこなしていらっしゃる方なのです。

なんだか、胸が熱くなってしまいました。

もっともっとお話を伺いたかったのですが、バスが出発する時間になってしまい、

その方は、あっという間に、バス停に向かって走って行かれました。

その足取りの軽やかなこと!

ああ、せめてご芳名なりとも、お伺いしたかったのでございますが、、、

貴重なお話を聞かせていただき、たいへんうれしいひとときでございました。

自転車に乗っておりますと、なぜか、このように見知らぬお方から

お声をかけていただくことが多いように思います。

まさしく一期一会なのでございまして、かけがえのない出逢いなのでございます。

さて、雨も止みましたので、わたくしも家に向けて出発です。

陣馬街道を下り、多摩御陵の丘のピークを越えます。

この多摩御陵の丘と甲州街道とは、陵南大橋という巨大な橋で結ばれています。

その橋の上は、だいたい渋滞しているのでして、わたくしは、いつも、

幅広の歩道の上を下っていくのが常なのです。

歩道は、ブロックが敷き詰められているので、ちょっとタイヤが跳ねるのですが、、、

ひときわ大きくタイヤが跳ねたそのとき、パコッという音と共に何か部品が外れて、

バウンドしながら転がっていく音が!

(何? 何? 何?)

わたくしは、ギョッとして急ブレーキで停止して、後方を振り返りました。

すると、あああ! テールライトが! テールライトが!

今まさに、コロコロと車道を転がっていくところではありませんか!

わたくしが愛用しているテールライトは、トレロック LS510という、

ものすごく丸い形状です。

Img24393410

だから、転がりやすいのでございます~。

テールライトは、車道の真ん中まで転がっていき、そこで止まりました。

車道は渋滞していて、自動車はのろのろと進んでいます。

わたくしは慌てふためいて、両手をバタバタさせて、ドライバーに

「止まって頂戴!」と訴えたのでございます。

ドライバーは、わたくしのほうを目視しました。

目と目が、バッチリと合ったのでございます。

しかし、その時、、、

グシャリッ ・・・・・・という音とともに、わたくしの LS510は、ペッチャンコに

されてしまったのでした。

車が通り過ぎた後、車道には、マンガみたいにペッチャンコになった LS510の

痛ましい亡骸が、、、

愕然として立ちすくむわたくしをよそに、そのペッチャンコの LS510を、

何台も何台もの車が、繰り返し、繰り返し踏みつけていくのでした。。。

ああ、、、わたくしが悪いのでございます。。。

わたくしが、きちんとネジの緩みをチェックしなかったから、こういうことになったのです。

ああ、、、 LS510よ、、、すまぬ、、、かわいそうなことをした。。。

CAAD9少佐と突き進む自転車道とは、このように油断できないものなので

ございます。。。