毎年ある時期になると
人事異動希望調査みたいな書類を渡される
私は自転車通勤なので、今の勤務先から移動する気はない
昨年、この書類を提出するにあたって
同僚さんから相談を受けた
「このまま5時間契約でここにいたいけど、8時間契約に変えて社保に入りたい」
私「ここで、8時間にすればいいじゃん」
「無理無理・・・。ここでは無理~」
確かにこの現場で8時間は精神的にも、体力的にもきつい
私だって嫌だ
現場によっては、お子様の人数が少なく、楽な勤務地もあるらしい
不思議だったのは、なぜ社保にこだわるのかだった
彼女の旦那様は誰でも知っている有名企業のグールプ会社
お子さんはすでに成人している
「旦那、あと2年で退職なの。もし再雇用とか再就職とかできなかったら・・・・」
私「その時でいいんじゃないの。何も今からでなくても」
ここで黙り込む同僚さん
そして、3月 移動発表があり、同僚さんは8時間契約で移動になった
発表の数日後、家に帰ろうとする私を呼び止めた
話があると言い出した
私は今の仕事に変えてから、家庭の事情を隠すことをやめた
すすんで、話すことはないが、女ばかりの職場なので、どうしても家族の話題が多くなる
そんな我が家の事情を知っていた同僚さんは、移動発表後、私に聞いてほしいことがあるといった
娘さんの話をよく聞くことがあったが、同僚さんには、上に息子さんがいた
息子さんがいることを私は初めて知った
上の息子さん(多分まだ20代)
大学を卒業して、もう3回転職をしている
半年前に3つ目の会社を辞めてから、ひきこもってしまった
就活の話をすると暴力をふるうようになった
食事は部屋の前まで運んでやる
1週間、食事を運ぶのをやめたら、本当に1週間食べなかった
トイレは家のを使わず、こっそり抜け出し、コンビニで用を足している
週に2回くらい、深夜シャワーを浴びている気配がある
一度息子さんがバイトをすると言い出した
バイトは駄目だと言ったら、暴れた
私の家はマンションで、息子の同級生と親がたくさん住んでいる
スーツを着て、きちんと働いている姿を見るのがつらい
孫を抱いている親を見るのが怖い
だから私は、7階まで、階段を使っている
エレベーターには乗りたくない
などなど、ずっと我慢してきたことが、一気に噴き出した
話せば話すほど、同僚さんの目はつりあがり、苦しみで体が震える
矛盾が多いので、時々小さな質問をして、ひたすら聞き役に徹した
何もできないけど、聞くぐらいなら私にもできる
「旦那さんはどう思っているの?」
「下のお子さんは大丈夫?」
「息子さんはどうしてそうなったかわかる?」
旦那は、アレコレ私に言うけど、息子には言わない
下の子は、自分が将来養わなくてはならないのかと不安定になっている
上の息子さんは、小さいころから成績がよく、自分は勉強しなくても大丈夫という
プライドを持ってしまった。
そのため、大学受験に失敗し、不本意な大学に入った
不本意な大学だったため、不登校気味だったが、親が辞めてはいけないと厳しく言ったため、卒業はできた。
その結果、本人のプライドや理想とかけ離れた会社に就職することになり、転職を繰り返し、条件がどんどん悪くなり、ついに引きこもりになってしまった。
「だから私は社保に入って、いずれ息子を扶養にいれないとならないの」
私から見ると、突っ込みどころ満載だった
引きこもりと言っても、まだ半年もたっていなかった
やっぱり、今から社保にこだわる必要はない
そして、この親子は性格がよく似ていると感じた
一般的に理想と言われている道から外れてしまった
そして、親子で立ち止まっている
同僚さんは、話が進むにつれさらに、怒りの表情になり、ときおり言葉に詰まることがあったが、涙を見せることはなかった
本当に苦しいとき、追い詰められたとき
人は泣けない
私にも経験があった
今は突っ込んではいけない
心の毒をひたすら吐きださせるしかない
私は同僚さんの突然の告白に、驚きながら
劣化した脳をフル回転させ、言い足りないことがないように
気を配り、うなずき続け、共感するよう努力した
気が付けば1時間以上たっていて
私はあわてて家に帰った
我が家の旦那のお怒りは、想像にお任せします
続く (多分)
人事異動希望調査みたいな書類を渡される
私は自転車通勤なので、今の勤務先から移動する気はない
昨年、この書類を提出するにあたって
同僚さんから相談を受けた
「このまま5時間契約でここにいたいけど、8時間契約に変えて社保に入りたい」
私「ここで、8時間にすればいいじゃん」
「無理無理・・・。ここでは無理~」
確かにこの現場で8時間は精神的にも、体力的にもきつい
私だって嫌だ
現場によっては、お子様の人数が少なく、楽な勤務地もあるらしい
不思議だったのは、なぜ社保にこだわるのかだった
彼女の旦那様は誰でも知っている有名企業のグールプ会社
お子さんはすでに成人している
「旦那、あと2年で退職なの。もし再雇用とか再就職とかできなかったら・・・・」
私「その時でいいんじゃないの。何も今からでなくても」
ここで黙り込む同僚さん
そして、3月 移動発表があり、同僚さんは8時間契約で移動になった
発表の数日後、家に帰ろうとする私を呼び止めた
話があると言い出した
私は今の仕事に変えてから、家庭の事情を隠すことをやめた
すすんで、話すことはないが、女ばかりの職場なので、どうしても家族の話題が多くなる
そんな我が家の事情を知っていた同僚さんは、移動発表後、私に聞いてほしいことがあるといった
娘さんの話をよく聞くことがあったが、同僚さんには、上に息子さんがいた
息子さんがいることを私は初めて知った
上の息子さん(多分まだ20代)
大学を卒業して、もう3回転職をしている
半年前に3つ目の会社を辞めてから、ひきこもってしまった
就活の話をすると暴力をふるうようになった
食事は部屋の前まで運んでやる
1週間、食事を運ぶのをやめたら、本当に1週間食べなかった
トイレは家のを使わず、こっそり抜け出し、コンビニで用を足している
週に2回くらい、深夜シャワーを浴びている気配がある
一度息子さんがバイトをすると言い出した
バイトは駄目だと言ったら、暴れた
私の家はマンションで、息子の同級生と親がたくさん住んでいる
スーツを着て、きちんと働いている姿を見るのがつらい
孫を抱いている親を見るのが怖い
だから私は、7階まで、階段を使っている
エレベーターには乗りたくない
などなど、ずっと我慢してきたことが、一気に噴き出した
話せば話すほど、同僚さんの目はつりあがり、苦しみで体が震える
矛盾が多いので、時々小さな質問をして、ひたすら聞き役に徹した
何もできないけど、聞くぐらいなら私にもできる
「旦那さんはどう思っているの?」
「下のお子さんは大丈夫?」
「息子さんはどうしてそうなったかわかる?」
旦那は、アレコレ私に言うけど、息子には言わない
下の子は、自分が将来養わなくてはならないのかと不安定になっている
上の息子さんは、小さいころから成績がよく、自分は勉強しなくても大丈夫という
プライドを持ってしまった。
そのため、大学受験に失敗し、不本意な大学に入った
不本意な大学だったため、不登校気味だったが、親が辞めてはいけないと厳しく言ったため、卒業はできた。
その結果、本人のプライドや理想とかけ離れた会社に就職することになり、転職を繰り返し、条件がどんどん悪くなり、ついに引きこもりになってしまった。
「だから私は社保に入って、いずれ息子を扶養にいれないとならないの」
私から見ると、突っ込みどころ満載だった
引きこもりと言っても、まだ半年もたっていなかった
やっぱり、今から社保にこだわる必要はない
そして、この親子は性格がよく似ていると感じた
一般的に理想と言われている道から外れてしまった
そして、親子で立ち止まっている
同僚さんは、話が進むにつれさらに、怒りの表情になり、ときおり言葉に詰まることがあったが、涙を見せることはなかった
本当に苦しいとき、追い詰められたとき
人は泣けない
私にも経験があった
今は突っ込んではいけない
心の毒をひたすら吐きださせるしかない
私は同僚さんの突然の告白に、驚きながら
劣化した脳をフル回転させ、言い足りないことがないように
気を配り、うなずき続け、共感するよう努力した
気が付けば1時間以上たっていて
私はあわてて家に帰った
我が家の旦那のお怒りは、想像にお任せします
続く (多分)