日曜日の午後、奥さんが亡くなったあと空き家となっているお隣の屋根の雪が落ちた
これまでも我が家の敷地内に落ちてきていた屋根の雪。それを気にしたのか、お隣のご主人が雪止めを付けたのが反って悪かった。これまでは少しずつ落ちてきたのが雪止めのせいで落ちずに固くなり、例年より高い気温もあったのだろう。勢いよく落ちてきて、我が家の窓まで塞いだ。外から押されて窓は開けられなくなった。あとから家の損傷が見つかっても困ると思い、お隣の家を管理している長女さんに電話したら夕方見に来て、窓の近辺の雪は除けてくれた。
当町内では、先週の金曜日から一週間の予定で排雪作業が入る事になっていた。それが入ると車の出入りは出来ない。作業が入る日は当日になるまで分からない。作業中の旗が立ったり、作業員が歩いていたり、あるいは作業車が入ってから分かる事もある。
一週間分の食料のストックは難しい。なのである時間までに作業が入らなければスーパーに出かける。そして、今週は娘に荷物を送りたかった。その日は近くで作業をしていたが、我が家のほうまでは来ないだろうと踏んで荷物を出しに行った。ついでに買い物もして家に向かう。北側の道路は排雪のために寄せた雪で道路を塞いでいるかもしれないと思って南側の道路に回る。それが失敗だった
南側の道路は北側に比べて雪が深く、わだちも深い。そのわだちに車が嵌まった。これまで25年間運転してきて、埋まったのは初めてだ。
タイヤは空回りして動かない。自宅の近くだったので、家からスコップを持ってきて雪を割って。でも私の手には負えそうにない。夫に電話してみたが、いまは出先で行けないという。夫はJAFに加入しているが(10年以上加入しているが、まだ一度もロードサービスを受けた事は無い)私は会員ではない。私がJAFに頼んだらすごく高くなる 夫が帰宅するまで一時間弱だし、近所迷惑になるけれどそれまで放置しておこうかとも思ったが・・・
その時、ご近所のご主人から声がかかった。
奥さん埋まったのかい。いま行ってやるから
近くの、息子と同世代の男性も手伝ってくれ、それを見かけた近所の奥さんふたりも雪をかきだすのを手伝ってくれて、ようやく脱出できた
翌日の朝、作業車が入った。
車を出すのを手伝ってくれた人たちにお礼をしたいので買い物に行きたかった。作業が入ったので歩いて行くしかない。
我が家から徒歩15分くらいのところに六○亭の店舗がある。逆方向に歩いて15分くらいのところにはスーパーがあり、そこに入っているお菓子屋さんが扱っている餡菓子は、たぶん嫌いだという人は少ない。
作業が落ち着いた午後、六○亭に行こうと決めて出掛けた。が、そちらに行く道路はちょうど作業中で通る事が出来ない。仕方が無い。逆方向のスーパーに行った。
「いま行ってやるから」と声を掛けてくれたご主人がいなければ脱出できなかった。
本当に助かった