夜の翼

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クオーツとスマートウオッチと

2020-12-20 10:11:58 | ガジェット
今腕時計を考えるにあたり、無視できないのはスマートフォンの存在である。
機械式とクオーツ式のメリット・デメリットを比較している動画のコメントにこんなものがあった。
○今どきクオーツなんか買う意味があるか。クオーツを買うくらいならApple Watchでいい。 常に通信してるから時間は最高に正確だ。
○最もオワコンなのはクオーツ。機械式はロマンがあるから今後絶対に廃れない。

機械式とクオーツを比較している動画だったからこんなコメントがでてくるのだが、
クオーツを買うくらいならApple Watchでいいという理由が結局時計としての精度というのが機械式腕時計にロマンを感じるロマンチストの心理が垣間見れてなかなか興味深い。
ただ「Apple Watchが常に通信してるから時間は最高に正確」というところが気になって調べてみた。

スマートフォン以前のガラケーの時代から、携帯電話は公衆回線(ものによってはWi-Fiでも)を通じてタイムサーバーにアクセスして、
時刻を補正する機能を持っており、電波時計同等の精度と時刻合わせ不要の利便性を持っている。
なので、ガラケーが普及し出した当たりから、腕時計をしていない人、特に若者が目立ってきた。
時刻を知るだけならケータイで十分だから腕時計はいらない。それはそれで理にかなっている。
スマホのポケットウォッチ化というような現象であるが、その昔時計といえば機械式、より小型の腕時計が一般的になる前は、携帯用の時計はポケットにしまわれていた。
ポケットウォッチ、懐中時計。
これの不便な点は、時刻を確認するのにポケットから取り出さなくてはいけない点。
実は、一時期重たいステンレス製の腕時計がいやで実家にあったセイコーの鉄道時計を使っていた時期がある。電池式のクオーツだったと思う。
技術的に進歩し、小型化が可能となり、携帯用の時計はポケットの中から、常時露出していて見やすい場所、手首にその場所を変えることとなった。
携帯用の時計の小型化によって、リストウォッチ、腕時計となった。
人体構造が変わらない限り、その着脱のしやすさ、見やすさ、さらに手をふさがずに視認できるという点では、
小型の機械を身に着ける場所として、手首以上の場所はないのかなと思う。
技術は遙かに進歩したはずなのに、携帯用の「時計」が手首という特等地からポケットや鞄の中に逆戻りするという何とも面白い現象。
この辺はスマホを見ている時間によって変わってくる可能性がある。
常にスマホを手にしているのであれば、時刻を確認するためにポケットや鞄から取り出すことが少なく、それほど面倒でないのかもしれない。
個人的にはそんなにしょっちゅうスマホを手にしているわけではないので、
移動中、特に公共交通機関に乗るときは、すぐに時刻が確認できる腕時計は必要なのだが、この辺りの感覚が実用品としての腕時計を必要とするかどうかの分かれ目になる。

そして今やスマートウォッチの時代。
ウォッチという名称で呼ばれているが、実質は時計ではなくウェラブルコンピューター。
特徴としては、スマホと連動して機能するというところだろうか。スマホの子機的な役割と理解していいのだろう。
スマホの方は自律して時間が刻めるよう本体にクロックが内蔵されているのはPCと同じだが、
PCと同様熱やノイズの影響でクロックの精度があまり高くならないらしく、内部時計の精度はあまり高くない。
そのため、通信をする度ごとにではないと思うが、公衆回線を通じでタイムサーバーにアクセスし、正確な時刻を取得して、内部時計を補正する必要がある。
スマートウォッチも同様らしいが、スマートウォッチ自身には公衆回線につなぐ通信機能がないので(セルラーモデルを除く。)、
BlueToothかWi-Fiを介してスマホの内部時計の時刻を取得し、スマートウォッチの内部時計を補正しているらしい。
クロックを一切持たないと、自律して時間が刻めないので、コンピューターとしての機能を維持するためには支障が出る。
専用のクオーツかどうかは別として、何らかの内部クロックを持っているということを考えると、スマホもスマートウォッチも一種のクオーツ時計ということが出来る。

クオーツ時計が発明され、電気で動くため、数字や文字を表示するディスプレイを使うことが可能となり、
計算機の機能を積んだデータバンクや電話帳の機能があるテレメモみたいな腕時計が登場するようになった。
腕時計にセンサー類を搭載して多機能化した腕時計は、PROTRECKが筆頭だろう。
電気で動くクオーツ時計だからこその機能だが、電気で動くが故に消費電力の問題はつきまとい、
あまり大きな電力を消費する機能は搭載することが出来ない。電池が1年もたない腕時計はさすがに実用性に欠けるだろう。
その点、スマートウォッチは、毎日とは言わないまでも数日間ごとに充電をすることを前提に様々な機能を持たせることは出来る。
身に着けていて人間が視認するのに一番便利な場所、その特等地が手首だとすれば、手首に付けるという場所の制約上、
ディスプレイがそんなに大きくできないため、必要かつ実現可能な機能というのはそれほど多くないと思う。
時刻を知るという時計としての機能は基本として、スマホの着信通知と電子決済ぐらいか。
あとはセンサー類を付ける前提だと、ヘルスケア関係で脈を測ったり、血中の酸素濃度や心拍数を測ったりする機能は身に着けているからこそ出来る機能だが、
現時点ではそれぐらいだろうか。

動画のコメントに戻るが、少なくとも電波式の腕時計であればスマートウォッチに時刻精度で劣ると言うことはない。
電波式ではないクオーツならもちろん精度は落ちるが、消費電力と耐久性の面ではスマートウオッチを上回るので、
非電波式のクオーツ腕時計がその存在価値がなくなるとまではいえないと思う。
多機能であるがゆえにスマホやスマートウォッチを持ち込めない場所もある。
試験会場にスマホが持ち込めないので、時刻確認のためチプカシを購入したという人も少なくない。
ただ、多機能であるという点ではスマートウォッチの優位性は動かないので、
その機能が必要なユーザーにとってはクオーツ式に限らず、通常の腕時計の必要性は薄くなるのだろう。

個人的には、毎日とは言わないまでも2、3日おきに充電しなければならないものはスマホだけで十分。
音質の面もあるが一番は充電の手間の問題でワイヤレスイヤホンも使う気になれない。
ソーラー充電で同じく、置いておくだけで充電できるワイヤレス充電ならまあ許容できるかもしれない。
スマートウォッチの機能で日常的に必要というかあったらいいなと思う機能は、スマホの着信確認機能ぐらいか。
スマートウォッチには、消費電力の関係でディスプレイが常時点灯できないものが多く、
昼間でも点灯動作をしないと時刻の確認が出来ないなんて、一日中暗闇でデジタル時計を使っているようなもので、ちょっといただけない。
常時点灯が出来るApple Watchのようなスマートウオッチもあるが、バッテリー駆動時間は最大18時間。朝出て夜帰るまでなんとか電池が持つかどうかの状態。
毎日の充電とモバイルバッテリーは必須。
なんだかんだいって腕時計はラウンドフェイスが好きだが、Apple Watchはディスプレイ然としたスクエアフェイス。
Apple Watchならワイヤレス充電もできるが、Apple Watchはスマホがもう一台買えてしまうぐらいの値段。
価格に見合った機能とデザインは残念ながら自分にとってはない。

ソニーのwenaは、時計本体ではなくベルト側、ちょうど三折れベルトのバックル部分に機器があるという点で非常にユニークなスマートウオッチだと思う。
wena専用の時計を「wena head」と称してベルトのない腕時計を売っている。
機械式のヘッドまであるのが面白い。基本的にどんな時計でもwenaと組み合わせられるような形状となっている。
スマートウオッチの機能は欲しいがデザインが…と二の足を踏んでいた人にはぴったりかな。
ベルトもメタル、ラバー(シリコン)、レザーとお気に入りの時計に合わせられるようになっている。
個人的にスマートウオッチを使うならこれかなと思うが、充電がワイヤレスではなくUSBケーブル充電なのと(電池は1週間程度持つらしいが)、
時計を付けたままタイピングをするとディスプレイ部分がPCにあたってしまうのがマイナスか。
Suicaを含めた電子決済が使えるたり、心拍数が測れたりと、お気に入りの腕時計がスマートウオッチ化できるのでとても魅力的だが、
利便性が着け心地を上回るかというと個人的には微妙なところである。
職場でもスマートウオッチ派が増えているが、今のところスマートウォッチを使う予定はない。

従来型の腕時計に目を転じると、スマホ連動機能があるG-SHOCKはかなり種類がある。
スマホ連動と言っても、SNSの通知機能くらいだが自分にとってはこれで十分。
問題はディスプレイ。
別にカラーディスプレイはいらないのでモノクロで十分なのだが、文字、特に漢字を表示しようとすると解像度の高いディスプレイが必要となってしまい、
液晶ディスプレイで解像度が高く、さらに常時点灯となると消費電力が上がり、電池の持ちが悪くなる。
そこでMIP液晶である。電圧を常時かけていなくとも表示が出来る液晶で、表示を切り替えるときだけ電力を消費する。
心拍センサー付きでソーラー電波のGBD-H1000 というモデルがでているが、少々サイズが大きい。
センサーなしだとタイドグラフ付きのGBX-100 というモデルがある。これは表示が切り替えられて、時刻表示だけにも出来て、もともと高精細の液晶なので非常に見やすい。

店頭でたまたま見かけたが、例の見にくい反転液晶Gショックのトラウマがある自分としては一目で心引かれた。
さらに、スマホの通知を受信する機能(新着確認のみで内容は表示できない)もある。電波時計ではなくスマホから情報を取得して時刻を補正する。
ただ、サイズの関係か、なぜかソーラーではなく電池式である。液晶の構造が違うのでソーラーセルをうまく配置できないのかもしれない。
それでも、電池が2年持つのだから、省電力で高精細のMIP液晶は素晴らしい。
なのでかなりの人気らしく、このモデルうち黒ベルトの初期ロットは売り切れ。白ベルトのモデルも品薄のようだ。
カシオはこのMIP液晶搭載モデルを今後増やしていくようだが、ラウンドフェイスでスマホ連動機能搭載のシンプルなソーラーモデルを是非お願いしたい。
これならベルトが切れてしまったかつての相棒Wired-h AGWH601の後継になる。



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