夜の翼

オーディオ、音楽、車、ケータイなど好きなことを気ままに綴るブログです。

THE FIRST TAKE

2023-05-17 04:44:44 | 音楽

まあその名前ぐらいは知っていた。

コンセプトは面白いなと思ったが聴こうと思うきっかけがなかった。

 

BABYMETALを深堀りしていく中で、SU-METALこと中元すず香さんのアクターズスクール広島時代の動画を見た。

すでにBABYMETALの活動を始めていた中学生時代のものらしいが、スクールの発表会でmiwaの「オトシモノ」を歌っていた。

技術としてはまだまだ荒削りなのだが、その楽器としての素性の良さを感じるには十分すぎる歌唱。

いい歌だなと思って、オリジナルの動画を見たが正直自分にはあまり響くものがなかった。

 

そうしているうちにたぶんYOU TUBEのおすすめに出てきたのが、THE FIRST TAKEの「ヒカリへ」。

結果から言うと、定期的に聴きに行くほどのお気に入りになった。

デビュー当時の黒髪ロングではなく、ショートカットになったmiwaの歌は力強い。

この強さが自分に響くことになった理由に他ならない。

 

BABYMETALの活動再開後の最初のシングルとなった「Divine Attack -神撃-」。

曲調、歌詞、そしてサブタイトルからして某アニメを匂わしまくっていたこの曲だが、タイアップなどあるはずもなく。

とりあえず某アニメの主題歌を調べてみたところ、オープニングテーマがSiMと神聖かまってちゃん、エンディングテーマが安藤裕子とヒグチアイだった。

このうちヒグチアイは名前は知っていたものの曲を聞いたことがなく、某アニメのエンディングテーマとともにTHE FIRST TAKEで取り上げていたのが「悲しい歌がある理由」。

 

聴いてみた。ちょっと驚きがあった。

令和の時代にこんな中島みゆきみたいな歌を歌うシンガーがいたとは。

主題の切り取り方は、かなり中島みゆきっぽい。

この曲は最新アルバムに収録されているようなので、今度アルバムを聴いてみたいと思う。

 

BABYMETALにはまったおかげで、知らなかった音楽に触れる機会が多くなっている。

そして、そのBABYMETALがTHE FIRST TAKEに降臨した。

このTHE FIRST TAKE、一発録りという性格上、アコースティックアレンジの曲が多いが、別にアレンジに縛りがあるわけではなく、音源を使ったり、バンドを入れてスタジオライブ的なものもある。

ただ、歌がメインであることに変わりはなく、歌手にとってはなかなかハードルが高いが、うまい歌手にとっては、ともすれはバックトラックに埋もれがちな自分の歌唱を見せつける機会にもなっている。

 

さて、BABYMETALのSU-METALの場合、当然アコースティックアレンジだと思ったが、そのとおり「Monochrome」のピアノバージョンとなっていた。

歌唱自体はSU-METALの現在地を示すにふさわしい内容になっていた。

強弱のつけ方、低音の安定感については十分満足がいく内容だったが、何か物足りなさを感じる。

ファンカムを含めたライブ音源を聴きまくっているので、いつもとは違う違和感のようなものを感じていた。

SU-METALの声の一番おいしい部分、ハイトーンのキレが感じられず、いつものようなクリアな印象が抑えられて、ソフトな感触が勝っている。

 

原因は何だ?

THE FIRST TAKEではスタジオマイクの定番NEUMANNのマイクがつ使われることが多いが、SU-METALの場合、使用例が少ないTELEFUNKENのマイク(モデルはおそらくTF-51)が使われているが、その特性か。

そもそもYOU TUBEなので映像の方は4Kまで対応しているが、音声の方はOPUSというロッシー音源であり、ビットレートも可変なのでどの程度の圧縮具合なのか不明。

 

ハイレゾ音源をサウンドバーで聴いているようなもどかしさがあったが、このTHE FIRST TAKEの音源が配信で提供されることになった。

THE OTHER ONEのシングルと同様に主要ストリーミングサービスで配信されるとともに唯一レコチョクでダウンロード提供がされる。

 

レコチョクではAAC形式のほかにFLAC48kHz/24bitでハイレゾでの提供を行っているものあるが、BABYMETALはAACのみ。今回もこれまで同様AACのみの配信だった。

そもそもAACなのであまり期待はしていなかったのだが、AACでも320kbpsが用意されているので無論こちらをダウンロードして聴いてみた。

 

ダウンロード音源なのでDACは同じだがDiretta経由で聴くことができる。

その結果、そう自分が知っているSU-METALの声がそこにあった。

AACも最高ビットレート320kpsになると、圧縮音源特有の高域の詰まった感じがほぼ感じられなくなり、ちゃんとSU-METALのおいしい帯域が生きている。

 

もちろん解像度もYOU TUBEとは大きく差があり、YOU TUBEではあまり聴き取れなかったボーカルにかかっているエフェクト(ほんの軽いエコー)が聴きとれる。

MOAMETALのバックコーラス部分で2人のボーカルが重なっているのが明瞭にわかるが、MOAMETALではないもう一人のボーカルはYUIMETALの声ではなさそうだ。

 

これなら満足。

THE FIRST TAKEに出た甲斐があるというもの。

こうしてみると、YOU TUBEの音質はAAC128kps程度になっているように思える。

YOU TUBEだとDACは同じなのだが、YOU TUBEの音声仕様の問題とともに自分が使っているUSB-DDC FX AudioのFX-D03Jがボトルネックになっているんだろうな。

 

AAC音源なので、このところあまり出番のないスピーカーシステムでも聴くことができる。

NAS:Soundgenic>>>(USB)>>>DAC:OPPO BDP-105DJL>>> AMP:PIONEER A-A9MK2>>>SP:FOSTEX GX100

 

このことろヘッドフォンばかりで音楽を聴いていて、ヘッドフォンをゼンハイザーのHD6XXに変えたのですっかりその音に慣れてしまっていたのだが、SU-METALの声はマグネシウム合金ツイーターを持つGX100の方がマッチする。

声の伸びやかさが段違い。しかも金属的なキンキンする感じもない。

ずっとこのまま聴いていたい。

そんなふうに思える音だ。

AAC320kpsの音源がここまで鳴ってくれるのだから、このスピーカーシステムはやはりいいな。

 

やはり音で音楽の印象は相当変わる。

好きな音楽をいい音で聴きたい。

実はTHE FIRST TAKEの音源の多くがレコチョクで配信されており、そのほとんどがAACとともにハイレゾでも配信されている(価格は倍以上するが)。

形式はFLAC48kHz/24bitだ。

ヒグチアイの「悲しい歌がある理由」も「悲しい歌がある理由  - From THE FIRST TAKE」として配信されている。

ナゼBABYMETAハハイレゾガナイノデスカ?

 

理由を考えてみた。

①基本はストリーミング配信なので、音質をストリーミング程度に抑えている。

②コバPがハイレゾ嫌い

 

可能性としては①が高いが、本当は②のような気もしてならない。

ともかくほとんどの歌手がハイレゾも配信している中BABYMETALだけハイレゾなしとは。

 

Miwaの「ヒカリヘ - From THE FIRST TAKE」も当然のようにハイレゾ配信をしており、こちらはFLAC96kHz/24bitだったので、思わず買ってしまった。

Diretta経由で聴く「ヒカリヘ - From THE FIRST TAKE」は、まずアコースティックギターの粒立ちがまるで違う。

アコギの胴鳴りがはっきり聞こえてくる。

ピアノの輝き、ヴァイオリンの弦の艶やかさ。

ただ、肝腎のボーカルだが、ヘッドフォンがHD6XXなのにまるでATH-A2000Zのように高音が響き渡る。

全体的にハイ上がりのバランスになっているようだ。

音の質感も楽器に比べるといまひとつで、若干平面的な印象を受ける。

あえてなのかどうかわからないが、ピークを叩いて若干歪みを感じる部分もある。

ただ、AAC320kbpsとは歴然の差がある。

ああ、ハイレゾでSU-METALの声を聴いてみたかったよ。

ダウンロードがだめなら、ぜひQobuzでハイレゾストリーミングをお願いします。

 


予定はなかったNET CARD Femto導入

2023-05-07 04:04:44 | オーディオ

○ハイレゾストリーミングサービスのための環境整備

とりあえずハイレゾストリーミングサービスを利用するにはネットワークプレーヤーがあればいいが、ハイレゾストリーミングサービスを利用するならROONの導入も併せて検討した方がいいだろう。

となると、ネットワークプレーヤーはROONに対応した「ROON Ready」のものがいい。

手持ちのDAC RMEのADI-2 DACをそのまま利用することを考えると、機能とコスパの点でiFi-AUDIOのZEN Streamあたりになるかな。

 

ROON CoreはPCにする予定なので、PCとZEN Streamとの接続をどうするかが問題になる。

ローカルファイル用のDirettaも併用させたいから、PCからLANポートは2つ以上ほしい。

現状DirettaとPCとのLAN接続は、USB Card FemtoとUSB-LANアダプターの組み合わせで間に合わせているが、USB Card FemtoにはUSBポートがもう1つあるので、当面ZEN Streamとの接続もこの方式で間に合わせておくという手はある。

 

○オーディオ用のNETカード

本当はPCにオーディオ用のNETカードを組み込んだ方がいいのだが、オーディオ用のLANカードは選択肢が少なく、USBカードと同様JCATのNET Card FemtoかさらにハイグレードのNET Card XEぐらいだ。

しかし、NET Card Femtoは国内では入手困難でJCATから直接輸入するしかなく、NET Card XEは国内で入手できるものの二桁万円とちょっと手が出ない価格になっている。

PCをデュアル電源化する準備は整えたので、そのためのサブ電源が必要で、LANカードはその後だなと思っていた。

 

そうしたら、NET CARD Femtoの中古がメルカリで出品された。価格もかなり安い。

2つ同時に出品され、1つはあっという間に売れてしまった。

予定が狂ってしまうが、この機会を逃すといつになる変わらないので、買ってしまった。

 

○NET CARD Femtoの取り付け

メルカリで入手したNET CARD Femtoの外観は特に問題なかったが、付属のロープロファイルブランケットがなく、フルサイズのブランケットが取り付けられた状態で送られてきた。

箱はなかったが、紙の取扱説明書は一応ついていた。

内容を確認すると、USB CARD Femtoに使用していた外部電源iPowerはそのまま使える。

外部電源の使用は推奨されている。

専用のドライバーは必要なく、INTELの標準ネットワークアダプタードライバーで事足りるようだ。

ということで、基本的にはUSB CARD FemtoをNET CARD Femtoに換装すればいい。

マイPCの筐体開け閉めは毎回苦労しているが、今回は比較的スムーズにいった。

筐体の天板を留めている4本のねじを外し天板を開け、ネジ1本で固定されているUSB CARD FemtoをNET CARD Femtoに付け替えればいい。

毎回苦労するのが天板のねじ穴の位置合わせだが、このPCを買ってから4年経ってようやく気付いたが、天板の位置を筐体の一番後ろに合わせるとねじ穴がピッタリはまる。

こうして意外とあっさりとカードの交換自体は終わった。

 

あとは毎回面倒なケーブルの差し直し。

数えてみたら12本もPCにケーブルをつながないといけない。

手元が見えない状態でケーブルを挿し込む必要があるので毎回イライラするが、バックパネルの写真を撮っておけばいいことに今更ながら気づいたので、写真を見ながらケーブルをつなぎ直しセットアップ完了。

 

PCを起動して、NET CARD Femtoが認識されているか確認したところ、オンボードのLANとは別にちゃんと認識されていた。

ドライバーもINTELのドライバーが当たっているようだ。

 

さて、これで正常に作動するか確認。

いつものようにfidataとJPLAYの組み合わせで曲の再生を試みるが、いつものようにプレイリストの曲が次々とスキップされて再生されない。

ここで慌てずPCを再起動すれば、次からは再生できるはずだが、また曲がスキップされて再生できない。

何回再起動してもこの状態が変わらないので、まさかの相性問題かと思ったが、LANカードを変更したので、Direttaの設定も変更が必要なだけだった。

 

Diretta ASIOの設定画面を起動すると、「Interface Ethernet」の項目が「AUTO」になっていたので、今回追加したNET CARD Femtoの方を選ぶ。

NET CARD FemtoにはLANポートが2つあるので、「Intel(R) I350 Gigabit Ethernet Connection」と「Intel(R) I350 Gigabit Ethernet Connection #2」と2つ表示されるが#2ではない方を選択。

 

「Connect Target」も「AUTO」になっていたので、「OLIO.SPEC_BRIDGE」を選択。

Diretta Bridgeの先につながっているUSB DACもちゃんと「ADI-2 DAC」と正しく表示されている。

ついでにファームウエアもチェックしたらTarget側(DAC側)のファームウエアが古かったのでバージョンアップした。

 

こうしてセットアップしたので、ちゃんと音が出た。

ファームウエアを最新のものに更新したためか、fidataを再起動しなくとも曲を再生するようになったのはよかったが、プロファイルを「Fix_Low」にしていても曲中でノイズが出るようになった。

20秒ほどで復帰するが、ちょっとこれは困った現象なので様子を見てみる。

試しにプロファイルを「Fix_High」にしてみたが、やはりタスクマネージャーが起動しない。

リソースの競合はファームウエアのバージョンアップでは解消しなかった。

 

○NET CARD Femtoの音

肝腎の音の方であるが、結論からするとUSB CARD Femto+USB-LANアダプターとほとんど差はない。

強いて言うなら、刺激的な成分がさらに少なくなり聴きやすくなった感じだ。

もともと電源も外部電源としてiPowerを使っていたし、同メーカーのものなので大きな差はないかなと思っていたが、やはりそのような結果になった。

 

USB CARD FemtoをNET CARD Femtoに変えたかったのは、将来的にDirettaとROONの併用を考えているので、オーディオ出力用のLANポートが2つほしかったという機能的な面が大きい。

USB CARD FemtoもUSBポートが2つあるので、もうひとつのUSBポートにもUSB-LANアダプターを加えれば一応こと足りたのだが、中古でNET CARD Femtoを入手できたのでこちらに乗り換えた。

 

あとはデュアル電源化したPC用のサブ電源を導入すれば、ROONというかハイレゾストリーミング導入の準備はほぼ完了となる。

この段階で、改めて自分のシステムの音を確かめてみる。

実はヘッドフォンをHD6XXにしてからというもの、オーディオ的な意味で音が気にならなくなった。

低音の量が少々多すぎるきらいはあるが、このソフトな低音のおかげか音楽に集中できる。

解像度も音の広がりも十分で、古い音源もリフレッシュした印象になり、とても楽しく聴ける。

現代的なバランスではないかもしれないが、オーディオ的な性能を十分に満たしながらオーディオを意識で音楽が純粋に楽しめるというのは自分が求めていたものだ。

 

あとはいよいよROONかというところのだが、その前にどうにも相性の悪いDirettaとJPLAYを何とかしたい。

ROONのRAATと呼ばれる信号転送プロトコル部分をJPLAYに置き換えることも可能のようだが、これまたトラブりそうな感じが濃厚だ。

DirettaがあるからJPLAYはあきらめて、他のソフトに乗り換えてしまうほうがいいのだろうが、そこまでは踏み切れないでいる。

 

しばらくはDiretta+JPLAYでの安定運用を探りつつ、PC用のサブ電源導入を考えることにしよう。


BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE - BLACK NIGHT参戦記(その2)

2023-05-03 04:44:44 | ライブ

あまり感傷的になることもなく、大学時代の友人と3年前の幕張ライブの時と同様に酒を飲んだ。

3年前に乃木坂推しということが判明した彼だ。

押しのメンバーとっくにいないはずなのだが、奥さんからドルオタと呼ばれながらも未だに乃木坂を追っているらしい。

軍事マニアらしく「残った兵力で戦っていくしかない」みたいなことといっていたが、たしかに初期のメンバーの方がよかったような気がする。

 

3年前に勧めておいたBABYMETALのロンドンライブ映像FORUM&ブリングストンの感想が今頃聞けた。

車好きでもある彼は、SU-METALの声をHONDAのVTECに例えていた(もちろんポジティブな意味で)。

いやいや、SU-METALの声はフェラーリの12気筒、いや違うな、広島出身だからマツダの4ローターの方がしっくりくる。

そんな話をしながら、桜木町駅近くの店で飲んでいたが、周りにはメイトさん多かった。

 

今回もまたちょっと飲み過ぎて、次の日はなかなか起きられず、予定よりも遅い時間の新幹線で地元に戻った。

2日目の情報はもちろんチェック。

やはりCLEAR NIGHTは新生BABYMETALのお祭りだったようだ。

衣装が変わり、MOMOMETALにはついにマイクが付き、髪型も変わった。

セットリストでは「いいね」を演ったは意外だった。生で見たかったな。

予想通りオリジナルの「BABYMETAL DEATH」を披露したが、これも生で聴きたかった。

PITのメイトは狂乱状態だったようだが、これはデロ、映像化待ちだな。

そう、新しいメンバーが入ったことで、封印されていた曲も聴けるようになった。

ただ、何ともいえない寂しさと切なさが残る。

 

YUIMETALが復帰するはずはないなんてことは理解しているつもりだった。

ただ、「古いBABYMETALは死んだ」と言われ、大好きだったあの完璧なトライアングルが文字どおりの「伝説」となってしまった事実は、なかなか受け入れがたい。

BLACK NIGHTの1曲目「THE LEGEND」の歌詞を改めて読み返してみる。

 

 遠く遠く どこまでも

 遠く遠く 続く旅路で

 歩き始めた 夢

 ずっと泣いて ずっと笑ってた

 あの頃の 夢は 

 変わらない 今でも

 

 奇跡輝き 宇宙を 照らして

 It's timeless and spaceless

 Beyond the stars

 We are THE LEGEND

 

この曲はYUIMETALがいた頃の古いBABYMETALへのレクイエム。

もう歌われることはないのではないだろうか。

 

こんな風に思ってしまう原因ははっきりしている。

未だに「水野由結」がアミューズに在籍していることだ。

これが復帰、復活の期待を持たせてしまっていた。

突然表舞台から消えて、グループから脱退して以来全く活動がない状態が5年も続いている。

もう芸能界は引退していると考えるのが自然なのに、なぜか。

おろそらくは大人の事情。

活動はしていなくとも、個人として事務所に所属していることが必要なのだろう。

これがいつまで続くかはわからないBABYMETALが継続する限りなのか、それとも新生BABYMETALが誕生して終わってしまうのか。

個人として活動してくれれば、YMYも成仏できるのに、もはやそれも望めないのだろう。

 

BLACK NIGHT&CLEAR NIGHTという「死と再生の儀式」を経て、2+1ではない3人の新生BABYMETALが戻ってきた。

正式に3人体制が復活するまで5年以上かかった。

コロナ禍で失われた時間を取り戻すかのように、次々と海外でのライブの予定も発表され、BABYMETALらしい活動が戻ってきた。

ダークサイトを経て、横浜アリーナで「3人」のBABYMETALを見たときのあの高揚感と「BABYMETALは3人でなくてはならない」という確信を思い起こす。

 

3人となった「新生BABYMETAL」はMETALVERSEのどこを目指すのだろう。

 


BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE - BLACK NIGHT参戦記(その1)

2023-05-02 04:44:44 | ライブ

当選してしまったものの行けるかどうかわからなかったFOX DAYのライブであるが、なんとか行ける状態となった。

日帰りもできたが、一応宿も押さえた。

日が日なので、とにかく宿がいっぱい。横浜周辺ではホテルを押さえることできず、遠くの古びたホテルを押さえるのがやっとだった。

 

物販さえなければ地元をゆっくり出てもよかったのだが、超SEAT(超PITも)だと早い時間に物販の入場整理券を予約できることを知り、初めての会場の下見を兼ねて、幕張の時には行けなかった開場前の物販に行ってみることにした。

 

東京に着いてから電車に揺られることしばし、桜木町駅に到着。

下調べどおりに歩いて行くと、10分ほどでPIAアリーナMMに到着した。

ランドマークタワーが目の前、実はなかなかのオフィス街の中にあるので、休日ではあるが黒ずくめのメイトさんたちは目立つ。

会場のコインロッカーはまだまだ余裕があったので、とりあえず大を押さえておく。

あとは物販の列に並べばいいのだが、例によって人だかりで案内が見えず、どこに並べばいい変わらない。

聞き取りづらい拡声器の案内を聞き取り、かなり長い列の後方に並んだ。

予約しているのにこの列かと思ったが、それほど待つことなく物販会場に入ることができた。

早い時間に会場に行く必要はあるが、並ぶ時間が短くてすむのはありがたい。

特にこれといったものはなかったが、とりあえずTシャツとアクリルマグネットを買ってみた。

例のギミチョコ缶はまだあったが、さすがにあの値段では手は出ない。

 

この雰囲気、やっぱりこれだよね。

その後、遠くのホテルにチェックインを済ませ、買ったばかりのTシャツに着替え、身軽になって、再び会場へ赴く。

 

今回はSEATなので遅い時間に行ったが、会場周辺はメイトさんたちで大渋滞。

完全に並ぶ場所がわからなくなっているが、とりあえず列に並んでみたが、開演予定時刻まで1時間を切っているのに、この長い列では開演時刻はかなり押しそうだ。

しかし、列の長さの割には比較的早く会場内に入ることができた。

割り当てられた席は2階のステージ正面やや右側の最前列(超SEATなので)。

このPIAアリーナの最前列席には着座での鑑賞(!)が求められており、ジャンプをするなんてもってのほか。

座った状態でノる「父兄さん」状態になることが必要だ。

 

会場のPIAアリーナMMは2階以上のの傾斜が大きくかなり見やすい。

広すぎない適度な大きさのアリーナなので、通常のエンドステージだったが、極端にステージが遠いという感じは受けなかった。

見やすいのはいいが、シート席の傾斜が大きい箱の音は期待できない。

ここも低音がぐるぐる回って音抜けが悪いだろうな。

 

噂通りシートの幅はかなり狭い。映画館のシートには優に及ばす、電車のベンチシート並みの狭さだ。

超SEATの客の年齢層はかなり高めなのは普通のことだが、自分の隣に座った男性はオッサンというより完全に「おじいちゃん」だった。

ここまで年齢の高いメイトさんは見たことがない。

「おじいちゃん」であるが故に、心の声が「音」となって口から漏れ出てしまっている。

言葉にならない言葉が隣から聞こえてくるので、自分はそうならないよう気をつけよう。

 

思ったよりも早く15分遅れで開演となった。

いつものように思わせぶりな紙芝居から始まった。

1曲目は「THE LEGEND」だった。

前回の幕張公演「BABYMETAL RETURNS」のラストがこの曲だったから、そこからのつながりだろうかと思っていたが、この曲で始まったこの「BLACK NIGHT」と銘打たれた公演の意味することを後で思い知ることになる。

神バンドは予想どおり西の神。

3年前の幕張公演はDAY1のみ参加だったので、西の神のライブは初めてだ。

アンソニー・バロンのドラムが楽しみ。

何事もなかったかのように3人目はMOMOKO。

衣装も前回の幕張と変わらず、当然マイクは付いていない。

 

今回のライブ、1日目はBLACK NIGHT、2日目はCLEAR NIGHTというサブタイトルがついている。

これまでBLACK NIGHTという名前がついたライブは2回あり、最初の武道館の2日目と東京ドームの2日目。どちらも1日目はRED NIGHTだった。

今回は1日目がBLACK NIGHTとなっており、2日目は初めてCLEAR NIGHTと名付けられている。この時点で1日目と2日目のセットリストが大幅に異なることは予想された。

本来ならば2日間とも参加すべきパターンだが、そもそも参加できるかどうかわからなかったので1日目のみチケットを押さえた。

BLACK NIGHTとCLEAR NIGHTという名前で、その内容がある程度想像はできたが、これまでのBLACK NIGHTと同様、ハードめの曲多かった。

ただ、ニューアルバムのライブ未公開曲をすべて演奏するとは思わなかった。

後から考えれば、旧体制のBABYMETAL最後のライブであったので、旧体制最後のアルバムの曲は全てこの日までに演奏しておく必要があったのではないか。

 

新曲はかっこはいいのだが、正直のりにくい。

ライブの定番曲と並べるとその差が際立ってしまう。

アンソニーのドラムは噂どおりのパワードラム。

曲中はずっとバスドラのボディーブローを受け続けている状態で、体調が悪かったら気分が悪くなってしまうレベル。

豪快でいいのだが、やはり少々荒っぽい感じがする。

BABYMETALの御本尊SU-METALは前回の幕張よりはいいものの、やや不安定な印象を受けた。

新曲が多く、バックが久々の西の神ということもあるのかもしれない。

 

そして、前回だけかと思いきや、またしてもチビメタル登場。今回はKARATE。

向かって右にチビメタル、左に本家BABYMETALという並びだ。

今回は顔がはっきり見える。ボーカルは戸高美湖で間違いない。

アミューズ期待の彼女だけあって、ライブであれだけ歌えれば今の時点では十分だとおもうが、続いて歌った本家BABYMETALのSU-METALはその最初の一声で格の違いを見せつける。

まさに別格。ああ、すっかりこれが当たり前になって普段は気がつかないが、SU-METALと比較されるのは少々かわいそう。

ソニスフィアのMVで聴いたこの声に心打ちぬかれて、今に至るということをこのFOX DAYに改めて思い知る。

ここでも過去を振り返る過去の映像が流れていた。

10yearsのときも過去の映像は使われていたが、今回はYUIMETALの映像が多いような気がする。

 

意外と淡々とライブは進み、最後の紙芝居。

「全てが終わり、全てが始まる。」

映像で流れた東京ドームのアンコールの場面。3人がお互いに体を互いに抱き寄せて歩くバックショット。

これが本当に大好きだった。

ただ、今ここで見るこの映像には胸が締め付けられる。

 

今までのBABYMETALは終わり、新しいBABYMETALが誕生するとのアナウンス。

新しいメンバー加入のタイミングは1日目のラストだと思っていたのが、まさか全員総入れ替えと思わせるようなアナウンス。

さすがにそれはないだろうと思ったが、少々緊張して「新生BABYMETAL」のメンバーのコールを待つ。

「VOCAL&DANCE…  SU-METAL」

そのアナウンスを聞いてほっとしている自分がいた。

SU-METALのいないBABYMETALはもはやBABYMETALではない。

BABYMETALのCOREなのだから。

続いて「SCREAM&DANCE…  MOAMETAL」

会場は歓声と大きな拍手。

BABYMETALのもうひとつのCORE。

BABYMETALの菩薩。メイトもBABYMETAL自身をも救った菩薩なんだ。

 

そしていよいよ3人目。

「SCREAM&DANCE…  MOMOMETAL」

悲鳴のような歓声。その歓声にはメイトたちのいろいろな思いがこもっていた。

予想どおり。これでよかったのだ。

自分が望んでいた新旧METALの引き継ぎの儀式はなかった。

このBLACK NIGHTは今までのBABYMETALの見納め。

明日のCLEAR NIGHTは「新生BABYMETAL」の初ライブとなる。