夜の翼

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機械式とクオーツと

2020-12-19 09:21:04 | ガジェット
チプカシたちは1年経過しても電池が切れる様子もなく、時を刻んでいる。
公称よりかなり精度が高く、一番くるいが出たものでも半年で1分ほど、
海外モデルのMTP-V004L-7Aは5秒ほどなので、この調子だと月差ではなく年差と言っていいレベルである。
チプカシたちに使われているムーブメントの情報は持ち合わせていないが、
おそらくはmiyotaあたりの量産ムーブメントモジュールだと思われるが、まあ安くて優秀。

実際問題、日常的にどのぐらいの精度であれば時計として許容できるのかと考えたときに、
面倒くさがりの自分としては、なるべく時刻合わせをしたくないので精度は高ければ高いほどいいのだが、
時刻合わせをしないで許容できる時刻のずれは、世界一正確と言われる日本の鉄道に乗る頻度が多いなら、30秒が限界だろうか。1分はちょっと厳しいと思う。
特に遅れる方にずれると問題なので、大体の国内モデル進む方向に調整してあるようだ。
電車に乗らなければ1分。それなら秒針はいらないかもしれない。
クオーツならどんなに悪くとも月1回の時刻合わせで済む。
それもめんどくさい人は自分のような人は年差クオーツか電波時計を使うしかない。
これが機械式の場合はゼンマイバネを動力源とするので、その精度は通常は日差15秒、どんなに精度が高いものでも日差2秒ほど。
これだと基本的に毎日時刻合わせをする必要があると思うので、余程機械式が好きで、
ほぼ毎日必要となる時計の時刻合わせが億劫でない人か、数分のずれは気にしない人向けかな。
まあ、スマホは基本的に毎日充電しなければならないものになっているので、機械式の腕時計もその類いだと思えばいいのか。

あと腕時計の機能維持のために必要なのは、動力源の確保。
電池式のクオーツであれば、短いもので2年ごと、長いもので10年ごとに電池を交換すればいい。費用はだいたい1000円くらい。
2、3年ごとに電池交換をするのは意外と面倒なもので、特に防水性が高いものの防水性を維持しようと思うと時間と費用がもっとかかる。
その手間を省いたのがソーラー充電。自分もソーラー充電の腕時計を4つほど持っており、
そのうち購入してから10年を超えているものが2つあるが、まだ二次電池の交換が必要にはなっていない。
自分が持っているオシアナスがそろそろ8年目になろうとしているので、二次電池の交換費用が気になり調べてみたら、8000円程度だと分かって一安心。
2、3年ごとに電池交換するよりは高いが、購入価格からすると許容範囲。

機械式の場合はゼンマイバネを巻き上げる必要があるが、現在はほとんど自動巻きになっているので腕に時計を着けていれば止まらないが、
外してしまうと数日中に止まってしまうことになる。
ただ、今の自動巻きは手巻き機能が付いているものが多いので、止まっているのに気づいたらちょちょいとバネを手動で巻き上げやればいい。
ソーラー充電の場合、完全にバッテリーを上げてしまうとフル充電状態に戻すまでにかなりの長時間強い光に当てる必要があるので、その点は不便。
ただ、現在では室内の弱い光でも発電するものがほとんどなので、外した腕時計を光がほとんど入らない部屋に置きっぱなしでもしない限り充電切れになることはないが、
時計の置き方については文字盤を下にして置かないように注意が必要。
その程度の気の使い方でソーラー充電の腕時計を10年以上使っているが、今まで充電切れどころか充電不足の警告すら発せられたことはない。
また、充電が足りなくなると、アナログ時計でも秒針が2秒ごとに動くなどのバッテリー警告機能が付いているので、余程のうっかりさんでなければ大丈夫だろう。

機械式の機能維持のためには、電池交換の必要はないものの数年ごとにオーバーホールというものが必要らしい。
オーバーホールは基本的に、分解→洗浄→組立→検査を行うので、それにかかる時間と費用はクオーツの比ではなく、気になる費用は1回に少なくとも数万円ほどかかるようだ。
駆動方式としての機械式のメリットはその修理可能な期間の長さだと言われている。
メーカーが倒産でもしない限り修理がきき、「一生もの」どころか世代を超えて使えるらしい。
ただ、構造上修理が「半永久的に可能」だとしても、その性能維持に相当のコスト(イニシャルコストも含めて)がかかるとすれば、
よほどお気に入りのものじゃないと買えないし、維持し続けていくことは出来ないだろう。
ましてや、自分がこの世にいなくなった後も自分の愛用品を誰かが使い続けることを想像して使い続けるというのは、「男のロマン」以外の何物でもない。
しかし、自分の死んだ後はともかくとして、もっと使い続けたいと思っていた愛用品が「パーツがありません」の一言で使用できなくなるというのは、何ともいえないやりきれなさがある。
自分の場合はWired-hがそうだった。限定モデルだったというのが仇になって、時計本体には何の問題がないのに、
切れたベルトの交換品どころか代替品もないといわれて、腕に着けられない腕時計になってしまった。
使えた期間が10年あまりというのは、ちょっと悲しすぎる。

では、何年くらい使い続けられればよしとするのか。
腕時計ならば、就職の時に買ったとして死ぬまでとはいわないがリタイアするぐらいまで使えれば「一生もの」と言っていいのではないかと思う。
とすると50年くらいか。ただ、その機能を維持するための費用面を度外視するのもどうかと思うので、
本体の価格を超えない程度の維持費用でその機能が保つことができればいいだろう。
自分の場合、先日オーバーホールをしたピニンファリーナデザインのクオーツ腕時計を手に入れたのは20歳頃だったが、オーバーホールをするまで約30年間は電池交換のみという状態。
オーバーホールも精度維持のために行ったもので時計が壊れたというわけではなかった。オーバーホールでその精度が復活し、少なくともあと10年くらいはいけるのかなと思っている。
クオーツ腕時計は世に出て約50年。機械式腕時計に比べ、クオーツ時計ははるかに歴史が浅いため、その耐久性がよく分からなかった時代ならばともかく、
それなりのムーブメントを使った腕時計であればクオーツでも4、50年は使用に耐えられるようだ。

こんなことを考えていたら、機械式とクオーツ式のメリット・デメリットを比較している動画を発見した。
投稿者はもちろん腕時計好きのようだが、腕時計好きに時々見かける機械式至上主義者ではなく、それぞれの特性にあった方を使えばいいというスタンス。
そこで挙げられていた機械式のメリットは次の3点。
1 永続性が高い。
2 芸術性・趣味性が高い
3 資産価値が高いものが多い
これらの点を機械式の特徴というなら分からなくもないか、2とか3がメリットとして挙げられているということが現時点における機械式腕時計を立ち位置を表しているような気がする。
1と3(高額であるが故に付加価値を付けなくてはいけないという点では2もそうかもしれない)は、
高額商品を売る側の典型的なセールストーク、購入を迷っている客に買わせるための最後の一押し。

同じ腕時計と言っても、どちらか択一的に選ぶようなものではないのかと思う。
機械式は時刻も分かる身に着ける嗜好品、工芸品
クオーツは時刻を知るための実用品(だが、身に着けるという性格からデザイン性、ファッション性も重視される)
クオーツショック以降、機械式腕時計の立ち位置が変わった、変わらざるを得なかったことが瀕死の状態から復活した理由だのだと思う。
紹介した動画の投稿主(もちろん機械式愛好者)も結論としては似たような感じで、
機械式愛好者に時々見られるクオーツを親の敵みたいに嫌って全否定ということはなく、用途というか目的に応じて使えばいいという結論。
そんな投稿者にさえ強烈に刷り込まれている「永続性」という甘美な響き。
「孫の代まで使えますよ」
「もし不要になっても高く売れますから」
そんな使い古された殺し文句は、今も生き続けているらしい。

話が大幅にそれてしまったが、(修理すれば)長く使えること以外に、機械式にあってクオーツにないものは何かということになる。
自分から見て機械式の時計でここがいいなと思うのは、いわゆるスイープ運針というやつで、秒針がコチコチを動かずなめらかに動く様子は見ていて気持ちがいい。
クオーツ時計で気になるのは針ずれという現象。それなりの値段のものだとほとんど気にならないが、安いクオーツ時計だとかなり目立つものが多い。
スイープ運針であれば、連続して秒針が動いているので、基本的に針ずれ問題にならない。
クオーツ時計はほぼステップ運針であるが、スイープ運針のものがないかというとそんなこともない。
スイープ運針の掛時計や置時計は特に珍しいものでもなく、比較的安価で手に入る。
まあ、これはコチコチ秒針の音がしないようにするという必要性があっての機能なのだが、単純に見た目でも連続して動く秒針は魅力的である。
これが腕時計となるとまずない。ステップ運針のコチコチ音が基本的には問題にならない腕時計はスイープ運針する必要性がないので、
そういう特殊なムーブメントは求められていないのだろう。
探したらいくつか見つけたが、クオーツ腕時計の秒針の動きにこだわるマニアックな人はそう多くないようで、どれも高価である。
スイープ運針の腕時計の動画がYouTubeに上がっている時代なので見てみると、スイープ運針といってもかなり幅があり、
連続運針にはほど遠い1秒3、4ステップ程度で動く「スイープ運針」の腕時計もあった。
身につけるもの、目に触れるものについてはデザイン(この場合は秒針の動き方も含めてのデザイン)がとても重要だと思っているので、
価格を跳ね返すようなものであれば購入を考えなくもない。

クオーツ腕時計でスイープ運針のものを探していくと、BULOVAというアメリカのメーカーに行きついた。
通常振動子が2本のところ3本を使った特殊なクオーツムーブメントを使った年差クオーツを世界で初めて出したところらしい。
UHFムーブメントと呼ばれるこのムーブメントの製造元がシチズンの傘下となって、現在のUHFムーブメントは日本製のようだ。
年差精度とスイープ運針を同時実現したこのムーブメントを使用したモデルを本家ブローバでは復刻モデルを中心に今でも生産しているようだ。
年差精度とスイープ運針のクオーツなんて自分のためにあるようなブランドだが、
日本国内モデルとしてUHFムーブメントを使ったクオーツモデルがハイパフォーマンスクオーツと称して販売されているのだが、
全てがクロノグラフで秒針がスモールセコンドとなっており、通常の長い秒針はストップウオッチとしてしか動かないようだ。
そもそもクロノグラフには興味がないし、クロノなのでそれなりのプライスタグが付いている。
こういう場合は本国モデルを調べてみる。そうすると通常の3針モデルでもこのUHFムーブメントを搭載したモデルがあることが分かった。
チプカシ同様、海外モデルを輸入して取り扱うショップもある。
Accutron IIシリーズやPRECISIONISTシリーズには比較的リーズナブルでデザインも自分好みのモデルがあるので、俄然興味がわいてきた。
休日に身に着けるイメージだが、そうなるとデザイン的にピンとくるもの少ない。
メタルブレスレットはクラシカルなデザインで興味をひかれるが、時計本体がかなり重く、メタルブレスレットのモデルだと重量が150gを超えている。
革ベルトのモデルだとPRECISIONISTシリーズの96B158やAccutron IIシリーズの96B133は かなり魅力的ではあるが、輸入物は保証、修理の問題があり、
壊れたらしょうがないやで諦められるチプカシと違い、それなりの値段はする。


この値段ならPC用のアナログ電源の方が先かな。

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