夜の翼

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BABYMETAL LEGEND-S-洗礼の儀- 参戦記 その5

2018-01-11 02:23:43 | ライブ
NRNRのあとなかなか曲が始まらない。
青山さんのところへスタッフが駆け寄る。青山さんがスタッフに何やら話をしている。
スタッフの動きがあわただしくなる。
おそらくはイヤモニのトラブル。神バンドの方にもトラブルが出ていたようだ。
ギミチョコの時にハウリングがひどかったという話を後から知った。
スタンド側のPAでは感じられなかったが、マイクのあるピット側のPAに発生していたらしい。
会場が広いうえに初めて使う会場、さらにマイクの位置が常に移動しているような状態だったから
無線のトラブルを抱えたまま中盤まで演奏していたことになる。

かなり長い沈黙からの三三七拍子。
4の歌。
これまたMOAMETALがひとりで登場。
もう歌うしかないでしょ。YUIMETALの代わりに俺たちが歌ったる!
会場全体がそんな気持ちになっていたと思う。
曲調が明るいだけに一人だけの舞台がホントにさみしく感じる。
肩を組む振り付けで肩を組む相手がいない。
MOAMETALは本当に健気に頑張る。

そこからはメギツネ→KARATE→ROR→ヘドバンとメイト殺しの鬼セトリ。
自分もそうだったが、会場全体が変なテンションになっている。
ピットが猛烈に激しくなってきた。

メギツネジャンプの煽りはやはり英語だったが、SU-METALの口から「Hiroshima!」という言葉が聴けたのはやはり感慨深い。
手に持つキツネのお面はいつもの白ではなく金色だ。今回の特別仕様。
今回のライブでは金色がXX、黄金時代の象徴として扱われている。
KARATEの間奏部分での倒れてからの抱き起し。
やはり二人だとさみしいな。
RORのサークルは6つぐらいできてましたよ。その前のWALL OF DEATHもかなり激しめ。
自然と声が大きくなっていたらしく、もうこの時点ではWOW WOWであまり声でなかったが、頑張って声出しました。

ヘドバンはマイクスタンドなし。マイクも小さなテーブルが置かれてそこからSU-METALがマイクを取っていた。
移動ステージに合わせてアレンジされている。
間奏になったら、ピットは土下座しまくり。あ、土下座ヘドバンのことね。
東京ドームの最前列で大写しになった半泣き土下座ヘドバンメイトの影響か、
今年のライブはこの曲で土下座ヘドバンをする人が増えたような気がする。
間奏後の「一五(いちご)の夜を忘れはなしない」のところを
「二十歳(はたち)の夜を忘れはなしない」に歌詞を変えてきた。
メイトさんたちの「ゥオーーーー!!」という歓声がいまだに耳に残ってますよ。
こういうふうにライブで歌詞をアレンジするのも初めてかな。
歌詞間違わなくてよかったね。
ほんのちょっとだけSU-METALの声に照れが感じられたが、またそれもよし。

ここで紙芝居。

希望、絶望、待望
3つの望みの三位一体(Trinity)
死からの新たな生
世界を照らす新たな光
新たな女神の復活

ここでBMD DEATH!。
パイロの炎焚きすぎ。スタンドでもこれだけ熱いんだから、神バンドはどれだけ熱いのか?

自分の名前を言うセリフの部分。
ここだけはいないはずのYUIMETALのセリフがあった。
SU-METALとMOAMETALがふたりで「YUIMETAL DEATH」と言っていたようだった。
ライブ中YUIMETALのパートは基本的にサイレントだったのに、ここだけは2人がカバーしてくれた。
三位一体。やはり3人じゃないとね。

間奏でフードをかぶった黒司祭登場。
やっぱりきたかー。LEGENDだもんな。LEGEND1997のセルフオマージュ。
SU-METALはペンダントと同じ意匠の十字架(?)に磔にされる。
家族の前で磔にされて火あぶりになるSU-METAL。
突然SU-METALの目が覚めてのスクリームもLEGEND1997と同じ。
いつの間にか十字架に磔にされていたSU-METALの姿がない。
そして、曲が終わる。

そこからかなり長い紙芝居。

メシアの女神としての復活
メシアが歌う理由 選ばれし者の天命 運命 宿命
そしてアオギリが比喩として使われる。
歌うのはSU-METAL、この場所はヒロシマ。
SU-METALの生地であることを最後まで強く意識している。

ピアノのイントロが流れ出す。
おっと、これはTHE ONEのUnfinished versionじゃないか。
NHKの番組では客なしでのスタジオライブを披露したことがあるが、普通のライブでは初めて。
ああ、LEGENDだもんな。LEGEND1997では紅月のUnfinished versionだった。
円盤で見ただけだが、あの紅月も素晴らしかった。
金と黒のドレスと金の冠を身にまとったSU-METALが姿が見えた。
オープニングの演出といいちょっとエジプト風というか古代風の意匠だと感じた。
SU-METALの歌に耳を澄ます。
バックの音がピアノのみなので、ナチュラルにかかるSU-METALのビブラートがはっきり聴こえる。
いい意味で少し力が抜けているというか力みがなくなって、声がきれいに響く。
すっかり忘れていたが、マスクの第三の目が白く光りだす。
至福の時。SU-METALの歌を独占できる。
いつものチュチュではない、ドレスの衣装って武道館のBlackNightの最後だけだったような気がするが、
その時は冠とマスクでSU-METALとYUIMETAL、MOAMETALとの違いをつけていたが、今回は見る限り全く同じ衣装だ。
個人的には少しデザインを変えてほしかったと思うが、衣装のデザインが同じというところに意味があるのだろう。

曲が終わるかと思ったら、爆音で神バントがEnglishバージョンのTHE ONEを演奏しだした。
いきなりだったでびっくりした。
そういえば入場前に、会場の中からリハーサルの音漏れが聞こえてきて、
通常のTHE ONEを演奏していたのを忘れてた。


同じ曲のアレンジ違いをライブで1曲として演奏するというのを以前聴いたことがある。
シングルがバンドアレンジ、アルバムがアコースティックアレンジというパターンだったが、
アコースティックアレンジで始まり、曲の途中でバンドアレンジに徐々に切り替わるという感じだった。
とても印象的で大好きなシーンだが、それがBABYMETALで聴けるとは。
この静から動へのダイナミックな切り替えもBABYMETALらしい。
間奏になったら、正面ステージ側からMOAMETALがSU-METALと同じ衣装で登場。
移動ステージの上でSU-METALと一緒に歌う。

この演出はかなりエモーショナルで、これにやられて泣いちゃった人が多かったみたい。
神バンドの衣装は特別仕様の黒。
このライブでの神バンドはソロもなく、文字どおり黒子に徹していた感じ。
位置的に大村さんがよく見えたが、いつも通りヘドバン、煽りまくりでした。
スタンドの方もよく視線を送ってくれて、嫁メタルに「大村さんと目があった(キュン)」といったら、冷たく「気のせい」と一蹴されたw
ギターの方もVシェイプのE-ⅡArrowsもいつもの赤黒ではなく、真っ黒の飾りリベット仕様だったらしいが、会場では暗くてよく見えんかった。

開演前の予想通り正面ステージのセットは左右に分かれ、そこから光が差し込む。
SU-METALとMOAMETALがそこに上っていく。

そう、ここは黄金の三角形が描かれるはずだった。
YUIMETALの場所は空けてある。
三角形って頂点を1つでも欠くと面じゃなくて線になっちゃうんだな。

How I wish, How I wish you were here

ロジャー・ウォーターズがシド・バレットのことを思って作ったピンクフロイドの古い歌の歌詞を思い出した。
こう思っていたのは自分だけではなく、SU-METALとMOAMETALのふたりが一番強く思っていたのだろう。
MOAMETALは本当に健気だったな。

SU-METALとMOAMETALが光に包まれて、ライブは終了した。

最後の短い紙芝居
ここから新たな伝説が始まる、と。
SU-METALのサイン初めて見たわ。

感情が錐もみ状態のままライブは終わった。

このライブは素晴らしいものだった。
本当に素晴らしかった。
何もかもが特別だった。
そして、YUIMETALがいなかったのがつくづく残念だった。
それでも、このライブは記録に残すべきだと思う。
残るのは2日目の方だろうな。
2日目は音響トラブルもなかったようだし、SU-METALもSU-METALらしかったという話だし。
とすると、1日目のあのSU-METALの表情は当日会場にいた人の記憶にしか残らないってことか。
そう思うと本当に貴重なライブに立ち会うことができた。
だって、SU-METALじゃなくて中元すず香のNRNRを聴くことができたんだもの。

彼女の歌い方はなんというか、ロックらしい感じが薄れていて、クリーンな印象がした。
曲にもよるが、無駄な力が抜け、力む感じがなく、透明でのびやかだった。
五大キツネ祭りや巨大キツネ祭りの印象とはかなり異なる。
音源で聴けばその差はさらにはっきりすると思う。

12月の広島の夜は、思っていたより冷え込む。
不思議な浮遊感の中で帰途につく。

次のステージへ。次の高みへ。
BABYMETAL、そしてSU-METALはもっと高く飛翔する。
そして、BABYMETALは3人でなくてはならない。
それを確信した広島の夜。
(おわり)

追記

1月8日に投稿した記事にこんなことを書いた。

明日は今日の続きとは限らない。
昨日まで当たり前にあったものが、目が覚めてみたらなくなっていることがあるということを。
身近にいる人がある日突然この世からいなくなってしまうことがあることを。
自分の力ではどうしようもない摂理のゆえに。

その翌日に突然の訃報が届く。
まさか、この広島のライブが最後になるとは。
注文した五大と巨大のBDはどんな気持ちで見ればいいのだろう?
いや、またあなたのギターを弾く姿が見られる、そう思えばいい。
もうライブで聴くことはできないけど、映像の中ではいつでも会える。

二度と会えないわけじゃない。
忘れるわけなんかない。

ギターの神、藤岡幹大さん ありがとう
合掌


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