■ようやく来たプレオープンの知らせ
昨年の12月にサービスが開始されるはずだったQobuzの国内サービスが「技術上の問題」でサービス開始時期延期されて以来、何の音沙汰もなかった。
個人的に待望のハイレゾストリーミングの国内サービスが正式に始まるということで、準備万端整えていたので、
サービス開始時期が未定のままというのはかなり残念な状況だった。
7月に、現在準備中でサービス開始にはもうしばらくかかるというアナウンスがあったようだが、
もうサービス提供は中止になってしまうのではないかという懸念は払拭されないままだった。
それが突然のプレオープンの知らせが届いた。
Qobuzの運営元であるXandrie 社が買収したe-onkyoサービスの終了のお知らせと合わせて、
e-onkyoサービスの会員限定でのプレオープンがアナウンスされた。
ようやくだ。
遅くとも1年以内には何とかしてほしいと思っていたら、やっとプレオープンまでこぎつけたようだ。
気になるのは、あくまでプレオープンということで、サービス内容にかなり不安があるが、
これまでe-onkyoサービスを使っていたような音楽とオーディオにうるさい人たちにしっかり叩いてもらってから正式オープンということになるのだろう。
昨年アナウンスされたサービス内容から一部変更されている点もある。
ダウンロード購入が割引になるSublimeというプランが提供プランから外れている。
海外サービスにはあるので、e-onkyoと同様に邦楽も取り扱うQobuzとしては、音源供給元との契約の問題があったのかもしれない。
自分としては、一番安いSoloプランの月額契約で様子を見る。
サービスに不具合があれば、いったんやめて様子見ができるように、いきなり年額契約は行わない。
公式アプリは昨年アナウンスがあったとおり、デスクトップ(PC・Mac)版、Android版、iOS版が提供されるようだ。
自分としてはPCで利用するつもりだから、デスクトップ版のアプリがないと困る。
問題はデスクトップ版のアプリがASIOに対応しているかどうかだ。
10月23日のプレオープン初日、午前0時からサービス開始になっていたようで、
昼頃にはデスクトップアプリでDiretta ASIOを出力先として選択できるという報告があがっていた。
これで一安心と思ったが、出力先にDiretta ASIOを選択するとアプリが落ちるという報告もあって、実際どうなるかはやってみないと分からない。
■遅れてきたe-onkyoユーザー向けのお知らせ
プレオープン初日の夕方にQobuzからメールが届いていた。
e-onkyoユーザーへQobuzへのアカウント移行の案内だった。
e-onkyoユーザーに限定してのプレオープンということになっているので、当然案内はあると思っていたが、夕方になってようやく連絡が来た。
実はe-onkyoユーザー向けのプレオープンはこの日だけ(実質8時間)で、翌日には新規申し込み可能なグランドオープンになってしまった。
実は、初日から新規申込みが可能だったという話もあり、e-onkyoユーザー限定のプレオープンとは何だったのかと思うが、
御新規さんの申し込みが予想以上に多かったので、グランドオープンを早めたのかもしれない。
それはともかく、メールにアカウント移行のリンクがあったので、そこから入ってアカウント移行の手続をした。
これまでe-onkyo musicで購入したダウンロード音源の移行に少々時間がかかったが、問題なく移行は完了した。
さて、いよいよQobuzのストリーミングサービスの申込みだ。
1か月の無料期間があるが、プランは当初の予定どおりSoloの月額払(1480円/月)を選択した。
支払いのクレジットカードを登録して手続き完了。
早速デスクトップPC用アプリをインストールした。
まあ、UIは普通かな。
SNSの情報どおり、画面右下にアプリの出力先の設定があったので開いてみると、しっかりとDiretta ASIOの出力先が表示されていた。
ハイレゾを売りにするQobuzのデスクトップ用アプリなら当然実装されていると思っていたが、これで一安心。
現在使っているデスクトップオーディオ環境でQobuzのストリーミングサービスを楽しむことができる。
PC:Window11 Qobuzデスクトップ用アプリ
↓(LAN)
DDC:Diretta Target PC(ASIO)
↓(USB)
DAC:RME ADI-2 DAC
↓(XLR)
Headphone Amp: iFi-audio ZEN CAN Signature 6XX
↓(Balance)
Headphone:SENNHEISER HD6XX
出力先の設定アイコンの隣に、音質を選ぶアイコンがあり
○ハイレゾ:192kHz/24bit上限
○ハイレゾ:96kHz/24bit上限
○CD:44.1kHz/16bit
○MP3:320kbps
の4種類から出力先のデバイスに合わせて選択できるようになっている。
ハイレゾ、CDのファイル形式は表示されていないが、FLACに統一されているはずだ。
もちろん「ハイレゾ:192kHz/24bit上限」を選択して、ストリーミング視聴開始。
■ストリーミングとしては十分な音質
意外とハイレゾ音源が少なく、CDクオリティ音源が多い印象だが、ハイレゾ音源を持っていないアルバムがハイレゾで聴けるのはありがたい。
最初DACのサンプリングレート表示がハイレゾ音源を再生しても、44.1kから変わらなかったが、
しばらく再生を続けると、アプリ上で表示されているサンプリングレートと一致するようになって一安心。
ストリーミングでこの音質で聴けるというのは、Qobuzを待った甲斐があるというもの。
ただ、どうも音の輪郭がにじみ、音像が大きめに感じられる傾向があった。
それで改めてローカルの保存してあるFLACを同じ環境(再生アプリはTuneBrowser)で聴いてみる。
やはり、ハイレゾ、非ハイレゾにかかわらず、ローカルの音源の方がいい。
具体的には、音のピントがぴったり合っている印象で、音の輪郭がはっきりしている。
これは、ブラインドで聴いても分かるレベルだと思う。
PCから下流の環境が全く同じなのに、この差が出るということは、上流の環境というよりは再生アプリの差なのかな。
ROONやAudirvana経由で聴くと違うのかもしれないが、別途料金が必要になってくる。
Audirvanaは試したことがあるが、音も使い勝手もよかったので、一度Audirvana上でQobuzのストリーミングサービスを試してみてもいいかもしれない。
ただ、そこはオーディオマニアのこだわりの範疇で、Qobuz公式アプリで再生しても十分いい音がするので、普通に聴くのには全く問題がない。
週末にサブスクで取り寄せているスペシャリティコーヒーを飲みながら、Qobuzのストリーミングサービスで音楽を楽しむ。
週にアルバム1枚分ぐらい音楽を聴くなら、Qobuzの料金も十分元が取れるだろう。
問題は、昨年のブラックフライデーのセールで勢いで買ってしまったストリーマーWiiM Proをどうするかということだ。
Diretta経由よりも音がいいとは思えないし、PC周りにWiiM Proを置くスペースがないので、予定どおりメインのシステムに組み込んで使ってみることとしよう。