夜の翼

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「10 BABYMETAL LEGENDS」レビュー

2021-11-03 06:52:27 | 音楽




BABYMETALのプロデューサーKOBAMETALの本である。
ここで言うLEGENDとは、BABYMETALのライブの中で「節目」となるライブこと。
その節目のライブについてのプロデューサーの振り返りが記されている。
正直言うとある程度のファン「メイト」ならば、大体知っているようなことがほとんどである。
しかし、とにかく情報が少ないBABYMETAL、あれは結局どうだったのかと気になっていたことについて、
肝腎なことは語らないことで有名なプロデューサーの口からいくつか語られている。

例えば、
○メンバーの活動時間がとれないので、ライブは一点豪華主義にならざるを得なかった。
○いわゆる「ダークサイド」は予定されていた内容だった。
とかは、さもありなんと想像していた範囲内の情報だった。
LEGEND S以前からダークサイドが予定されていたのは、LEGEND Sの神バンドの衣装をみれば明らかであり、
LightSideとDarkSideの2枚組のサードアルバムの構想が先にあっての、ダークサイドターム、その後のライトサイドタームというのはなんとなく想像がついた。
ただ、予想外のことが続き当初の予定していた形とはかなり違ったものになってしまったのだろう。

○東京ドーム2日目は1日目を発表した時点では他の予定で埋まっていたが、キャンセルになって東京ドーム公演2DAYSが実現した。
○LEGEND SではDistortionを初御披露目する予定もあったが結局取りやめた。
などは初耳情報だった。
東京ドームのライブについては、1日限りの単独公演では効率が悪すぎるから、箱は2日間押さえておいた上で、
1日目のチケットの売れ方次第で2日目を追加するのを最初から考えていたのではないかと言われていたが、さにあらず。
キツネの神様がついている。

プロデューサーなのでやりたいことを続けていくためにはビジネスとして成り立つかどうかを特に活動開始当初は意識していたと語られている。
この本の中でBETという言葉が使われているが、ほとんど手持ちの賭け金がない状態で始めたこのプロジェクト。
ある程度順調に進んでいく中で、守りに入らず、増えた賭け金をほとんどBETするような活動を繰り返してきた。
制約だらけだが、失うものもないので、傍目からは無謀としか思えないチャレンジを繰り返し、
結果として、海外での活動が最も成功した日本のミュージシャンの1つとなってしまった。
 
このプロデューサー曰く、重大な局面での選択にあたって、まさにキツネの神様の導きによって「よい選択」となったということがある。
そのひとつが例のMetal Galaxy Tourの幕張公演の時期。
ジャパンツアーとヨーロッパツアーの間、ヨーロッパツアーの壮行会的な形での公演となったが、
ヨーロッパツアーや中止になってしまったアジアツアーの後にMetal Galaxy Tourのファイナルとして、
それこそ20201010に行うという選択肢も十分考えられたところだが、あの時期にやるというアイデアが降りてきたと語られている。
結果として、その後のコロナの拡大から、幕張もその後のヨーロッパツアーもギリギリのところで制限のない形で行うことができていた。
幕張後の感染拡大と行動制限の状況を考えると、あの時期にやっていなければ、あの幕張公演自体ができなかった。
キツネの神様がついている。

KOBAMETALが挙げた幕張のハイライトは自分と同じで、
 1日目:BND
 2日目:Distortion
だった。
特にDistortionは、SU-METALの無言で指ぐるぐるの後の「Screeeeeeeem!」を見て、「今日のライブはもらった」と思ったらしい。
確かに、現場にはいなかったものの、映像で見ただけで鳥肌が立つのだから、当然か。
2日目のアンコール、IDZの紙芝居が流れたときの大歓声を聞いて、してやったり。
ここでIDZが来たらメイトは喜ぶだろうなということだったらしいが、
LEGEND-S以来のIDZをここで持ってくるとは、メイトの希望なんてすっかり見透かされている。
つくづく幕張の2日目に行かなかったことが悔やまれる。

当然2回目の武道館についても触れられているが、ここだけトーンが異なる。
ライブ至上主義のバンドがライブの機会を奪われた、厳しい制限がかけられた、一番は先が見通せないということにつきるのではないだろうか。
可能な限り、できる範囲で最高のものを。
しかし、行間からにじみ出てくるのは、ライブができない、先の予定が立てられないことの諦めにも近い感情。
ライブができず、おそらくあまり望んではいない物販に頼らざるを得ない日々。
コロナのダメージはこちらが思っているより深刻だったようだ。

当初予定されていた「20201010」とは何だったのか。
BABYMETALの10年間を総括するライブだったことは間違いないと思うが、会場は武道館ではなかっただろう。
そもそも、これが2020年の10月10日ことだとすれば、1日だけである。
武道館公演の映像でも感じたが、会場はコロシアムをイメージしたものだったようだ。
やはり、本来行われるはずだった2020年のオリンピック後の新国立競技場だったような気がする。
ちなみに2020年の10月10日は土曜日だった。


<BABYMETALのあした>
何かと物議を醸し出している「封印」について、BABYMETALの場合、今までも半年ぐらい何の音沙汰もないというのは当然のようにあったので驚きもしない。
現在の状況であればなおさらである。今回はコロナで先行きが見えず、ライブ休止期間が長くなりそうアナウンスをしたとことにすぎないだろう。
MOAMETALの世を忍ぶ仮の姿では大学4年で卒業の年に当たるので、そのことも影響しているのかもしれない。

BABYMETALとしてどのようなライブを望むのか?
人数の制限はない方がいい。
モッシュはともかく、マスクありでも声が出せるライブは必須だろうか。
それができるまではライブは「封印」なのかもしれない。

そういうライブができるようになるまでは、4枚目のアルバム作成をしているのだろう。
ライブが可能になったら、会場とメンバー確保。
おそらく何の前触れもなしに、ニューアルバムリリース&ライブ告知ということになるだろうか。
時期は来年4月以降。FOX DAYにこだわるなら4月1日だが、それはコロナの状況次第。
気になるのは今後の体制がどうなるのか。
10年間の総括を行ったということであれば、本当の意味での新体制というのはあるかもしれない。
新メンバー追加で3人体制維持なのか、それとも他の選択肢をとるのか。
それこそOnly The Fox God Knows・・・

以前のように気兼ねなくライブに行ける日が来ることを願って。


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