上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

民間を儲けさせるための辛島公園への「指定管理者制度」導入

2021-06-27 13:18:31 | 熊本市議会
6月議会の予算決算委員会しめくくり質疑では、辛島公園への指定管理者制度導入問題を取り上げました。
最終日には、その問題点を指摘し、条例改正への反対討論を行いました。

壊す必要のない辛島公園の全面改修4億4000万円のムダ、市民が自由に使えない
すべては、民間を設けさせる「指定管理者制度」導入のため

都市公園運用の基本、「自由利用の原則」に反する
今回「有料公園施設」とされている広場や階段は、日常市民が自由に通行し、休息や散歩に利用するなど、都市公園の基本的な構成要素として、市民が広く、自由に利用するためのものです。しかし、「有料公園施設」とし、これまでは許可の対象でなかった営利目的に開放することで、市民が自由に行き来し、休息したりできるような自由利用が制限され、いつでもは利用できなくなります。これは、一般公衆の自由な利用に供することを目的として設置される公共施設の「公共オープンスペース」としての性格を歪め、「自由利用の原則」に反する運用です。
「有料公園施設」による営利使用が基本で、市民の利用が「減免」という例外運用は、本末転倒
今回の条例改正のもとでも、これまでの公園の行為許可申請や占用許可申請というものは残し、市民の利用についてはこれまで通りの運用とするとのことが、予算決算委員会質疑で答弁されました。
しかし、営利使用の利用料が正規使用料となって、市民が使用する場合の使用料が減免規定では、原則は営利使用で、市民の利用は例外的なものとなります。
都市公園法の趣旨に則るならば、原則的な利用が、市民の自由な利用であり、営利目的の使用こそ例外的なものとすべきです。営利目的使用は、同じ中心市街地でも、自由に利用できる位置づけとなっている「街なか広場」の方でできることです。都市公園を民間に丸投げし、営利目的使用に道を開くことが、都市公園の本来の姿ではありません。営利目的に使用し、賑わいを創出というより、一般の市民が日常的に休息や散歩、運動等を行う憩いの空間として利活用してこそ、都市公園法の趣旨に則った、地方自治法にも規定された公の施設として、住民福祉の向上に寄与できるものと考えます。
税金で整備した施設で企業が設ける「指定管理者制度」導入は、「公の施設」都市公園の性格を歪めるもの
指定管理者制度に民間企業が参入してくるメリットは、1円の設備投資もせずに、税金によって整備された施設を活用し、企業が収益を上げる点です。公の施設は、税金で整備されるがゆえに、納税者である市民がお金のあるなしに関わらず、皆が等しく平等に利用できるものでなくてはなりません。税金でつくった施設が企業のお金儲けの道具になること自体が大問題であり、住民福祉の増進とは全く相容れません。今回の条例改正は、都市公園という公の施設の性格を、指定管理者制度導入によって根本から歪めるものです。
壊す必要のなかった辛島公園をことごとく壊し、4億4,000万円もかけて整備するムダづかい
今回の辛島公園整備は、1991年に行われた再整備からちょうど30年、どこも傷んでいなかった石の広場・公園全体をすべて壊し、掘り返し、4億4000万円もの税金が投入されました。「桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント基本計画」に基づきすすめられてきた辛島公園の改修は、シンボルプロムナードを中心としたオープンスペースとして一体的な利活用・運営管理を目指して整備されてきましたが、壊す必要がどこにあったのか、あらためて問われるべき問題です。壊さなくていいものをあえて壊す発想は、市庁舎整備の耐震性能評価に通じるものを感じます。4億4000万円の大きなムダづかいです。
市民への情報提供や説明責任を果たさない、市民不在のまちづくり
都市計画公園である辛島公園に指定管理者制度を導入し民間に管理を委ねることや、「有料公園施設」を設け市民よりも営業目的を基本の運用する管理など、重大な問題が市民に事前の情報提供・説明もなされないまま、市民不在の整備事業が漫然とすすめられてきました。熊本市の中心市街地のど真ん中にある桜町・花畑地区は、熊本市の顔ともいえる場所です。その整備に住民の声や思いが届かないようなすすめ方では、真の街の活性化にはつながりません。市政の主人公は市民です。市民不在のまちづくりではいけません。
辛島公園の歴史や位置づけすらも、ことごとく壊す、全面改修や運用見直し
そもそも辛島公園は、市制百周年記念事業の関連として、周辺環境と調和のとれた活力あるまちづくりの拠点としての再生を目指し、1991年にリフレッシュされたものです。市民文化を生み出すにぎわい交流広場をテーマに、市民に休養、散策、触れ合いの場を提供するものとして、開放的で広がりのある空間としての再整備が行われました。地下が駐車場という地形的な制約を逆に活用、上段、中段、下段の三段構成で多様なイベントにも利用できることや、戦後復興の拠点として平和の象徴・母子像モニュメントを設置、緑の木陰も楽しめる公園として、歴史的な意義を持って整備されたものです。今回の運用見直しは、公園の歴史や位置づけすらも、ことごとくぶち壊しにするものです。
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