上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

「いのちのとりで裁判」熊本地裁判決・・・「生活保護費の減額」は違法!

2022-05-31 15:44:36 | 住民とともに
「いのちのとりで裁判」熊本地裁判決
「生活保護費の減額」は違法
引き下げた保護費は元に戻し、低い保護基準は引上げを!

大阪地裁判決に続く、全国2例目の画期的勝利となった熊本地裁判決
 2013年に行われた「生活保護費」の基準額引き下げは、生存権を保障した憲法25条に違反するとして、県下の生活保護受給者(原告)が熊本市などを「被告」として「引下げ処分の取消」を求め闘われてきました。
生活保護費引き下げ違憲訴訟・「いのちのとりで裁判」は、全国29地裁で闘われていますが、10件目となる熊本地裁判決が、5月25日に言い渡されました。熊本地裁判決は、大阪地裁判決に続く2つ目の勝利判決で、内容も含め画期的なものでした。
裁判に関わった原告・弁護団・支援者のみなさん、お疲れさまでした。
保護費引下げは、裁量権の逸脱・乱用、生活保護法違反
判決内容の要旨は、
①引き下げ判断にあたり、所得が下位10%の世帯の消費実態に生活保護基準額を合わせる「ゆがみ調整」の基礎となる政府のH25年検証の結果を「2分の1」反映させるという点で、厚生労働相が専門的知見に基づく適切な分析・検討を怠っている。
②物価下落に合わせ生活扶助費を減額させる「デフレ調整」に関し、基準部会での検証が行われておらず、厚労相は専門的知見に基づく適切な分析・検証を怠っている。
③厚生労働相による引き下げの過程や手続きは、「裁量権の逸脱または乱用したものと言わざるを得ず、生活保護法に違反し、違法である。
③熊本市などが行った生活保護費引き下げの処分を取り消す。
というものです。
原告の赤裸々な訴えが司法へ届き、勝利判決へ
裁判の過程では、原告による意見陳述が行われ、生活保護受給世帯の暮らしぶりが細かに述べられてきました。
 常々我慢を強いられ、社会とかかわることが制限されるような日々の暮らしは、到底「健康で文化的な生活」と言えません。
報告集会では、原告が「恥ずかしいこともさらけ出したことがいい結果につながった」と話されていました。このような生の声、実態が裁判官に伝わっていったのは間違いありません。
熊本市は「控訴」せず、判決を確定へ
今回の裁判では、機関委任事務として国の保護制度を執行してきた熊本市の保護行政が司法によって断罪されるものとなりました。
今回の判決全文は121ページに及ぶもので、そこには2013年に行われた生活保護費の減額について、その判断を行った過程や判断根拠に大きな誤りがあり、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を侵害するものであることがはっきり示されました。
被告である熊本市は、司法の判断を真摯に受け止め、「控訴」はせず、判決を確定させるべきです。
「憲法25条」の立場で、生活保護費の抜本的拡充を
今回の判決に基づき、国の生活保護基準を2013年の引き下げ前に戻すことはもちろん、熊本市でも削減してきた各種加算を復活し、低すぎる生活保護費は抜本的に引き上げていくべきです。
党市議団としても、生活保護制度改善に引き続き取り組んでいきたいと思います。
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