上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

9月議会が終了・・・・・市政のムダを正し、市民生活最優先の熊本地震復興を求めました

2016-09-27 13:42:50 | 熊本市議会
今回の9月議会は、8月29日に開会し、9月27日の最終日まで約1カ月間開かれました。
主には、熊本地震復興の本格的補正予算と昨年度決算報告が提案されました。

最終日の今日、私は昨年度の決算に対する討論を行いました。
以下は、要点です。

1、桜町再開発への(仮称)「熊本城ホール」整備450億円や花畑広場40億円の無駄遣いの一方で、市民の命や防災の拠点となるべき熊本市民病院の建て替えが白紙撤回されたことで、市民病院はすべての患者を他の病院へ搬送しなければならないほどの大きな損傷を受け、診療機能が失われてしまったこと
2、行財政改革により、職員削減や民間委託がすすめられ、地域のコミュニティセンターが熊本地震発生時に避難所や救護の拠点としての機能が果せなかったこと。昨年度から始まった小学校給食の民間委託もまた、災害時に大量の炊き出しが必要となりながら、場所も人も機能しませんでした。民間委託の問題点が、熊本地震で浮き彫りになりました。
3、さくらカードのICカード化によって、障がい者のお出かけパス券が廃止になり、当事者の方々には財政的負担と、使いにくさの負担を押し付けることになりました。障碍者の優待証については、利用料を「無料」にすべきです。
4、国民健康保険は、大西市長になって、一般会計繰り入れが削減され、赤字が一挙に増えました。昨年度の当年度会計は21億円の赤字、累積収支で43億円の赤字となりました。しかも、加入者には保険料の引き上げを行い、取り立てばかりを厳しくしました。国民健康保険は、制度そのものの矛盾がありますので、一般会計繰り入れを応分に行い、高すぎる保険料の引き下げを実施すべきです。

引き続き、市政のムダを正し、市民の暮らしを守る復興実現に力を尽くしていきます。


【討論の全文です】
議第236号平成27年度「熊本市各会計(公営企業会計を除く)決算について」、賛成できない理由を述べ、反対討論を行います。
 第1に、昨年度も、市政史上最大の箱モノ建設となるMICE施設(仮称)「熊本城ホール」の整備が着々と進められた1年でありました。桜町再開発事業については、国補助を得て建築物等除去費に7億5680万円が助成されました。(仮称)「熊本城ホール」整備については、「保留床価格算定基準検証業務委託」等に1377万円あまりが支出されました。
昨年度、桜町再開発は5月に施行認可され、7月に権利変換計画も認可されました。着々と事業が進んでいるようには見えますが、民間事業であることを理由にその内容は重要な部分がほとんど公開されず、市が補助金・借金の利息まで含めれば450億円を超える負担をするのに、再開発の事業フレームが固まっているのか、ビルの床が埋まる見通しがあるのか、全く不透明で、約300億円の保留床取得金の単価が民間所有部分に比べ3倍も高いのにその積算根拠は示されず、県民百貨店・センタープラザのテナントや従業員が追い出されながら、再開発事業の財政計画に予定されていた補償金65億円が誰に払われたのかもわかりません。700億円を超える工事費は随意契約で、その他の契約まで含め契約情報の公開は極めて不十分です。日本共産党市議団は、厳しい財政の中で、このような大型開発を推進していけば、市の財政がますます息詰まるばかりか、その影響は広範な市民サービスに及び、必ずや市民生活に必要な事業が犠牲になっていくと、議会の度に問題点を指摘してきました。
 桜町再開発と一体的に中心市街地の賑わいを創出する事業として「花畑広場の整備」もすすめられました。2015年度に用地買収が始まった産業文化会館跡地の隣の民間ビル2棟の用地の買収が完了しました。平成26年度に、11億3392万円が執行され、平成27年度に残りの3億8619万円が執行となりました。花畑広場の整備、そのための用地買収は、産業文化会館廃止・解体の是非と合わせて、裁判で争われていますが、決算実績で支出された15億円の民間ビル2棟の用地買収が本当に必要だったのかが、争点になっています。しかも、昨年度末の一般質問で答弁されたように、花畑広場の整備には、今後20億円もの事業費が予定されており、桜町再開発と合わせ、花畑広場も大型開発の一つとして、その整備は今後市の大きな負担になっていくと思われます。
 以上のように、桜町再開発・MICE施設整備、花畑広場整備など、大型開発の無駄遣い推進の一方で、国土交通省が学校と並び耐震化を最優先する施設と位置付けているのが病院施設、熊本市民病院は、耐震強度が不足し、その安全性が厳しく指摘されてきたという経過もあり、建替えは最優先すべきでした。ところが、大西市長の突然の「凍結」表明、さらには建設費の高騰を理由にした「白紙撤回」の表明。しかし、その判断が、今回の熊本地震による被害によって、すべての患者を他の医療機関に搬送しなければならない、本来ならば災害時に公的医療機関として果たすべき役割が果たせなかったという重大な事態を招いてしまいました。熊本地震発災後はもちろん、地震発災の前からも、私共のもとには、「市が450億円以上もつぎ込むMICE施設が本当につくる必要があるのか」と、多額の費用を必要とするMICE整備には、懸念の声が寄せられていました。しかし市長は、市民の声に耳を貸さずMICE推進で突っ走ってきました。限られた財源で、何を優先していくのか、市民の声に沿った判断が必要です。大型開発・無駄な用地買収等を優先し、市民病院建替えは白紙撤回とした市長の責任は、招いた結果を見ても厳しく問われなければならないと思います。
 大地震からの復興が迫られている今、桜町再開発・MICE施設整備、花畑広場整備など、大型開発の無駄遣いはキッパリと止めて、市民の暮らし・住まいの再建こそ最優先で取り組む必要があると考えます。
 第2に、行財政改革推進の下、職員数は削減され、嘱託職員が増え続けてきました。民間委託もすすめられてきました。
昨年度、8カ所のコミセンが新たに設置され、71校区にコミセンが開設されています。しかし、その指定管理の仕様書には、災害発生時にコミセンが地域の公的施設として、災害救助・復旧等に果たす役割が明記されておらず、その結果、今回の熊本地震においても、身近な避難施設、復旧の拠点としての公的役割が十分果たせませんでした。直営であれば、避難所を開設し、そこにいる職員が被災者への対応も様々な形でできたのではないでしょうか。
 また、昨年度から小学校給食の民間委託が始まりました。私は、小学校給食の民間委託が提案された平成26年9月定例会の予算決算委員会で、災害時には小学校が地域の避難所となることから、民間委託で炊き出し等、災害への協力ができるのか伺いました。教育長は、「大規模災害時に小学校給食室を活用した炊き出し等も考えられる。その際には、委託業者と協議の上、炊き出し等への協力を依頼することは可能であると考える」と答えられました。しかし、今回、熊本地震の発生時、指定避難所となっていた小中学校のうち、炊き出しへの協力ができたのは、被害の少なかった数校で、被害も大きく多くの避難者を出し、大規模な炊き出しを必要とした小中学校の給食施設は炊き出しには使われませんでした。もちろん、都市ガスが止まったことも理由の一つにはありますが、民間委託の小学校では、調理員は出勤して来ず、給食のノウハウを生かした炊き出しへの協力はできませんでした。
 民間委託の場合、災害時に市職員がいないために、必要な救護・復旧活動ができにくいという点があります。民間委託先にありきでなく、直営業務も守っていくこと、指定管理の施設においては仕様書に災害への対応について明記していただくことも要望しておきます。
 第3に、さくらカードのICカードへの移行が、大きな福祉の後退を招きました。昨年度末、さくらカードのICカードへの移行の切り替え業務が行われました。収入減額調書では、さくらカード更新手数料が1400万円減額となっており、「おでかけICカードの作成者数が見込みを下回ったため」と書かれています。ICカード化によって、障がい者のパス券が廃止されました。委員会に陳情された方も視覚障害をお持ちで、パス券でなくなったことで、本当に利用しにくいと言われていました。その声は、ほかでもたくさん聞きました。しかも、年間2000円の負担という定額制がなくなり、1割負担の徹底によって、利用者のほとんどが負担増になりました。わずかな障がい者年金や作業所の工賃で、厳しい生活をされている障がい者のみなさんに、パス券廃止は、利用しにくい、負担が重いという2重の負担を求めることになりました。全国的にも、障がい者の公共交通機関の利用負担は、事業者5割です。熊本市の障がい者優待証は、熊本市が運賃の5割を負担しながら利用者負担が1割となっており、障がい者のさくらカードについては、もともとの制度設計をよく検討し、事業者の理解を得ながら障がい者の利用者負担をなくすよう取り組んでいただくことを要望いたします。
第4に、国民健康保険会計では、累積赤字が大幅に増えました。「国保財政健全化10ヵ年計画」は平成26年度に終了し、それまで毎年国保会計の赤字補てん分の繰り入れが毎年20億円以上行われていたものが、平成27年度は一挙に8億円に減額され、単年度収支は21億円もの赤字、累積収支も43億円の赤字となりました。このような財政運用をしながら、政令市で高い方から2番目だった保険料の引き上げが決められました。しかも、平成28年度も赤字補てんの繰り入れは昨年度同様8億円が予定されているので、単年度収支の赤字、累積収支のさらなる悪化が予想されます。市民にはとんでもない高い保険料負担を押し付けながら、赤字は増えるばかりです。また、増えていく累積赤字の下で、保険料の取り立ては厳しさを増しています。毎年、差し押さえの年次実績は増え続けていますが、昨年度初めて、給与や家賃収入までが差し押さえの対象となりました。法に定められた範囲での差し押さえであるとの説明はされましたが、生活の糧となる債権の差し押さえはすべきでないと思います。国民健康保険会計は、平成30年度に県への移管が予定されています。そのとき、本市の赤字は、市が責任をもって解消しなければなりません。国保制度の矛盾を深めていくような一般会計繰り入れの削減はやめ、応分の繰り入れを行い財政の改善に努め、負担の限界を超えた保険料は引き下げるべきであると考えます。
また、国民健康保険の健康事業として行われている「あんま・はり・きゅう助成事業」は、不用額が738万1000円となっています。不用額とするのならば、削減されてきた利用回数を元に戻し、利用しやすい制度へともどすべきと思います。
 以上、昨年度の決算について、特徴的な問題点を述べ、反対討論といたします。


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9月26日「国際核兵器廃絶デー」に参加

2016-09-27 09:14:02 | 住民とともに
9月26日は、国連が提唱した「国際核兵器廃絶デー」でした。
熊本市では、下通入り口(パルコ前)での「核兵器廃絶署名」行動が行われましたので、山部議員とともに参加しました。
被爆者の方々も参加されていました。



地球上から1日も早く核兵器がなくなりますように!
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