金曜の夜だというのにまったくウキウキしません。
寂しいもんです。
大阪では19時くらいに大動脈の地下鉄御堂筋線が人身事故で止まってしまったようです。
ワタシは今は利用していませんが、一番混む路線の一つです。
普通なら、
「仕方ない、いっぱい引っ掛けて時間潰すか」
ってこともできるんでしょうけど、今はそうもいきません。
ようやくこの時間に動き出したようで何よりです。
さて年が変わって旧盤を漁っている、と言いましたが、せっかくなのでこれからジャズを聴こうという人にもオススメな一枚を。
ザ・スリー・サウンズで『Moods』。
- Love for Sale
- Things Ain't What They Used to Be
- On Green Dolphin Street
- Loose Walk
- Li'l Darlin'
- I'm Beginning to See the Light
- Tammy's Breeze
- Sandu
The Three Sounds:
Gene Harris (p)
Andrew Simpkins (b)
Bill Dowdy (ds)
Gene Harris (p)
Andrew Simpkins (b)
Bill Dowdy (ds)
ジャズに触れると絶対触れるのがメジャーレーベル BLUENOTE。
そしてそのBLUENOTEの中でも一番売れて人気が高いのが、いわゆる1500番台と4000番台の約200枚の作品(いくつか欠番があります)。
大体ジャズを聴きたいけど何聴いたら良い?と聞かれたならば、この中から数枚出てくると思います。
この時期アルフレッド・ライオンというBLUENOTEの創設者・名プロデューサーがいて、彼によって多くのジャズマンが日の目を浴びることになります。
そのライオンが聴いたそばからすぐにレコーディングの専属契約したというのがジーン・ハリス率いるザ・スリー・サウンズでした。
彼らは1500番台最後の1600番『Introducing The Three Sounds』をリリースします。
このあと1601番、とはならず(すでにEP盤で使用済み)4001番へと続いていきます。
ザ・スリー・サウンズは4012番、4014番、4020番、4044番、4057番、4072番、4088番を4000番台で残します。
この中の4044番が今回オススメの『Moods』になります。
ザ・スリー・サウンズはスタンダードを中心に演奏していて、あまりこねくり回した演奏はしません。
それゆえ「イージー・リスニング」をジャズファンからも揶揄され、現在はあまり人気はない方だと思います。
しかし決してこの聴き心地の良さを「イージー・リスニング」と片付けるのは良くない。
最初に触れるジャズとしては何より、ジャズを聴き続けて現代ジャズからちょっと離れた時に、彼らのアルバムは実に聴き応えがあるのです。
特に頭3曲ですね。
アルバムタイトルに触発されたような1曲目、2曲目はスローなブルースに仕立て上げられ、3曲目はこの曲をこよなく愛していたビル・エヴァンスよりも軽快でリズミカルに演奏しています。
3、4周目くらいのザ・スリー・サウンズ。
やっぱりワタシは大好きです。
なおザ・スリー・サウンズのアルバムの多くは彼ら3人が仲良く写ったもの。
本作のセクシー美女はアルフレッド・ライオンとこの後66年に結婚するルース・メイソンという女性。
ちなみにルースはライオンの2人目の奥さんで、最初の奥さんはトランペッターのフィル・スタインの妹ロレインと44年に結婚しています。
ロレインはライオンと離婚後、名門ライブハウス ヴィレッジ・ヴァンガードの店主マックス・ゴードンと再婚したそうです。
最後はちょっと大きなお世話情報でした。
まさに聴きごたえがある音楽だと思います。ジャズの様々なエレメントを単純化、再構成、デフォルメし、新しいスタイルを創り上げたジーン・ハリスのセンスに敬意を表します。こういう編集の才こそジャズミュージシャンに求められるべき最も大切なものだと思うのです。
こんばんは。
一聴すると簡易に聴こえるんですよね。
でもそこには技術やセンスに裏打ちされたものがしっかり残っていて決して侮られるような作品ではないと思っています。