SOSの猿
2011-09-22 | 本
今回読んだSOSの猿は、最近の伊坂幸太郎作品の傾向の通り、若干難解な部分もありました。
しかし彼の作品に共通すると言うか、彼自身の思考の原点と思われる「因果応報」。
これが如実に表現された作品だと思います。
心理描写が多く、それが難解さを深めた要素かもしれませんが
「人を衝き動かすのは、その人の意識だが、その背後には巨大な無意識が存在している」
なかなか感じているようで感じられてない一文がストーリー全体をただの西遊記の夢物語とは一線を画すキーワードだと思いました。
主人公の一人である遠藤二郎が救急車のサイレンを聞くと他人のSOSを感じる部分なども共感するところもあり、私自身はすんなり受け入れられた作品でした。
「因果応報」自体、私も深く共鳴して、それがゆえに伊坂作品が好きなのだと思います。
AMAZONの評価では、まー見事に星が一つから五つまで分かれています。
こんなに評価が分かれる作品も珍しいでしょう。
ようやく伊坂WORLDにはまりつつあるうちの奥さんにはまだ読ませない方がいいかな？
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