オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

温室効果ガス排出量25%削減

2009年09月26日 | Weblog

国連総会で鳩山新首相は世界に向かってこう明言した。

 つい先日新内閣が誕生したばかりで、「25%」という数字は何を根拠にどれだけ検討されて出た数字なんだろう。実現不可能な数字を出してもゆくゆくは嘘つきになってしまうし、へんな帳尻合わせをしても本来の目的に反した形でしか実現できない。確かに世界に向かって壮大な目標を掲げて「実現する」と宣言する事にどこも反対する国はないし、世界の温暖化が少しでも改善されるのなら日本以外の国は大賛成だ。しかし一旦宣言した以上、これからこの目標を実現するための困難な道が待ち受けている。そして周囲の国はその結果を注視しているし、当然実現する事への責任が問われる。日本にとっては国際社会への責任問題になる。鳩山新首相はそこらへんのところも十分承知した上での宣言だったのだろうか・・・。

鳩山新首相の発言にちょっと気になる言動がある。

 「温室ガス25%削減を世界に対して“誓った”」と述べていた。「声明」でも「宣言」でもましてや「契約」でもなくとりあえず「誓った」のである。「誓い」とは一方的に自分から言い切ることであり、相互に同意した上で交わされるものではないし、「声明」や「宣言」よりも弱い表現でもある。第三者的に言えば「誓い」は破られるものでもある。本人が守れる自信がなくて約束を破りそうだから世間に向かって時には神に対して固い約束を表明するものである。本来の「誓い」には、違反すれば罰が与えられる事を覚悟するが、今回の「温室ガス25%削減」の誓いには具体的な罰則も見当たらない。鳩山新首相もそのくらいの感覚でこの「誓い」を立てたのだろう。敢えて罰則と言えば、この「誓い」が実現できなかった時、日本は地球温暖化対策に対する国際的な信用を失うことであろうか・・・。

「友愛」を掲げているが、その意味するところは何なのだろう。

 英語に翻訳すると単に friendship であろうが、国際関係において friendship は当然の事であり基本となるものでお互いの関係はこの friendship を基礎にして成り立っている。ここに敢えて「友愛= friendship 」を持ち出してもあまり意味がないように思う。それとも「友愛」という日本語に思い入れがあるのだろうか。同じ様な言葉に「友好」「親善」があり、こちらは goodwill、amity が使われ外交用語としては一般的なようである。「友好」「親善」は相手国を善意の対象として受け入れることであり、これがなければ敵対国として扱わなければならない。結局は鳩山新首相の「友愛」の意味がわからないままである。鳩山新首相は就任演説で「失敗する事もあるだろうが寛容の心で見守ってもらいたい」という趣旨の発言をしていた。新しく誕生した首相の本音としては理解できるが、政治に失敗は絶対許されない。「失敗しました」で責任放棄されるようでは国を滅ぼしてしまう。現実の具体的な政策での正否が問われるし、間違っても現状維持で、後退することは許されない。現実は常に未来へ向かって動いているし、過去には実績としての記録がしっかりと残されるのであるし、残すべきなのである。

「言うは易く行うは難し」という言葉がある。

 まさに民主党の今の立場がそうであろう。これまでは野党の立場で「言う」だけでよかったが、政権与党として「行う」立場になって難しい問題が山積みである。「言う」立場から「行う」立場に環境が変化したのだから、民主党としての主張(マニュフェスト)を見直す必要もあるだろうし、少なくとも具体的なやり方は慎重に検討する必要がある。また、マニュフェストにあるからといって直ちに完全に実行する必要はさらさらない。長期の計画を明らかにして今までの政策との整合を計りながら徐々に変えてゆくのが本来の姿だと思う。一政党が選挙のために作り上げたマニュフェストがどれほどの検討がなされたのかは定かではないが、国の機関を挙げて検討する政策に勝るものとはどう考えても思えない。志を高く持つことに誰も反対する者はいないが、現実の政策は高く掲げた志通りに直ちに実現できないのが通常である。

改革には痛みが伴う。

 無駄をなくして効率化を図ると言うが、無駄として削減され、効率化と称して切り捨てられた部分で機能していた職域で働く人達は仕事を失うことになる。法外な予算をどぶに捨てるごとく消費していた部分を見直すことには賛成だが、単に財源を確保するために無理な効率化を図ると多くのところで摩擦が生じることとなる。長期的かつ段階的な改革であれば摩擦も少ないであろうが、民主党としては来年度予算から画期的な成果を出そうと模索しているようだ。何もかも引っ掻き回して結局は取り返しのつかない状態にならなければいいがと危惧している。是非常識的な総合的に理解が得られる施策をお願いしたいところである。私的には画期的な成果なんか期待していない。現状維持か少しでも前向きに向上すれば十分合格点である。反対に現状維持するのも改善は必要で大変な努力が必要なのである。何もしないで放置したら後退するのは目に見えている。


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