オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

交通事故詐欺もどきのお話。

2009年09月18日 | Weblog

知人が些細な交通事故を起こした。

 相手は自転車。信号のない十字路で一時停止し、左側歩道を遠くから走ってくる自転車を確認して、左折のため前車に引き続いてゆっくりと前進したところ、左側の電柱の蔭から車道側に出てきたその自転車が左前の側方にぶつかってきて、自転車に乗ってた人は、バランスを崩して自転車を右足で支えながらしゃがんだ状態になった。車には自転車のタイヤ跡がついているだけでキズも変形もないし、自転車もほとんど損傷はなかったという。

相手の自転車の人は車から降りた途端、

 開口一番、「免許証は!」と言われ、その次に「あんた!!こっちを見てなかったでしょう」と言われたそうだ。一般人が事故を起こして最初に出る言葉とは思えなかったと知人が感じたそうだ。知人はその場で警察に通報しようとしたが、自転車の相手が先を急いでおり、会社に出勤しなければならないという事で拒否されたので、とにかくお互いの連絡先を確認して、知人は車に自転車を積んで、その人を会社の正門まで送って行ったそうだ。自転車の人は、自転車を降ろすと、何もなかった様に自転車に乗って走り去って出勤したそうである。

その日のうちに知人から相談があり、詳しい事情を話してくれた。

 私は、咄嗟に「これはこじれる可能性がある」と思って、とにかく警察に電話でもいいから事故の報告をするように忠告した。警察は事故を受け付けて、現場検証をするので、相手と日程調整をして結果を報告して下さいと指導された。相手と連絡を取ると、相手は被害者で当然車の方が悪いという言っぷりで、高額の自転車の修理費(新しい自転車が買える位)を要求され、これで決着をつける話を持ちかけてきた。警察の現場検証の話をすると予測と違っていたのか怪訝な様子だったと言う。現場検証の日程は相手の言いなりであったが、とにかく調整はついた。

現場検証では、

 警察は一方的に車が悪いと言う思い込みで進められたが、検証中にたまたま幸運にも目撃者が現れて第三者的な正確な証言が得られ、一方的に車が悪いわけではない事が判明した。最終的には自転車の右側車道通行と、前車に続いて徐行しながら前進している車に突っ込んできた自転車にも責任があるということになった。前車との間を自転車で通過するには無理があるし、何のために突っ込んできたのか解らない。しかも自転車は運転者が自分を見ていなかったことを確認できるほど前方を確認する余裕があったのである。

事故から2週間ほど経った時、

 警察から呼び出しがあった。相手から全治3日の打撲との医者の診断書が届けられたので人身事故扱いになるという。診断書の日付を聞いてみると、事故から12日目である。この打撲が事故の時のものであれば、全治2週間以上の打撲となる。あの状況で全治2週間とはどう考えても納得がいかない。警察に抗議しても、警察は医者の診断書に疑義を挟む事はできないと言う。結局は書類さえ揃っていれば、上申されて、判定は上部の専門の部署でなされるようだが、軽微な事故はほとんどがパターン化されていて、結果は事故の責任の比率を明らかにして決めるだけである。当然交通違反の減点があり、免許取得後25年以上無事故無違反の知人はゴールド免許の資格がなくなる。

知人は自賠責も任意も保険に入っており、保険会社にも詳細の情報を逐一報告している。

 保険屋さんは事故の相手と連絡を取ったが、担当者が要領を得ないのか中間に入って調整するわけでもなく、最終的な結果待ちの状況である。唯一、自転車の相手が整体に行きたいと要求した時「それよりも先に医者の診断を受けてください。」と言ったくらいだそうだ。相手は、結局仕事を理由に診断を伸ばしに伸ばして前述の結果となったのである。また、保険屋さんに自転車の修理費を要求したそうであるが、これは事故判定の結果待ちということで今すぐの修理は了承しなかったそうだ。警察の事故証明の結果は二ヵ月後である。それまで放置するつもりであったのだろうか・・・。

その後暫らく経って、

 保険屋さんから申し入れがあった。保険を使うより相手に修理代を払って示談で済ませたほうが結果的には安くつくというアドバイスであったが、これに対して知人は怒って「何のための保険だ!私は相手にビタ一文払うつもりはないし、相手が争うというなら裁判も辞さないし、最後まで正義を貫く」と主張した。中間に立って保険屋さんが相手と交渉する事には関与しないが、相手と直接交渉することは絶対やりたくないし、もしやるなら正々堂々と責任の所在を裁判沙汰になっても明らかにするとの決意表明だった。この25年以上払い続けた保険が役に立たないなら別の保険会社への変更も検討するとも言い添えた。

そうこうしていると、保険屋さんがあわてて駆けつけて来た。

 担当の若い人ではなく、ベテランの人みたいだったが、長年の上客を失っては元も子もないということなのだろう。そして、保険屋さんは内情を明らかにした。結局は、相手と円満に解決するために金で解決しているのが現状らしい。少々の金額であれば、さっさと払ってしまって交渉を長引かせる事を嫌う傾向にあるし、長引かせると支払いは鼠算的に増えてしまう。そういう意味で、被害者という立場で保険金を要求する側を甘やかしてしまっている現実があるという。今回の件は主張すべきは主張して相手に対して適性に対応しますと言う説明があった。

たとえば、修理費の請求であるが、

 小額であれば自己申告でも保険金を支払っているし、どこかの業者の見積書があればさらに確実に保険金が出る。修理をするしないは本人の勝手で、修理しないでガマンすれば、そっくり現金が手に入る。医者の診断書もそうで、患者に痛いといわれれば医者はそれなりの診断を下さなければならないし、特に打撲や鞭打ちや骨折(実際は骨のひび)などは仔細に検査しても症状を特定できないが、それなりの治療は必要になる(医者も儲けになる)。治療が長ければ長いほど支払われる保険料は増加してゆく。これも困ったものである。

こんな中で、当たり屋が横行する事になるし、

 小遣い稼ぎの素人似非当たり屋も出てくる。普通の人でも交通事故の被害者になったらゴネて保険金を請求したほうが得という風潮がはびこっているようだ。オレオレ詐欺や振り込め詐欺が横行するのも本質的なところでは同じような気がする。金で何でも換算し、金で何でも解決しようとする困った考え方だし、裁判沙汰になる事を避けようとするあまり、真実を曲げて安易に妥協してしまう意思の弱い人間が見えてくる。基本的には正義を貫く意気込みが必要なんだろう。払う必要のない保険金を安易に調査もせずに払ってしまう無駄は、結局多くの人が高い保険金を払わされていることでもある。是非改善してもらいたいものである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安定と混乱の話 | トップ | 温室効果ガス排出量25%削減 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事