tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

旧阪急梅田駅コンコース解体へ

2005年09月14日 00時01分23秒 | 都市論
89年制作の「インディージョーンズ 最後の聖戦」にベルリンで大衆が怒号のもとに本を焼く場面が出てくる。政治的に公序良俗に反すると「勝手に」国家が決め付けた本を焼く、いわゆる焚書である。それをみて、ジョーンズはいう「野蛮な行為」だと。

通るたびに眺めてきた旧阪急梅田駅コンコースがついに阪急百貨店の立て替えで壊されることになった。教会のようなアーチの天井にステンドグラスがはめ込まれている部分が存在し、また別な場所では、鳳凰や虎の壁画が描かれていて、大きなシャンデリアがかかり、それはもう見事なものである。壁面の大理石には貝の化石もあるくらいだ。

こないだから通るたびに写真をとる人がいて、近く壊されるのがわかったが、明日以降閉鎖され、もう二度と拝めないことにショックを受けた。勿論手元にカメラの類はなく、見るだけとなったが、しっかりと見てきた。今日は最終日だから、本当に多くの人が訪れて、写真を撮っていた。本当にこのデザインのよさがわかる人が多いことを実感した

古くて狭くて耐震構造に問題があって、バリアフリーでないからという理由で、重要文化財級の近代建築がどんどん壊されている。もう二度と同じものは建たないし、新しいものが建っても10年から30年くらいで壊す時代だ。地震で倒壊し危なくて使えないというと仕方ないが、阪急百貨店も大阪大空襲で残った建物の一つである。それを簡単に壊すことが、ここ十年よく行われる。

新しく作ったものによさが認められるのならば、こんな愚痴は書かないけど、よくないからなおさら言いたくなる。

長い時間かけて立て替える、これだけでも、その時間の空白は心理的にも非常に大きい。

近代建築を簡単に壊す。やはり野蛮だ。