tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

コンコースの印象(梅田コンコース解体へ)

2005年09月27日 23時40分19秒 | 都市論
1980年代の初頭から、東京にまつわる研究が盛んだ。人はそれを都市論と言うが、それに10年近く遅れて、大阪をフィールドとする都市研究が盛んになってきた。その切り取り方は、東京をフィールドにしたものと少し違うような気がする。
原武史早稲田大学教授は、『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ 1998)の中で、梅田コンコースを次のように取り上げている。

ターミナルの玄関口には、1929年に完成した阪急百貨店がある。その一階部分と二階部分はドーム状の屋根をもち、シャンデリアがいくつもつり下げられた吹き抜けのコンコースとなっており、アルカイックな雰囲気が醸し出されている。このコンコースは、阪急百貨店の完成に合わせて竹中工務店が設計したものであり、それを覆う大ドームの装飾も、百貨店が出来た当時から変わっていない。
さらにこのコンコースは、阪急百貨店と駐車場やオフィスなどが入った複合テナントビル「阪急グランドビル」(阪急32番街)の間に作られた巨大な吹き抜けの通路と一体となっている。そこでは、ヨーロッパの教会を思わせるような四方の壁面をステンドグラスで固めたアーチ状の「グランドドー
ム」をはじめ、駅空間としてはいささか贅沢な意匠を随所に発見することができる。

(ブログ作者注:以下、藤田実「関西私鉄王国私観」からの引用を行っている)

「梅田の阪急百貨店宮殿の一階のコンコースを歩めば、ロココまがいの装飾の時計や壁面のデザインにとりかこまれ、さらにパイプオルガンの音が聞こえて、仰げば柱列の間にステンドグラスが見え隠れする壮麗な王宮付属礼拝堂に迎えられ、(中略)いやがうえにも王朝文化の雰囲気にむせかえる仕組みになっている」とされるゆえんである。


イコン(旧阪急梅田駅コンコース解体へ)

2005年09月27日 00時04分14秒 | 都市論
東ローマ帝国の文化は、ロシアに継承された。
そんな文化の中に、イコンというモザイク画がある。
ちょうど、こんな風な絵だ。

東ローマは、聖像崇拝を禁止した。
絵を描くということは、神に似せて書くからだ。
しかし、神を描くと言うのは、祝祭空間を作り上げることになる。

空間を満たすものは、絵だけではなかったはずだ。