tyokutaka

タイトルは、私の名前の音読みで、小さい頃、ある方が見事に間違って発音したところからいただきました。

隣の大国の勉強

2005年05月09日 22時00分17秒 | Weblog
あす、中国貿易の関係者と会う約束があって、その前に中国の現状について調べてみた。あまり、いい情報はない。いや、情報の質について云々しているのではない。(方法が悪いとか、分析方法が悪いとかの意味である)。むしろそこから見えてくる中国という国の様子があまりよくないように見えてくるのだ。

たしかに、私は大学で、主にヨーロッパを中心に研究してきた人間だから、そこから物を見ていることは否めない。そうしたヨーロッパの国々は高い失業率とか、低い経済成長とかいうけど、日本がこんな調子だから、まだ、そちらの方がなじめる。つまり高い経済成長を根底に置きながら、バブル期のような日本のようにイケイケの状況よりも、今日明日で景気が回復する訳ではない、あーまったりという国の方が落ち着けるのである。それゆえ、「中国は熱いですよ」とか、「パワーを感じます。」「可能性があります。」とかいって、高く評価し、すすんで仕事の場を求める人々を「ああ、そういう場もあるんだな」くらいにしか見えなかった。

さて、何がよくないのかと言うと、政府の情報機関が完全にインターネットを監視の対象にしているということである。早い話が、インターネットはあっても、発信できる情報が限られるというような状況らしい。思想の統制は激しく、個人のメールまで監視の対象となり、民主化運動、法輪功などのキーワードがあると、削除され、その人物が監視の対象になる。驚いたのは誰がどんなページを見たのかまで国家が把握するというシステムが出来ていること。またプロバイダーは9軒しかないらしい。外国のホームページを閲覧するには、国家公安機関の運営するプロバイダーしか通せないらしい。ただし、規制の対象となるもののなかに、反日運動が入っていないらしい。だから、あれほど広まったのだ。ちなみに、運動の大きさを見て、いかにも若い人はみんなインターネットを持っているように見えたが、そうでもなく、30歳未満の男性に中心があるみたいだ。すなわち、大学生が主体となる。中国の大学に通う学生はエリート層である。日本ほど大学に入るのが容易ではなく、定員も限られている。そこから漏れた人々が日本やアメリカの大学に入学する例も多い。つまり、優秀な人間は勿論、そうでない人も留学するのである。

もう一つ。

中国の今の経済成長はバブルである。これはみんなが知っている。みんなが知っているということは、ボチボチ危ないのではないかという意見もあって、最近の日系企業は進出が及び腰になりつつあるという。対米輸出の黒字が大きく、圧力がかかって、経済政策が行われる可能性が大きいのだが、下手に行うと日本のプラザ合意の後のように大混乱がおこる可能性があると言われていたが、最近では、どんなことを行っても危ないと言われているらしい。そのため、ほとんど経済政策らしいことは行われていないと書いてあった。
しかし、政府不干渉のまま進んでも最後には不況が訪れるらしい。今の好景気は2008年くらいまでとか、2010年くらいとか言っている。
ある側面で、日本から直接アメリカなどへ輸出すると問題になるから、日系企業が中国に工場を作って、日本の技術を中国製としてアメリカに輸出している部分もあるという。だとすると、隣の大国の経済が破綻すれば、また一部日本の不況が進むかも知れない。一部というのは、日系企業が進出に慎重になっているからだ。その方がまだ良いのかも知れない。新しい意味での植民地を作ったところで、最終的には良いことなんかないから。

物事を大局的に見るとあまり良いものが見えてこない。
私が会った中国人は良い人たちが多かったのだけど。