【台湾/日本 鶏めし味くらべ】(姫路駅)
2022.10.11投稿
2019年(平成31年)1月19日
京王百貨店新宿店「第54回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」で購入
価格980円
[製造元]まねき食品(株)
台湾北部有数の観光地、九份にある有名なお茶屋さん『阿妹茶樓(あめおちゃ)』の写真と、姫路にある国宝『姫路城』の写真が載った掛紙(スリーブ)です。
二つに仕切られた左は台湾。御飯の上に鶏排骨(パイク―)風鶏の唐揚げ煮が載り、味付煮玉子と高菜が添えられています。
右は日本。御飯の上に鶏もも肉の照焼と錦糸玉子が載り、シシトウの素揚げとパプリカ煮が添えられています。
御飯はまねき食品定番の「えきそば」の出汁で炊いた「だし飯」。鶏そぼろと刻み焼き海苔が散らしてあります。
広告には「輸送」「台湾/台湾鐵路/台北駅」とありますが、台北駅の駅弁ではありません。姫路駅の駅弁屋さん「まねき食品」が製造した弁当を姫路から輸送したものです。
まねき食品は、2017年(平成29年)10月に台北駅で駅弁の販売を開始しました。正確には台北駅ビルのいわゆるエキナカに、掛紙(スリーブ)の写真のような弁当店「招來日日便當(駅弁まねき)」を出店したそうです。
これは、日本の駅弁業者海外進出第1号です。
御飯が隠れるようにおかずをのせた駅弁は、いかにも台湾風といったところです。
排骨とは、中国語で豚などのスペアリブの意味で、豚のあばら肉に卵と小麦粉の衣をつけて油で揚げた中華の肉料理を指すそうです。
「鶏排骨(パイク―)風」は、香辛料(おそらく八角)が効いた、鶏肉の唐揚げ煮です。
本物の台湾の駅弁を食べたことがないのでなんとも言えませんが、本場台湾の料理人が手掛けた鶏排骨風とあって、日本ではなかなか味わうことが出来ない駅弁のように感じました。
この駅弁は、2018年(平成30年)年9月から東京駅で先行発売し、今回購入した京王百貨店新宿店「第54回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」で実演販売。その後、姫路駅で売られるようになったらしいのですが、すでに終売のようです。
なお、この駅弁は台湾では販売されなかったようです。
製造元のまねき食品は、1888年(明治21年)創業で、店名を「まねき」としたのはお客様を「おまねきする」と言う意味に由来するそうです。
翌1889年(明治22年)には姫路駅構内で我国で最初に経木の折箱に入れた「幕ノ内弁当」とお茶の販売を開始しています。
当時の『幕の内辨當』の写真が、公式ホームページで紹介されています。
そして、1949年(昭和24年)には、姫路駅ホームで和風だしに、かんすい入りの中華麺を合わせた『えきそば』の販売を開始し、現在に至っています。
誕生秘話として、公式ホームページで次のように紹介されています。
戦後、最も簡単に、しかも大した機械設備もなしに出来る物として、姫路駅で麺類を販売しようと計画しましたが、当時小麦粉は統制品で手に入りにくい為、統制品ではない”こんにゃく”に目をつけそば粉とこんにゃく粉を混ぜて、うどんの様なものを作り、和風だしでうどんの様なものを試作し販売致しました。
しかし、その後うどんは時間がたつとのびて美味しくないのと、腐敗が早く長持ちさせるにはと考えた末、うどんをあきらめ度々の試作の結果、かんすいを入れた黄色いラーメンにたどり着き、当社独自でその製造にのりだし、黄色いそばに和風だしという一見ミスマッチの商品が生まれました。
これが”えきそば”の誕生です。