サイケデリック・ペンタトニック!?

カリメロレコード(架空)の店主の何でもござれの日々の音楽コラム

1969年のエイプリルフール

2005年04月02日 02時37分51秒 | 邦楽
1969年の日本のロックの名盤。
『エイプリルフール』の同名タイトルにして唯一のアルバム。
メンバーは、小坂忠(Vo)菊池英二(g)細野晴臣(b)松本隆(Dr)柳田ヒロ(Ky)
の五人組み。
細野氏と松本氏の二人がいることで、
あの「はっぴいえんど」の前身バンドだとお気付きの方もいるだろう。
そしてメディアも大概がはっぴいえんどの前身扱いである。

しかしそれは大間違い。
むしろ取り上げるなら、日本のロックの分岐点として捉えるべきだ。
後に開花する日本語詩はまだまだ芽生えたばかりの松本氏
(このアルバムのほとんどが英詩)。
まだまだ下手っぴな細野氏と二人のはっぴいえんど組みに対し、
柳田ヒロは、エイプリルフール後はニューロックの旗手として大活躍。
小坂忠は演劇「ヘアー」に出演後フォージョーハーフを結成、
そしてalfaの新興マッシュルームレーベルから傑作ソロ三作を出した後、
大名盤「ほうろう」を発表と、
このエイプリルフールは正に分岐点の役割をしていると言えよう。
(どなたかその後の菊池氏について知っている方がいらっしゃいましたら、
 ご一報下さい。)

更にそれだけではなく内容もいい。
当時アメリカの音楽雑誌にも紹介された(名前失念・・・)というサウンドは、
正に1969年!ファズギターとハモンドオルガンが狂ったように交差する
どろどろのニューロック!ジャケットのようにひたすら暗い感じがするのだけど、
これからの未知なる未来に向かう気概のようなものも感じられる。
細野氏と柳田氏との音楽的相違によってもろくも解散してしまうのだが、
このアルバム制作時には奇跡的にあやうくもバランスのとれた音となっている。
今となっては古い感じもするサウンドコラージュなどもあるのだが、
ブルース一つとっても12小節では簡単に終わらないなど、
何か新しいことをやってやるという実験精神にあふれている。

日本のロックってあんまり・・・という方もいるかと思うが、
これは一度聞いてみて欲しい。

ちなみにこのジャケットは、若き日のアラーキーによるもの。
ここにも未来と格闘する若者の姿があった。

ジャケ、中身とも素晴らしい名盤である。

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2 コメント

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しゅうきちさんへ (Matsuoka)
2005-04-03 11:35:12
もちろんいいですよ!トラバ大歓迎です!

自分でもエイプリルフールで検索したら、

膨大な量がひっかかって自分のまでたどりつけませんでした・・・わざわざコメントありがとうございます!
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Unknown (しゅうきち)
2005-04-03 08:29:20
初めまして。

エイプリルフールで検索したら辿り着きました。後ほどトラバさせて頂きたいのですが、よろしいでしょうか?
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