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新温泉町浜坂にある日本キリスト教団浜坂教会の
牧師日記

「霊と真理をもって礼拝していた」

2015年01月29日 | 聖書のお話

「霊と真理をもって礼拝していた」 ヨハネによる福音書 4章16~26節

 人は、自分が経験した以外のことを想像することがなかなかできない存在ではないかと思います。そんな人間の欠点を補うことができるのが、「出会い」というものではないでしょうか。イエスさまは、サマリアの女性に「あなたの夫を呼んできなさい。」と言いました。彼女は、「私には夫はいません。」と答えました。イエスさまは、「その通り。あなたには5人の夫がいたが、今連れ添っているのは夫ではない。」と言いました。

 夫とは「男性」のことを指すとすれば、今連れ添っているのが夫でないとしたら「女性」であると考えることもできます。そのことは、異性愛を想像することしかできない人にとっては、想像さえできないことであるのかもしれません。そのために、拒絶し、憎悪するといった反応を起こす人さえいます。けれども、近年では、それが性同一性障害であることが分かり、違いを認め、ありのまま受け入れ合うことが大切であると理解されるようになってきました。

 サマリアの女性は、自分が礼拝する場所がどこにもないことを訴えているように思います。イエスさまは、彼女の訴えに「この山でもエルサレムでもないところで、霊と真理をもって礼拝する時が来る。今がその時である。」と答えました。霊とは言葉、真理とは神さまを求める信仰のことです。すなわち、国や民族が違っても、様々な思いが異なっていても、互いが言葉を交わし、互いが神さまを求めようとする信仰をもって共に礼拝することが大切なのであり、場所が問題ではないと教えられているのではないでしょうか。「出会い」によって違いに気づかされ、対立を乗り越えて、「今」を共に生きることができるように、自らの有り様を捉え直しつつ歩む一人ひとりでありたいと思います。

 

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