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国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

灰溶融休廃止(つづき)

2011年01月12日 | 廃棄物政策
 中日の記者が灰溶融炉休廃止の電話取材を続けている。今日までの連絡によると、まず小牧岩倉衛生組合(愛知県小牧市・岩倉市)が2006年4月に休止していたという。焼却炉本体のメーカーは三菱重工で、稼働は1996年。灰溶融炉は「飛灰も含めた混合灰の溶融に最も適したプラント」ということで国際企業ABBアルストム・パワーなるメーカーの製品を導入していた。「補助金の問題は大丈夫か」と記者が尋ねたら「10年経過した後の休止なので大丈夫」と答えたという。休止の理由は、①年数、②ランニングコストということだったが、2001年8月31日、ここの灰溶融炉はすでに重大事故を起こしていた。すなわち2号炉前壁の目地からスラグが大量流出し、それが炉の床に山のように積もったという事故である。
 埼玉県狭山市も2002年4月から休止しており、焼却灰・飛灰とも太平洋セメント埼玉工場(日高市)へ運んでいた。
 高知市の清掃工場も灰をセメント原料にするとの方針転換をした。ここも2006年4月、「炉の底に直径10センチほどの穴が開き、スラグがプラントの床、約40平方メートルにわたって流出」という事故を起こしている。
 湖北広域行政事務センターの灰溶融炉も2003年1月から休止。補助金返還とかそういう問題はないのかと記者が尋ねたら、「休止で届けてありますから」という答えだった。実質は廃止だが、休止と届ければ(補助金を)返還しなくてもいい。「こんな事情だから昨年、環境省が廃止の条件を列挙した通知を送ったのだなと合点がいきます」と記者は付け加えた。
 今日(13日)多分中日は記事にしているはず。東京新聞にも同じものが載ると思う。これからも以上のような(休廃止の)ケースが増得ることだろうが、哀しいのは国の方針が出なければどんなにべらぼうなコスト高や事故の頻発に泣かされようが、自分で(止めようという)判断ができない自治体ばかりだということである。

 注)記事は今日(13日)原稿締め切り、新聞に載るのは17日(月)という訂正メールが入った。

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