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国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

政治音痴と政権亡者が自民党を復活させた

2013年02月21日 | その他
◆慇懃無礼な安倍自民党
 かつて平静な気分で見ていられた国会中継も、昨今はまるで気が重い。ダイジェストが得意のニュース番組で漫然と動きを知るだけである。
 昨朝の「みのもんた・朝ズバッ」では一昨日(19日)の参議院予算委員会をとりあげており、その中で「昨年民主党がつくった本予算より自民党がつくった補正予算の方が数十倍から数百倍多い」という不思議な話を紹介していた。
 たとえば文部科学省の情報通信関連で、ある項目が5,800万円が500億円になった。民主党の委員がその事実を追及しても自民党側は慇懃無礼に「情報のセキュリティ保護のためでして」などと、いわば鼻でせせら笑っていた。しかし我々国民はその光景に怒りを覚えるどころか、ひたすら白けるだけだった。
 ほかの事案でもダルいことおびただしい。たとえば自民の山田俊男委員がTPP問題で質問した。「聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対するという党の基本方針を守ってほしい」。これに対し安倍晋三首相は「重く受け止めている。国益にかなう最善の道を求める」などと毒にもクスリにもならぬ答弁。TPP問題では自民党も野党並みに揉めている。それでは民主党のように「あわや分裂」かといえば、したたかなこの党はそうならない。政権党で居られることの有難味が心底身に沁みているからである。
 さて19日の予算委員会だが、生活の党・森ゆうこ委員が次のように質問した。「野田前政権は原発事故の収束宣言を出した。政府は収束宣言を撤回するのか」。これに対し、茂木敏充経済産業大臣は木で鼻を括ったように「撤回については前の政権に聞いてください」。委員の間から軽く失笑が漏れた。これじゃ少々ヤバいと思ったのか、安倍首相は次のように補足した。「とても収束といえる状況ではないというのが我々の認識です」。
 民主党が政権をとる前夜は「虫唾が走るような感じ」の自民党だったが、こうも圧勝されてしまうと「どうにでもしてくれ」と不貞腐れするしかない。株価とともに安倍内閣の支持率はいまだ上昇中なのである。なぜ我々は「出口なし」の煉獄に押し込められたのか。

◆あらためて民主党のバカさ加減
 むろん自民党だって大手を振って大勝したといえた義理ではない。再三いわれてきたことだが、第四十六回衆院選は2012年12月17日午前、開票作業が終了。小選挙区(定数300)と比例代表(定数180)の計481議席が確定した。だが自民党の小選挙区全体の得票率は43%程度だったにもかかわらず、獲得議席は237と全議席の79%を占めた。4割の得票率で8割の議席――。いまも語り継がれる小選挙区制のマジックである。それだけでなく、自民党にはいくつもの負い目があった。
 ①まずかなりの選挙区で公明党にゲタをはかせてもらっていること。それがなければ自民党の落選者は劇的に増えた筈である。②第二に民主党代表の野田佳彦が段階的消費税アップを打ち出したこと。消費増税はいまだ自民党のトラウマである。すなわち1997年4月、橋本龍太郎首相の下で消費税が3%から5%に上がった。これが響いて1998年7月の参院選で大敗する。その後の12年間、自民党ににとって消費税率アップは憲法改正よりも大きなタブーになった。それなのに野田が「決める政治」とか意気がってこのダーティな難題を肩代わりしてくれたのである。③本来なら野田政権は補正予算を組むなり、景気を向上させてから消費税論議に持ち込むべきだった。 これ以上自らの傷を大きくせず、真に国民生活に配慮するなら解散はその見極めがついてからでいい。むしろ自民党の古傷をえぐる形に持ち込むべきだった。
 だが政治的に未熟な野田は千両役者を気取ったものか、11月の党首会談で突如解散を匂わせたのである。自民党側もしばらく信じられず、政治評論家などに聞いて回ったという。後日明らかになったことだが、「維新の会の調整が整わないうちに解散した方が有利」などと藤村官房長官がいくつかの新聞にしゃべったのだという。こうして政治的に音痴なバカどもがまず小沢一郎を潰し、自民党が大勝しないことを前提に、解散を持参金代わりに自民党に身売りを図ったということだ。藤村、岡田克也、前原誠司などはもともと「自民党より自民党な」人物だったのである。そんな連中に一時でも機体をかけた我々も大バカだった。 

◆野田佳彦という稀代の小悪党
 予想外の惨敗を喫した民主党は2月18日の役員会で、衆院選総括案と党綱領案を了承した。地方の意見などを聴取した上で最終案を24日の党大会に示すというが、彼らは何をどう反省したのか。2月19日付の毎日新聞朝刊は次のように伝えている。
 「衆院選総括では当初案にあった厳しい表現が後退。野田佳彦前首相と小沢一郎元代表を名指しした部分は削られた。党内からは『世の中は民主党に厳しいのに、表現を和らげるのは逆だ』(閣僚経験者)との批判も出ている。当初案では野田氏について「首相は衆院の解散時期を見誤った」、「首相を前面に出す選挙は間違いだった」と批判。小沢氏に関しても「政治資金規正法違反事案は冤罪(えんざい)だったが、党のイメージを損なった」などと総括していた。13日から3日連続で開いた党改革創生本部総会では「よく厳しく書いてくれた」と評価する声もあったが、「固有名詞を挙げるべきではない」との意見が多く、「客観的な事実として書き改める」(馬淵澄夫幹事長代理)ことになった」。
 結局、野田氏の解散判断については「時期は多くの国会議員にとって納得できないものだった」と名指しを避け、小沢氏に関しても『党幹部の政治とカネの問題は党のイメージを大きく損ねた』と修正した」。
 アホか。こんな緊張感のない言い訳を繰り返している限り、民主党が二度と政治的に浮上することはない。議員を商売にしている民主党という集団がジリ貧になるのは勝手だが、安倍自民党は円安株高を背景に参院選に勝利したら憲法の改悪、軍隊を持てる国を目指す腹なのだ。日銀を脅してハイパーインフレを起こし、大企業を優遇して格差の拡大を図る。 そうした右翼回帰をどこかで食い止めてくれる防波堤を我々は必要としているのに、結局同じ穴のムジナだったのか。
 では国民の声に応え得る「真っ当な野党」になるために民主党は何をなすべきか。それにはまず野田佳彦という稀代のワルを国民の前に引きずり出し、彼の罪状を明らかにして議員辞職に追い込む以外にない。むろん彼を党首に担ぎ出し、昨年秋、自爆解散のシナリオをつくりあげた前記の小悪党どもも同罪である。さらに原発事故による放射性物質が流出したのに「さしあたり健康に影響はない」とのデマを流し続けた枝野某やその他の幹部も辞職ものである。
 繰り返すが、民主党員のためではない。日本の政治をまともな道に立ち戻すための荒療治がどうしても必要なのだ。民主党がこんな体たらくになった理由がもう一つある。北川正恭(元三重県知事)の口車にのって2009年、出来もしないマニフェストなんかつくりあげたところに間違いの根っこがあったのだ。                               未完
 
 
  

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