循環型社会って何!

国の廃棄物政策やごみ処理新技術の危うさを考えるブログ-津川敬

“関係者”の卑劣

2010年01月16日 | その他
◆去年3月の悪夢
「民主党の小沢幹事長の資金管理団体『陸山会』の土地購入問題を巡る政治資金規正法違反事件で、小沢氏の秘書だった石川知裕衆院議員が東京地検特捜部に逮捕され、鳩山政権は発足以来、最大の危機を迎えた」(biglobeニュース)。
 本日1月16日付の新聞各紙はここを先途と“小沢事件”を書きまくっている。
状況は再び去年3月に似通ってきた。小沢の第一公設秘書・大久保隆規の逮捕で小沢のイメージがガタ落ちになり、当時、民主党の支持率も急落した。
 これに勢いづいたのが自民党である。これなら麻生でいける(衆議院選挙に勝てる)と踏んだようだが、本人がグズグズしている間に小沢が代表を辞め、鳩山に代わった途端、民主党が息を吹き返した。その後の自民党はやることなすこと裏目つづきで8月末の歴史的大惨敗を迎える。
 そして今回、ことの成り行きは去年3月と似ているが、大きく違うのは鳩山首相の人気もガタ落ちになっていることである。こうなると民主党内の反小沢グループも手を貸しているのかと勘ぐりたくなる。現に前原たちが「小沢の説明責任を」といい出し、かつての盟友(といわれている)渡部恒三も「政治家らしい堂々たる決断を」と暗に退陣を示唆している。

◆関係者とは誰か
 この事態に狂喜乱舞しているのは自民党に連なる旧勢力である。さらに検察を頂点とする霞が関の官僚たち、そして多年にわたる自民党の庇護の下に甘い汁を吸ってきたマスコミである。産経、読売はむろんのこと、各紙とも紙面の4~5ページを使って「悪党小沢」のイメージづくりに狂奔し、リベラルとみられていたテレビコメンテーターたちも一斉に腰が引けはじめた。体制の中で最もまともな意見の持ち主とみられていた寺島実郎氏も一般論で逃げる始末だ(よみうりテレビ「ウィーク」)。「自民も民主も体質は同じだが、今回は都市型中間層の願いが政権交代をもたらした」(寺島)。
 だが新聞・テレビとも報道素材は検察(地検特捜部)からのリーク情報である。だったら何故そう書かないのか。NHKまでも「関係者の話によれば~」などとアナウンスしている。関係者とはいったい誰なのか。公共報道を名乗るならそれを明らかにすべきであろう。
立件するまでは公式発表しなくともいいというしきたりをいいことに検察は「ヤリ得」を続けてきた。
 もうひとつ新聞記者が記事をつくる場合、最低のルールは「裏どりがキチンととれているかどうか」だが、この件に関してはまったくそれがない。本人に当るしか手はないからだ。そこで「関係者の話」で流してしまう。モラルもへったくれもあったもんじゃない。
 だいいち検察といえど立派な公務員だろう。あることないことリークして「ダーティな虚像・小沢」づくりに加担している。これも立派な国家公務員法違反じゃないのか。

◆政治不信がこわい
 しかも地検のネタ元になっているのは昨年7月まで逮捕された石川知裕議員の施設秘書をしていた金沢敬という不動産屋だという。「金沢氏は秘書を辞めた直後から地検にネタを持ち込んでいた」(日刊ゲンダイ1月16日付)。
 この男は1月14日に開かれた自民党の勉強会にも呼ばれ、「石川議員が西松建設や鹿島の幹部の名刺を処分していた」とか「証拠隠しは小沢の指示と聞いた」などと暴露したという。日刊ゲンダイによれば「仕えた親分を裏切るのはよほどのこと、てっきり正義感の持ち主かと思ったら私憤私恨も理由」らしい。
 金沢の証言によって特捜部は小沢事務所などの家宅捜索になったという。「金沢氏が石川議員の施設秘書をしていたのは08年9月から09年7月までの1年間。もともと政治に興味があり、参議院議員の公認が欲しかった、という。しかしそれが不調におわり、石川議員を逆恨みした。この一件で石川議員を裏切り、地検に駆け込んだ、という経緯だ」(前出日刊ゲンダイ)。 石川議員に人を見る目がなかったともいえる。
 我々は自民党一党支配の閉塞状況を変えてほしいと民主党に一票を投じた。「脱官僚」も「国民の生活建て直し」もようやく緒についたばかりである。こわいのは自民も民主もダメという政治不信が蔓延することだ。

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