今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・榛名の山(鷹ノ巣山、音羽山、鐘撞山、種山)

2011年12月29日 | 山登りの記録 2011

平成23年12月25日(日)
鷹ノ巣山956m、音羽山1,014.7m、鐘撞山839m、種山909.2m

 いよいよ今年も終わりに近づいてきた。今回の山が最後か?まだあと一回くらい登れるだろうか。クリスマス寒波の襲来とかで、日本海側はおろか太平洋側でも積雪があるという。長期予報の暖冬予想もむなしく、年も明けないうちからこの寒さ、登れる山も限られてきた。前回、前々回と低山にシフトしているが、この様な状況では、『本気モードで冬山』の気合も入らず、雪を避けた低山巡りを今回も…。

 こういった時のお気軽山は、榛名だろう。榛名山にはあまたのピークがあり、その数は上毛三山の両雄である赤城山を遥かに凌駕している。榛名は四重複式カルデラ火山という非常に珍しい火山で、幾重にもカルデラがあることから、この様にピークも多数存在する。世界的にも珍しい火山であるということだ。随分登っているつもりでも、まだ未登のピークがあるのだった。今回、その未登の4山(鷹ノ巣山・音羽山・鐘撞山・種山)を計画したが、これで全て登った訳ではなく、地図を見ると、最早、山とも呼べないかも?という感じながら、『物聞山』『上ノ山』『鷲ノ巣』『高根』『琴平山』『吾妻山』という名前が残っているのだった。これを全部登れば完登なのだろうか。まだ、出てきそうだ、三角点があってそれなりのピークに名前の記載が無いものが幾つもあり、これらのピークにも、もしかしたら名前が有るのかも?別にどうでも良いことだけど…ね。

 クリスマスイブの夜、ケーキを食べてから家を出た。深々と冷え込む夜だった。伊香保から榛名に上り、まず最初に登ろうと思っている鷹ノ巣山の登山口ヘ向かう。松之沢峠から旧箕郷に下る道の途中、ガラメキ温泉跡や黒岩へ向かう林道の入口だ。しかし、この林道は入口から通行止めで入れず、狭隘な道路の周辺には車を停めて仮眠するような適当なスペースも無い。仕方なく、しばらく箕郷方面に下って道路が複線になっている所に停めて仮眠する支度をしていたら、お馬鹿な連中がヘアピンカーブをブーブー行ったり来たりして、遊んでいる。とても仮眠できる様な所ではなかった。前に榛名に来た時の記録にも書いたが、榛名周辺はこういったお馬鹿者連中の集まる所になっているらしく、本当に腹が立つ。

 結局、この時期は道路が凍結しているから、幾らなんでもそういった連中はやってこない、榛名湖近くの駐車場まで再び上って仮眠した。車外の温度は-6℃で充分に冷え込んでいる。山の北側は雪も斑に残るが、榛名山全体としては、ほぼ積雪も無いようだった。パンを食べて、支度を済ませ、鷹ノ巣山登山口の黒岩分岐まで降りる。林道入口は車止めがある。その脇の杉の木の隙間に、やっと一台車を停められるスペースがあったので、そこに車を停めて、7時27分に林道に入る。

 黒岩は朝日を浴びてそこにそそり立っていた。この時、大きな間違いをした。黒岩の右手に見える山を鷹ノ巣山だと思い込んでいたのだ。うわー、あんなに高いのか…。そんなはずは無い、この山は後で気づいたのだが、相馬山なのだった。そんな訳で、林道を道なりに進みながら、地図とGPSを頼りに何処からそこに登ろうか、と探りながら歩いていた。鷹ノ巣山には道は無い。とは言っても、林道の最も近い所からわずかに直線で300m程しかないので、道なんか無くても楽勝と思っていたのだが…。この山は南面に岩壁を擁している。それは地図でも分かる岩記号が書かれていた。しばらく林道を下り気味に歩いて、もう背後に黒岩は遠くなってきた。既に鷹ノ巣山の直ぐ下を歩いていたのだった。林道からは直ぐ上にある鷹ノ巣山は杉林で見ることができない。そのまま南に回りこむと、確かに南面は岩壁で登れない。途中にもそれらしい踏跡は確認できなかった。

 どこから登れば良いのか。一箇所、鷹ノ巣山の鞍部附近の真下に当たる辺りの林道で、山側を限るネットフェンスに青いビニールテープが幾つか付いていたのが気になった。しかし、それは林業関係者の伐採か何かの目印だと思った。そこにはフェンスを乗り越えた崖状ののり面の上にも同じテープがあるのを見たが、この時は登り口とは考えなかった(実際は、ここが登り口だった)。一度林道を先まで進んで、南面の岩壁を確認してから、登り口を見つけられずに引き返した。黒岩との中間地点を流れる堰堤の見える沢沿いに作業道の道形を見つけた。ここから相馬山から下っている稜線に登り上げ、南に鷹ノ巣山まで稜線伝いに行こうと考えた。

 棘の木が多い沢沿いの道は、幾らも歩かないで堰堤にぶつかって消失した。仕方なく、そこから獣道を拾って東に細かい沢を二つ渡り、藪をこぎながらどうにか相馬山から南下する尾根に登り上げた。稜線は、すっかり葉を落とした雑木に、落ち葉のじゅうたんの上をどこでも歩ける気持ちの良いプロムナードだった。そこから逆光に見える小ピークを、二つばかり超えた先にある小山が鷹ノ巣山の様だ。幸い道こそ無いが藪も薄く、稜線沿いは全く問題なく歩ける。空は抜けるほど青く、風は強くはないが、空気は冷たく、手袋を少しでも外すと指先がかじかむほど寒かった。風が吹くと顔が痛く感じた。

 一旦、杉の薄暗い沢に急降下し、岩の多い足元の危なっかしい急斜面を強引に登り上げると、低木の藪をかき分けて頂上部に出た。西にちょっと進むと、そこにGさんの『鷹ノ巣山954m』のプレートが木にぶら下がっていた。鷹ノ巣山山頂に9時6分着。随分大回りをして、無駄に歩いてきたので林道入口からナント1時間半も掛かってしまった。

 鷹ノ巣山頂は低木に覆われていて眺めは無い。Gさん名板の反対側にすかいさんの山名板もあった。Gさんのにある954mは間違いで、この山の標高は地図によれば956mで、すかいさんのには956mとあった。西に踏跡があったので、少し先に行くと木々の切れ間から黒岩と三峰山が見える。しかし、眺めはそのくらいで、みかんを一つ食べて、また登ってきた急な斜面を慎重に下った。鞍部に降りて、そこに例の青テープが枯れ沢沿いに付いているので、そのまま杉林と雑木の枯れ沢を降りる。藪も無く、大した下りも無くて9時35分に、青テープがひらひらする林道のフェンスの所に降りた。何のことは無い、最初からその青テープを辿っていけば1時間も掛からないで登れてしまったのだろう。林道を引き返して9時50分に車に戻った。林道入口手前で黒岩へはここを行けば良いのでしょうか?と聞いてきた若者が1人居たが、彼は手ぶらで何の目的かは分からなかった。黒岩附近では数人の声が聞こえ、林道入口の反対側の狭いスペースには、かなり無理をして車が3台停められていた。クライミングかな?

 車に乗り、次の山に向かう。一旦榛名湖まで上り返し、三峰山と天目山の間を下る箕郷方面への県道を降りていく。この道から分岐する前の沢林道から音羽山と鐘撞山を登る。前の沢林道分岐には車止めがあり、林道は進入禁止のようだ。林道は舗装され、入口からちょっと入った杉林の中に車3台分くらいの駐車スペースがあったので、車をそこに停め10時29分に舗装された林道を奥に進む。沢沿いの林道はひっそりとして、路面の状態はとても良い。『…300山…』によれば、以前は進入禁止ではなかったようで、林道終点の広場に駐車スペースがあり、そこから音羽山に取り付くように記載があるが、現在車は入れない様だった。しばらく緩い林道を奥に進むと、歩き出して20分程で右に踏跡があり『音羽山・鐘撞山登山口』と書かれた手作りの標識が立っていた。

 杉林の中に薄く付いた踏み跡を登っていくと、枯れ沢を登るようになり、やや陰鬱な雰囲気の荒れた斜面を少しジグザグに登って、稜線に登り上げる。途中2箇所に同じ様な標識が立っていた。登り上げた稜線は右に鐘撞山、左に音羽山をそれぞれ指している。スズタケが少しうるさいところもあるが、概ね低い笹に藪も薄く、まずは音羽山に向かう。雑木の小山を二つばかり越え、目の前に少し高く見える山が出てくるが、これが音羽山らしい。低い笹の急な登りで、足元にはイガが付いた栗の実が点々と落ちている。所々は岩っぽい痩せた尾根もあるが、やや息が切れる程度で、登り上げた音羽山の山頂部は平坦な雑木林で、とても感じの良い所だった。東に少し行った小山が、低木藪にぐるっと囲まれ全く展望も無い音羽山の山頂だった。

 音羽山山頂に11時37分に着いた。山頂には三等三角点がぽつんとあり、そこにGさんの名板が木から外れたのか、落ち葉の上に落ちていた。拾い上げて、木にくくり付けた。他には山名板も見当たらない。三角点がある山頂よりも、手前の平坦な雑木林の方が木々を透かした眺めもあり、休むには雰囲気も良い。太い栗の木の根元に腰掛け、おむすびを食べて誰も居ない静かな山頂を満喫する。鐘原ヶ岳や三峰山が木々越しに見えていた。

 12時9分に音羽山を下る。鐘撞山分岐まで戻って、そのまま鐘撞山に向かう。少し暗い色をした雲が西の方から延びてくる。山を越えて来た雪雲の先端だろう。藪は全く無い落ち葉を踏む踏跡は大した登りも無く、12時45分に鐘撞山の山頂に着いた。真鍮製の四等三角点がある山頂の手前に、『御嶽大神・阿夫利大神』の文字が刻まれた石碑と石祠が一つあった。かつては信仰のあった山なのだろう。三角点のある脇の木にすかいさんのプレートがぶらさがっていた。山頂から南に踏跡を進むと雑木林の小平坦地になり、そこで湯を沸かしカップ蕎麦を食べて休憩した。午後になり、陽が傾くと日が短いこの時期は早くも夕方も近い雰囲気なのだった。

 木々を透かして高崎方面の市街地が俯瞰できる。反対側は同じく木々越しに杏ヶ岳等の山並と、南には種山が見えていた。カップ蕎麦を持つ手もかじかむ程寒い。
 静かな山頂は、しみじみと冬の低山の良さを感じる。時刻は早くも1時25分。あまりのんびりしていると、もう一山の種山が時間切れになりそうで、重い腰を上げて鐘撞山を後にした。
 
 鐘撞山と音羽山の分岐附近は、ムラサキシキブ(コムラサキ)の美しい実が目に付いた。往路を戻り、1時58分に車に戻ってきた。さて、時間も遅くなった、そのまま最後の山とした種山に向かう。車に乗り、箕郷方面への県道をちょっと降りた所から右に橋を渡って林道南榛名山線に入り、種山の南に回りこむ。種山から南に落ちる尾根がぶつかる辺りに、『ろうきんの森』の看板がある伐採地に『種山登山口』とあるプレートが立っている。南に分岐する林道の傍らには小山があって、石鳥居が立ち、祠が祀られてあった。

 2時19分に、早くも日が傾いて夕方の雰囲気も濃い伐採地から、種山に向かって踏跡を登りだす。直ぐに稜線になって、松の木や雑木が茂る尾根を登っていく。一登りすると、高崎やその向こうに関東平野の眺めがあった。今日はどの山でも大した展望は無かったが、この伐採地と山頂手前のパラグライダーの飛び出し場から関東平野と多野・妙義方面の山並が俯瞰できた。思いの外登り手のある種山は、山頂部までは雑木と松の樹林の中、山頂部はやや岩混じりの痩せた稜線になって、3時8分に全く眺めの無い山頂に着いた。三等三角点がある山頂にはすかいさんの山名板が、そこから100m程先の最高地点にはGさんの山名板が付いていた。

 大分夕方の雰囲気も濃くなってきた。空気もますます冷えてきた。山頂でお菓子とみかんを食べて、予定していた4山を全て登れて満足な気分で、3時19分に種山山頂を後に下る。パラグライダー飛び出し場から、夕暮れの関東平野の最後の眺めを楽しみ、坦々と下って3時59分に薄暗くなってきた登山口に降り立った。

 帰りは、榛東村の『しんとう温泉ふれあい館』に寄り、汗を流すというより冷えた身体を温めた。ここは大分以前に、妻と榛名山の水沢山に登った帰りに寄って以来だ。地元のおじいちゃん達が沢山居たが(ジモティーばかりです…)、やや塩素臭もするものの身体は良く温まった。入浴後は気分も良く家路に着いた。


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4 コメント

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良いお年を (あさぎまだら)
2011-12-31 20:16:03
すかいさんこんばんは。
山名板は付けたばかりだったのですね。
音羽山にはありませんでしたが、登られなかったのですか?
何処に言っても最近すかいさんの山名板があります。後追いになっていますね。
今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。良いお年を。
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榛名の山 (すかいさん)
2011-12-31 16:27:34
あさぎまだらさん
こんばんは!

今年はありがとうございました
それにしても後少しでしたね
鷹の巣山は12月22日でした。

来年も宜しくお願いします。


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寒いですね (あさぎまだら)
2011-12-29 22:22:19
ノラさん今晩は。
榛名は名前のある主なものでも20くらい、地図に名前が無い(名前はあるらしい)山まで入れると幾つあるのか分かりません?今回でめぼしいものは全て登りましたが、完登とは言えないでしょうね。
 音羽山は三角点があるところは閉塞感のある藪ですが、直ぐ手前は平坦な雑木林で、感じの良い所です。
 ところで、クリスマス前から寒の入りに相当するような寒さが続いています。今日辺りから少し緩むそうですが、山はもう例年の1月くらいの積雪みたいです。なので、陽だまりハイクがメインになりました。今年はこれで打ち止めです。思うように登れなかったというのも毎年の事ですが…。
 まだ、明日明後日と二日ありますが、こちらこそ今年も沢山のコメントありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。良いお年をお迎えください。

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榛名の低山めぐりは今が最適季節? (ノラ)
2011-12-29 21:32:30
あさぎまだらさん こんばんは。榛名の低山めぐりでも寒そうですね。私は3連休の一日位は山に行こうとリュックと昼食を用意して寝たのに寒くて朝起きれなくて軟弱にもこたつむりしてました。29日まで出勤だったので今年はもう山には行けません。来年早々どうなるかですね?音羽山の山頂はいい雰囲気ですね。写真を見ると行きたくなりますが。寒いんだろうなって。あさぎまだらさんの榛名低山めぐりを見ると榛名ってホントに山の数が多いんですね。認識を新たにしました。さて,今年もコメントありがとうございました。よいお年をお迎えください。
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