今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・平尾富士、閼伽流山

2011年12月04日 | 山登りの記録 2011

平成23年11月28日(月)
平尾富士(平尾山)1,155.5m、閼伽流山1,027.9m

 浅間山と剣ヶ峰に登った後、佐久で食事をして、そのまま平尾富士登山口の佐久平スキー場パラダの上部にある佐久市市民の森の遊歩道入口を確認し、手前の道路脇にある駐車場に車を停めた。眼下には佐久スキーガーデンパラダとPAの照明がまぶしい。空は日中の高曇りから替わって晴れてきたようで、星がまたたいている。まだ時刻は夜の7時にもならないが、昼間沢山歩いたせいで?疲れても居るので、早々にシュラフに潜って眠ることにした。昨夜の天狗温泉の駐車場と違って、ここは標高が低いこともあってか、全く寒くは無い。夜中に何度か目が覚めたが、家に居てもこんなに長い時間寝ることも無いからだろう。

 6時半に起きて支度をした。残念ながら、昨日以上にどんよりと曇っている。遠くの景色はもやっとして、いつ雨が降ってきてもおかしくない様なお天気だが、ラジオの天気予報では今日日中は雨が降ることは無いという。

 7時13分に木花佐久耶姫の森(市民の森)の大きな案内看板が立っている階段の道から登りだす。直ぐ後ろ、駐車場の隣はスキー場の上部で、動かないリフトがぶら下がったスキー場は当然雪も無く森閑としていた。雑草に埋もれ気味の木製階段を上ると、直ぐに分岐があり、平尾富士へは直上する『忍耐の小道』のプレートがある登りだ。登りは結構急で、文字通り忍耐の小道。竜神池分岐というのを過ぎて、熊の絵のある
注意看板を見て、赤松の木が茂る里山といった雰囲気の中、ずっと上りの道を登り続ける。もやっとした景色ながら、遠くに茂来山が見え、赤松にナラが混じる道は尾根上の道になる。

 しらかばの小道分岐には休憩の四阿と、ここにもまた市民の森の全体を示す絵地図看板が立っていた。落ち葉の敷き詰められた上り道は、お天気のせいもあり何となく寂しい雰囲気だ。行く手左に平尾山よりも低い奥の山が見え、スキー場はそこまで続いているようだった。再び竜神池への分岐があり、標識が立っていた。上りは相変わらずだが、先にこんもりした小山が見えてきた。そこが平尾富士の山頂部らしい。そこへの登りは丸太の階段で、一直線にますます急になってくる。最後の登りは一層急になって、広い台地状の平尾富士山頂に7時54分に着いた。登り出してから40分程だった。

 平尾富士の山頂には、赤茶色の外壁の小屋が建ち、『浅間神社参拝所』の看板が付いている。平尾富士と書かれた標柱やベンチ、2基の石灯篭の奥には「支那事変…太平洋戦争云々」と刻まれた忠霊石碑や、二等三角点、展望方位盤等があり賑やか、東や南は邪魔することの無い展望が広がり、佐久平に蓼科山や八ヶ岳、上信県境の山々等が一望の大パノラマだった。平尾富士の頂上は平で広く神社の境内といった様な雰囲気。ベンチに座って景色を楽しむ。参拝所を開けて入ってみたが、登頂者が書き込むノートが置いてあった。長野県のこの位の平地に近い山は、どこでもこういった雰囲気がある。昔登った冠着山の山頂に雰囲気が大変良く似ている。ノートに名前とコメントを書き加えた。街に近い山の常で、何百回となくこの山を登っている人のコメントも見られた。

 充分のんびりと休憩し、8時20分に山頂を下る。下りは坦々と降りて、8時43分に駐車場に戻ってきた。下りは23分しか掛からなかった。

 車に乗って、次の山である閼伽流山(あかるさん)に向かう。上信越道を回り込む様に南に山並一つ向こう側の県道に出て、閼伽流山登山口へは香坂川沿いの西地という集落を目指す。頂上部がなだらかで平坦だが、その下に岩壁がサンドウィッチ状に見られる閼伽流山を見上げる西地集落に、間もなく着いた。集落の中を通る旧道を少し進むと、閼伽流山登山口の天台宗閼伽流山明泉寺の入口となる。ここには大きな絵看板があって閼伽流山周辺の案内が描かれ、『天台宗閼伽流山明泉寺』と刻まれた御影石の大きな石柱が立っている。しかし、この辺りには駐車するところは無い。止むを得ず、集落内の旧道をバイパスする県道脇にある、田んぼの馬入れみたいな空き地に車を停め、9時11分に出発する。稲も刈り取られている今、ここなら問題ないでしょう?

 明泉寺への参道を歩いて石段まで来る。閼伽流山へは右に参道(林道)を登っていく様だ。この石段の所が一丁目で、ここから「何丁目」と丁目を表示する標石があって、頂上とされる『仙人ヶ岳』(御野立所がある展望台)が十二丁目ということになっている。丁目の石碑にはそれぞれ歌が刻まれていた。
参道を進んで行くと、直ぐ上でチェーンソーの音を響かせて墓地周りの木々を切っているようだ。明泉寺石段脇には5台くらいの駐車場があるし、上の観音堂手前まで舗装林道を車で上って行ける様で、そこにも駐車スペースが在る。だから、車で来た場合は、寺の石段手前の駐車場に停めるか、あるいは林道を上がっていって、観音堂の手前100m程の所に有るゲート前の駐車スペースが利用できる。しかし、今日は伐採業者が参道(林道)を作業車で塞いでいるので通行できない。伐採作業中の作業員の脇を会釈して通過し、道は舗装路ながら、ジグザグを切って、どんどん登りは急になってきた。コンクリート舗装道路をかなり高いところまで上ると、箱庭みたいに下の集落の眺めがある。上から軽トラックが一台下りてきて道を譲る。

 ジグザグ上りが終わると遮断機がある。遮断機の西側は駐車スペースの様だが、せいぜい3台くらいしか止められない。遮断機から100mも行くと、岩庇の下に観音堂と鐘楼があった。観音堂に9時43分に到着。30m程の柱状の岩壁が観音堂をぐるっと取り囲んでいる。こういうところだから、寺を造ったのだろうが…。昨年登った中之条町の大岩山の大岩不動尊もこういった所だ。観音堂の建物は余り古いものではない。おそらく最近建て直したのだろう。同じく鐘楼も新しそうだった。岩壁が覆いかぶさるようにこの周囲を張り巡らしている。その岩壁の基部には数十体の石仏がずらりと並んで奥まった角には洞窟があって、その中にも石仏が鎮座していた。建物は新しいが、これらの石仏は相当古いものもあると思われた。

 指道標に導かれ、観音堂の裏手に回ると、右に芭蕉碑、左手の沢を登る踏跡には「御野立所、仙人ヶ岳」の表示がある。両側を岩で挟まれたルンゼ状の登りを一段上がると、右に岩場をトラバースするようになり、その先が仙人ヶ岳の展望台だった。下の集落から見上げた岩壁の一番右手にある突き出した岩の上がここなのだった。突き出した岩の上には展望所になっている小さな四阿があり、『摂政宮殿下御登臨之処』と刻まれた大きな石碑と十二丁目の歌碑があった。摂政宮とは昭和天皇のことで、大正時代に病弱だった大正天皇に代わり摂政を務めた昭和天皇がここに登った記念に建てられたもののようだ。そこからは、佐久平を一望の素晴らしい眺めがある。しかし、今日のこのもやっとしたお天気では、眺めも今一つ冴えない。

 展望所の仙人ヶ岳から分岐まで戻り、そのまま緩い落ち葉に埋まった沢を赤テープに導かれて登っていく。途中湿地のような所を過ぎ、登りついた雑木の鞍部を右に100mも行くと、雑木に囲まれた何の変哲もない樹林の中に標石があり、そこが閼伽流山の山頂だった。10時8分山頂着。登山口よりも遠いところから登り始めたのにも関わらず、車を停めた所から一時間も掛からなかった。

 『閼伽流山1,027.9m OHC』と書かれたプレートが一つ枝にぶら下がっていた。地図を見ると、閼伽流山というのは正確には観音堂の上にある岩壁の上の山一体を指しているようで、その附近には1,009mの標高表示がある。それと、今居るこの先のやや低い地点に四等三角点があって、そこの標高がこの1,027.9mなので、プレートと境界標石があるここが閼伽流山の山頂というのもあまり定かではないが、この辺りで一番高い所がここだというのは事実だ。なので、一応ここが閼伽流山山頂ということにしよう。

 荷を置いて、降り積もった落ち葉に横たわる枯木の上に座って憩う。湯を沸かしてカップラーメンを食べようと思ったら、カップラーメンを車の中に置き忘れてきたことに気づき食べられなかった。残念…。仕方なく、ベーコンとチーズが張り付いたパンを一つ食べ、おかきやポテトチップをつまんだ。食いしん坊のぼくとしては、カップラーメンが食べられなかったので物足りなかった。

 雑木に囲まれて静かだし、こんな山頂は嫌いではない。でも景色も見えない何も無いここに、そう長居もできない。10時33分に荷をまとめて山頂を後にする。分岐から仙人ヶ岳の展望台に出て。しばらくここで、もやっとした景色を眺めた。観音堂に降りて、岩壁の下に並んでいる石仏の顔を一つ一つ眺めながら一番奥まで行ってみた。観音堂に近い手前から坂東○番と数字が振ってあり、奥に行くにしたがって番号は無くなる。手前のものには立像が多くこれはかなり古いもののようだ。真ん中から奥に行くと、坐像もあり手前の無表情なものに比べてにこやかな良い顔をしている。千手の坐像でにっこりしている石仏があり、これが一番気に入った。坂東三十三番と書いてあった。

 石仏見物後、観音堂を後に舗装路を坦々と下り、11時25分に人の気配もしない一丁目石段の明泉寺前に降りてくる。そのまま西地の集落を横切って県道沿いの田んぼの脇に停めた車まで戻ってきた。まだ11時30分だが、ますますどんよりと曇ったこの天気では、次の山に向かう気持ちにもなれず。今日はこれで打ち止めとした。

 佐久に出て、御代田から軽井沢に回り、軽井沢でショッピングと食事をし、碓氷峠を下った。旧碓氷峠口の坂元宿にある峠の湯に寄って、汗もかかなかったけれど入浴した。ここは数回訪れているが、浴場が寒いのと、塩素臭がかなりすることもあり、ぼく的には日帰り温泉としての評価は低い。いつも空いていることで寄ったが、磯辺の恵みの湯の方が良かったなと思った。入浴後は、そのまま午後早く帰路に着いた。


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2 コメント

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閼伽流山はなかなか風情がありますね (ノラ)
2011-12-04 17:46:29
あさぎまだらさん こんばんは。平尾富士はスキー場の上の山。地元の里山の二つの顔を持つんですね。展望も良ければ地元の人が登るのもうなづけます。そして閼伽流山は確かに山寺みたいな山ですね。閼伽流山は行ってもいいなって気がしました。姿はミニ荒船山って感じですね。ポケットの入れて忘れないようにしないといけませんね。
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石仏見物 (あさぎまだら)
2011-12-04 20:37:21
ノラさんこんばんは。
平尾富士は展望の山です。晴れていれば佐久平や蓼科山方面の最高の展望台でしょうね。地域の人々に親しまれている山という印象でした。
閼伽流山は見るものが多いです。溶結凝灰岩という緩い溶岩が固まった岩山です。この附近の山はみな同じ様にこの岩壁をサンドイッチした様な山が多いみたいで、向かいの山並もそうでした。石仏が沢山あるので、それを一つ一つ見ても面白いですね。
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