今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・北アルプス 薬師岳・雲ノ平

2011年09月30日 | 山登りの記録 2011
平成23年9月24日(土)~26日(月)
  薬師岳2,926,0m、太郎山2,372,9m、祖母岳2,556m、祖父岳2,825m

 7月の下旬に5日の日程で予定していたアルプス登山。今年は以前からずっと行きたいと思っていた雲ノ平と、その周辺の山をぐるっと巡ろうというのが当初の計画であった。南アルプスに比べ、北アルプスは長野県側は登っているものの、岐阜や富山側はほとんど未知なのだった。富山側では立山と剱岳周辺しか知らない。

 しかし、梅雨に戻ったような天候不順と8月になっても台風の襲来があり、その後9月の中旬までは仕事のスケジュールと折り合いが付かず、あげく腰痛の発症であわや今年は断念かと意気消沈していた。9月の2回目の3連休前に台風が通過し、今度こそは…。4日間の休みで、連休初日は当然混雑も予想されることから避け、3日の短縮日程で縮小計画となった。3日間で雲ノ平まではややきついが、テント泊を小屋泊まりに切り替えて、初日に薬師、次の日に雲ノ平をピストンという太郎平小屋連泊の予定として、土曜の午後富山に向かった。

 関越で余り混んでいないのは幸いと思っていたら、ナント、上越と糸魚川間が大雨で通行止めの道路情報。そのため、一般道に降りて上越から糸魚川までは渋滞に巻き込まれ、再び糸魚川ICから立山ICまで北陸道で富山入りした。立山アルペンプラザに着いたら、もう午後5時を過ぎた。薬師岳登山口の折立に向かう有峰林道は夜の8時で通行止めになる。アルペンプラザで夕食を食べ、どうにか6時過ぎに林道ゲートを通過した。すっかり暗くなった折立に着いたら、駐車場はおろか道路にも縦列駐車の車が一杯で、登山口から300m程手前の駐車余地に何とか潜り込んだ。車外は気温が10℃しかない。深深と冷え込んで、瞬く星も冬の夜空みたいだった。明朝4時に起きて4時半出発とすることにして、早々にシュラフに潜り込んだ。

 24日(土) 薬師岳
 4時に目覚めると、おそろしく寒い。車にも霜が降りている。登りは暑くなるから半袖かな、なんてとんでもない寒さだ。ぼくが車を停めたスペースも、夕べ8時ぎりぎり位にゲートを通過してやってきた人の車で既にもう一杯になっていた。寒くてシュラフから出られずにぐずぐずしていたら、少し遅くなってしまった。支度をし、パンを食べて、4時45分にジャケットを着て車を出発する。登山口のトイレで用を済まし、5時丁度に薬師岳登山口の標柱が立つ登山口から登り始める。車は溢れているが、ほとんどは既に山に入っている人のもので、案の定連休初日は大混雑だったようだが、支度をしている人も居るものの、今朝これから登る人は余り多くないようだ。

 ヘッデンを付けて登り始めるが、既に周囲は薄明るくなっている。樹林帯をじぐざぐに登って、北に鍬崎山の尖峰がシルエットになって見えてくると、もう足元を照らす必要は無くなった。家族連れや年配のご夫婦連れ等を抜いて、少しずつエンジンが掛かって快調に登っていく。暑くさえなければ(登っていても鼻が冷たいほど寒い)きつい登りは結構得意だ。滑り易い赤土から、チャート等の堆積岩が露出した溝状の登りになり、案外早く樹林帯を抜ける。三角点と標識があり、まだ標高的には2000mを越えないが、ここからは基本的に草付の中を石畳の道になった。

 北には剱岳や大日岳そして立山の連山が見え、雲海状の雲の果てには富山湾の海が見える。上には大きくなだらかな薬師岳が石灰岩のせいか白く、そしてハイマツの緑がコントラストとなって美しい。下には細長く有峰湖の巨大な水面が碧色に見えている。有峰湖の遥か遠くには白山も見える。既に朝日を浴びた山々に、快晴の青空は抜けるように高く、この上ない上天気で期待は一気に膨らみ足取りも軽い。抜きつ抜かれつの何人かの登山者も、みなこの上天気に表情も晴れ晴れして、つい出る笑顔に交わす言葉も楽しい。

 石畳は崩れて居る所も多く、歩きにくいところも少なくない。しかし、周囲は広々として緩い尾根が太郎兵衛平までうねうねと延び、傾斜も緩いので歩く速度も自然と早くなる。石畳は、やがて刻みのついた木道になるが、霜で滑りそうになるので却って早く歩けない。薬師日帰りピストンの青年は、太郎平小屋まで3時間の予定で歩くと言って先に急いで行った。木道の周囲は湿原や池溏も見えるが、リンドウがほんの少しの他は花も見えない。周囲の大展望に気を良くし、写真を撮るのも忙しいが、エアリアで5時間のコースタイムながら、そんな具合で気がつけばもうそこに赤い屋根の太郎平小屋が見え、8時20分に小屋に着いた。着いてしまえば、意外にも早く3時間20分で登った。

 太郎平小屋前の広場にはベンチとテーブルが幾つかあり、10人程の登山者が休んでいた。東に雲ノ平の溶岩台地が遠く、その上に水晶岳や鷲羽岳等が見え、南にはゆったりとしたラクダ色の北ノ俣岳や波打つカールを並べる黒部五郎岳が見えた。早速小屋に入り、宿泊の予約をしてある事を告げると、薬師から帰ってきてから受付してくれれば良いとのこと、重い荷物は預けて軽いサブザックで、8時33分に薬師岳に向かう。

 一つ小山を越えて下る下は沢音も大きい薬師沢の源頭部。薬師峠のキャンプ指定地で、色とりどりのテントが20張り程下に見える。ここのコンクリート製の水場(普通のキャンプ場にある炊事場みたいな立派なものです)で水を汲むが、この周囲は水が凍って滑りそう。スケートリンクみたいで危ない。薬師峠から薬師平への登りも、丸い石には苔が生え、濡れている石はただでさえ滑るのに、その上凍っているのでおっかなびっくりの慎重な足取りで登る。
 薬師平は美しい湿原で木道が敷設され、青く並ぶアルプスの山々を背景にして素晴らしいロケーションだ。黒部五郎の向こうには槍ヶ岳も見えている。木道が延びる先に見えるなだらかな薬師岳は、まるで尾瀬の至仏山みたい。

 薬師平を過ぎると、東に薬師岳を回りこむように登っていくが、上りは一気にきつくなってきた。石灰岩や砂岩のガレをジグザグに登る。風は冷たいが、陽射しは暖かく、登っていると汗をかくようになる。山頂から降りてくる人がだんだん増えてくる。昨夜、太郎平小屋か薬師岳山荘に泊まって、今朝山頂を往復した人達だろう。一段登りきると、ハイマツと白いガレや砂礫の稜線状になる。再び西の有峰湖方面が雲海の下に俯瞰されるようになってきた。間もなく9時58分に薬師岳山荘に着く。昨年新装したばかりの小屋は木の香もしそうなきれいな小屋だ。しかし、人も少なく、発電機の音は却って静かな情景を強調するかのようだ。小屋の前のベンチには、小さな子連れの親子が楽しそうに休んでいた。

 山荘からは益々急になり、ジグザグを切って息が上がる。上りきると、コンクリート造の避難小屋を見て、いよいよ岩がゴロゴロと積みあがった山頂はそこに見えてきた。ゴロ岩を積んだ山の上には、20人くらいの人がたかっている。東側にこの山の特徴である圏谷群の一つ中央カールが大きく、その先に北アルプスで最も奥深い、明日行く予定の雲ノ平を中程に、黒部源流の山々がずらりと並んでいる。10時51分、金色の薬師如来が収まる木造社殿とセメントで補修された三角点や、山名標柱が立つ薬師岳山頂に着いた

 山頂は次々にやってくる人、降りていく人と、入れ替わり立ち代りだが、10人前後は人が絶えなかった。でも、この程度は少ないのだろう。山頂周辺は休めるところも多く、その程度の人数では一杯にはならなかった。社殿の下に三角点があり、その一段下で休んだ。さすがに、周囲を抜きん出た3000m級の高峰だけに、快晴の空の下では展望も広大だった。今まで見えなかった薬師から剱・立山に繫がる山並みや、白馬岳から延びている後立山連峰の峰々、4年前に登った船窪岳・不動岳等の北アルプス一のマイナー峰等、見える山は一層多くなった。槍ヶ岳と水晶岳の間には、遠く富士山も見えていた。

 山頂の西側は風が当たって寒いが、東側は風が遮られ陽射しが温かく感じる。ソースコロッケパンを食べるが、喉が渇きすぎたためか、余り美味く感じなかった。11時35分に山頂を下る。太郎平小屋に下り着くまで、登ってくる30人以上の人とすれ違うが、これでも少ない方なのだろう。若い人たちも多く、最新の山ファッションのいでたちは、いつもぼくが登る山なんかじゃお目にかからない人々だ。正真正銘の山ガールさんも多く、山渓の表紙モデル級もざらだった。さすがに北アルプスの百名山なので、違いますね…。ぼくなんか、どうも男性の半ズボン(キュロット)とタイツ姿にレンジャーみたいなハットは、不恰好でひ弱そうに見えてしまうのだけどなあ。ぼくが何時も行く様な山じゃ、あっという間にタイツは破れ、ハットは一瞬にして紛失してしまう事だろう。

 薬師岳山荘の人影は相変わらず疎らで、降り立った薬師平はただ通過してしまうだけでは勿体ないロケーションだ。明日登る予定の雲ノ平が正面に望まれ、祖父岳と黒部五郎岳との間に槍ヶ岳が突き立っていた。湿原は、既に全く花も見られないが、木道が続く平坦な湿原の後ろになだらかに高まる薬師岳は、やっぱり尾瀬ヶ原から見た至仏山の様に見えるのだった。下った薬師峠のテント場は、行きの時の倍くらい色とりどりのテントが張られ、賑やかだった。この季節になっても、テント泊の登山者は多いのだ。しかし、夏と違い若者が中心だった。

 13時45分に太郎兵衛平に戻るが、そのまま太郎山に登って、しばらくは周囲の山々の眺めを楽しむ。山々の下には平らに積雲が並ぶが、朝からの快晴の空は雲が広がる様子も無く、気持ちが良いほどの安定した快晴だった。太郎山の三等三角点は、登山道から少し外れたハイマツの中にあった。そこまでの道はあるが、人は余りやってこない。黒部五郎・北ノ俣方面からやってくる人が三々五々直ぐそこの縦走路を通過して太郎兵衛平に下って行くが、ここまでやってくる人もほとんど居ない

 14時30分に受付を済ませて小屋に入る。一泊夕食のみで7,800円也。食事付で山小屋に泊まるのは、数年前に同じ北アルプスの船窪小屋に泊まって以来だった。太郎平小屋は、建てられて相当年数が経つ小屋らしく、小屋の中は歴史を感じさせる造りだった。一階の中程にある左右雛壇大部屋の上段隅が割り当てられたスペースだった。隣は一人分空いていた。その日の予約客は小屋の主人らしい親爺さんが20人といっていたが、最終的にはこの日は100人近い泊まり客で小屋は大盛況だった。5時半の夕食時間まで、小屋の布団と毛布に加え、念のため持参した羽毛シュラフに包まって昼寝をした。寒くて、とてもじゃないがその晩は布団と毛布だけじゃ眠れなかっただろう。

 夕食は一番乗りで食堂に並び、お腹一杯食べた。この日のおかずは、酢鳥風のから揚げ3つとコブ巻・高野豆腐・かぼちゃの煮物にキノコの卯の花あえ、スパゲッティサラダの付け合せに味噌汁だった。山小屋なのでこんなモノでしょう。御飯はモチロン2杯山盛りだった。食事をすると、大分歩いた疲れもあり、それ以上に明日は今回のメインである雲ノ平ピストンを控えているから、歯磨きをして7時過ぎにはシュラフに潜って布団と毛布を掛けて就寝した。小屋の中は、人が多いのにもかかわらず、かなり冷えていた。夜中に何度か目が覚めたが、比較的良く眠れた。

25日(日) 雲ノ平・祖父岳まで往復 
 朝は携帯のアラーム(バイブレーション)で4時30分に目覚める。恐ろしく冷え込んでいる。しかし、意を決して支度をし、行動食と水にデジイチ、雨具を詰めたサブザックのみで、メインザックは小屋に預けて何も食べずに5時に小屋の外に出た。朝食は、少し先で休んだときに食べる用にメロンパンを入れた。昼食は雲ノ平山荘の食堂で食べようと思っていた。外はまだ真っ暗でヘッデンを点け、太郎山を巻いて下る薬師沢への木道を歩いて行く。下り気味の木道は、刻みが入ってそれなりに滑り止めも施されているが、霜が降りた表面は白くなっていて気が抜けない。

 しばらく下るうちに白み始めた空が確認でき、刷毛で掃いた様な雲が薄くバラ色に染まると、もう足元を照らす必要も無くなりヘッデンは消した。尚も、どんどん沢沿いに下りていく。薬師沢の細流を木道の橋で2回程左岸右岸と渡る。下り続けていくが、傾斜がきつかったのは最初だけで、シラビソに囲まれた笹原が行く先々で何度も現れると、平坦に近い道になる。笹の葉も霜で真っ白。寒くてウィンドブレーカーを着ているが、歩いているのに矢張り寒いのだった。

 薬師沢左俣を長い橋で渡ると、傾斜は更に緩みだらだらとした道になる。行く手に遠く見えていた平らな雲ノ平が段々近づいてきた。薬師沢本流に急な下りを下りきると、6時35分に山峡にへばりつくような薬師沢小屋に着いた。かなり流れの速い薬師沢本流の水音が高い。赤い屋根の小さな小屋の前には休憩のテラスがあり、4,5人の1パーティーが、ぼくがそこに着くと直ぐ出発して行った。小屋の入口に出ている水をボトルに汲んで、薬師沢に掛かる吊り橋を渡る。対岸の岩場を沢の水流まで鉄バシゴで降りて、この時そのまま目の前に掛かる小さな鉄製の橋を渡ろうとすると、それは凍っていて滑って渡れない。そこで、水流側に降りようとしたら岩の上に張っていた氷で滑って水の中に尻餅をついてしまった。ズボンがびっしょり…。ひでー。その橋は水しぶきがかかって凍っている上に、先で崩れているのでよくよく見ると、赤いペンキで迂回する様にマーキングがあったのだ。うっかりしていて、ズボンの尻を濡らしてしまった。乾きの早い素材だからそのうちには乾くだろうが…寒くてお尻が冷たいのは辛かった。

 直ぐ先で、そのまま薬師沢を下っていく高天原への道と、上に登っていく雲ノ平への道が分岐する。名にし負う悪路として知られる、急な丸い石がごろごろの急登は直ぐに始まった。大きな丸い石が、薄暗い樹林の中の溝を埋めている。雲ノ平は祖父岳火山の溶岩が形成した日本最高地の溶岩台地だ。この丸い石は溶岩なのだろうか?それにしてはつるつるしてその上苔が生え、今は登りだからまだ良いが、下りは恐ろしいだろうと想像された。荷は軽いが、この登りはかなりきつかった。シラビソの先に陽が当たって明るく見えたので、もう雲ノ平かと思ったが、甘かった。しばらくまた傾斜がやや緩んだ樹林の上りは続いた。降りてくる人数人とすれ違う登っている人は、途中で抜いた若いカップルだけだった。8時3分に木道が延びた先に広がる湿原に出た。直ぐ先に、雲ノ平『アラスカ庭園』の標識が立っていた。年配のご夫婦連れが休んでいた。

 アラスカ庭園からまたシラビソの樹林に入り、少し緩く登って今度は『奥日本庭園』の標識が立ったベンチに出た。もうそこは雲ノ平の全貌が眺め渡せる所だった。薬師岳がかなり遠く見え、南には大きなカールを見せる黒部五郎岳が大きい。行く手の東に祖父岳が丸く見え、右肩に鷲羽岳が覗いていた。抜けるような青空。人の気配も疎らな北アルプスの最奥。かつて日本最後の秘境とも呼ばれた雲ノ平にこうして着いたのだった。祖母岳(アルプス庭園)の左に水晶岳、右には祖父岳、鷲羽岳と黒部五郎岳の間には笠ヶ岳も見える。この雲ノ平はぐるりと高峰が取り巻いている素晴らしいロケーションだった。

 奥日本庭園で朝食に用意していたメロンパンを食べる。太郎平小屋から雲ノ平アラスカ庭園まで3時間5分、エアリアでは4時間50分のコースタイムなので、軽い荷物としてもかなり頑張った方かな?メロンパンを食べ終えると、手前のアラスカ庭園で休憩していた年配のご夫婦がやってきた。後から、急な登りで追い越してきた若い夫婦連れもやってきた。この日、雲ノ平を後にするまで、ここですれ違った人は他に10人くらいだったろうか?こんなに静かでヒトケの少ない、その上最高のお天気だったから、この夏何度もお預けを喰わされた利息を一度に取り戻した様な感じだった。

 雲ノ平は、溶岩台地らしく、ゴロゴロした火山岩の堆積や、湿原、池溏、砂礫等変化に富んでいるところだった。祖母岳(アルプス庭園)に登ると、そこからは広々した台地の真ん中にぽつんと建っている雲ノ平山荘の背後に水晶岳が素晴らしい。山荘の脇を通り、木道をぽくぽくと、祖父岳の下にテントが2つ見えるキャンプ場を右に見て歩く。先のスイス庭園分岐附近から見上げる水晶岳は、山の写真でも良く見るおなじみの光景ながら、やはり実物は素敵だな。祖父岳は近づくと浅間山みたいな典型的な火山の景観。10時39分に最終目的地の祖父岳山頂に着いた。後から一人登ってきたおばさんに、写真を撮ってくれとカメラを手渡された。祖父岳山頂では、その方しか会わなかった。

 祖父岳山頂からは、鷲羽岳やワリモ岳・三俣蓮華岳が手が届くような近さ。水晶岳はもちろん、槍穂高や笠ヶ岳など北アルプスの山々の眺めを堪能した。とはいえ、帰りも長い上に、この頃になると続いた快晴もいつの間にか広がった雲が、空の半分を曇り空にしていたし、黒部五郎岳辺りも山頂を雲に隠すようになってきた。眺めと素晴らしいロケーションを惜しみながら、往路を引き返した。昼食を山荘でと思っていたが、遅くなってしまいそうだったので止めて、アラスカ庭園手前で一休みし、行動食のお菓子を食べ、雲ノ平を12時30分に後にする。薬師沢小屋に1時30分に降りて、太郎平までの長い登りを引き返す。この時、3時までに太郎平小屋に戻れたら、今晩は泊まらずにそのまま下ろうと思った。明日は下るだけで泊まらなければならない必然を感じなかったからだが…さすがに疲れきって、太郎平小屋に着いたら4時だった。それでもコースタイムよりは1時間は早かったのだが…。

 太郎平小屋でまた泊まりの手続きをし、その晩は個室で岡山から来たという方と同室だった。夕飯はとんかつにギョウザ・ちまき等、昨日のおかずより大分豪華だった。もちろん、昼食を食べ損なった分たらふく食べた。その日の泊り客は全部で20人くらいしか居なかった。7時にならないうちに、さすがに疲れきって眠ってしまった。翌朝5時に起きて、カップラーメンを食べ、ゆっくりしてから6時に小屋を後にした。26日は朝から高曇りで、今回は本当に天気に恵まれたなあと思いながら、ゆっくり折立に下った。連休も過ぎたのに、登ってくる人と50人以上もすれ違う。

 8時半に折立登山口に降りた。駐車場は大分疎らになった。車に戻り、有峰林道を戻って、ゲートがある旧大山町亀谷の亀谷温泉『国民宿舎白樺ハイツ』で10時になるまで少し待たされてから入浴。3日間の汗を流しさっぱりとして帰路に着く。立山アルペンプラザで食事をしてお土産を買い、北陸道で今度はすんなりと、午後3時には帰宅できた。

 何度もお預けを喰い、諦めかけた今年の夏山の予定だったが、遅れてすっかり夏山ではなくなったものの、最高のお天気に最高の展望で念願の雲ノ平を堪能できた。

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4 コメント

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もう冬のようです (あさぎまだら)
2011-10-03 23:46:02
ノラさん今晩は。
1日から今日まで、家内と金沢に行っていました。天気予報では雨でしたが、そこそこのお天気でした。でも寒かったですね。帰りに富山辺りから見た北アルプスは雲が被っていましたが、前山が既に冠雪して真っ白でした。ということは、北アルプスは相当に積雪があったようです。いつまでも暑いと思っていたら、急にこんな寒さで…調子狂います。本当にぼくも、烏ヶ森さんも滑り込みセーフといった感じでした。
ところで、佐武流に行ったのですか?そうですね紅葉はこんな感じでは枯れ色になってしまってダメでしょうね。今年の紅葉はきたない?と思います。
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最初の写真はカールが石庭のようです (ノラ)
2011-10-03 00:20:57
あさぎまだらさん こんばんは。北アルプスの写真は天気が良いと素晴らしいですね。今回の記録の最初の写真はまるで石庭を見るようです。今年最後の絶好展望になるかもしれませんね。烏が森さんともども,まさに滑りこみセーフかもしれません。今週私はひょんな偶然で佐分流山に行ってこれましたが,実に寒かったです。紅葉はまだなんですが。もう冬が始まったって感じでした。
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雪が降りそうですね (あさぎまだら)
2011-10-01 01:16:08
明日以降冬型になるようです。
アルプスも滑り込みセーフといったトコロでしょうか?
前常念の避難小屋宿泊での2日日程でしたか、確かに前常念まで、ひたすらの登りはきついですね。剣よりきつく感じたとのこと、気温がまた高めになったのですね。そういう状況で随分違います。
雲ノ平あたりは9月中旬から下旬は小屋も空いているようです。今回行ってみて、折立から雲ノ平まで、荷が軽ければ一日で行ける感じです。雲ノ平山荘泊まりの一泊二日で充分可能と思いました。2泊目を黒部五郎小屋どまりとすれば、三俣蓮華~黒部五郎~太郎平~折立の周回コースも2泊3日で充分可能な感じです。
とても興味を持ちました。いずれ、歩きたいなと思っています。
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薬師岳と雲ノ平 (烏ケ森の住人)
2011-09-30 13:23:01
天気等に振り回されましたが、北アルプス訪問がかないましたね。寒かったですか。この時期は寒暖の差が大きく、三日四日ずれると全然異なりますね。28ー29日の間三股から常念岳~蝶ケ岳周回してきましたが、暑かった(寒くはなかった)という感じでした。
薬師岳は、何年か前の9月中旬に折立からピストンしているので、その時のことを思い出しながら楽しませていただきました。

雲ノ平とか高天原といった場所は、テントも山小屋もダメという私には、夢のそのまた夢といった場所です。
これからは日帰りでは、行く山に限りがありますので、端境期に山小屋がすいている時を利用する手もあるな、と今回の山行で感じました。
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