松貫四(吉右衛門) 作
竹本、浄瑠璃、長唄、田中傳左衛門社中
観世能楽堂にて
平家物語の一谷嫩軍記 からの一人芝居。吉右衛門が直実を演じる。
黒紋付に袴。セリフ回しはあるが、歌舞伎ほどではない。
能というものは、表現したいこと10に対して、3くらいを見せて、あとは観客の想像力に委ねると聞いたことがある。それを使えば、歌舞伎はデフォルメして20で表現するということだろう。衣装と言い、舞台装置といい、見栄と言い派手に。
そう考えると、能楽堂で、能ほどでもないがシンプルに演じられているこれは何なのか。どこを観るのか?何を以て、芸が凄いとか評価するのか、等々、いろいろと考えさせられてしまった。そして、エンターテインメントととして面白いものでもないのだ。
歌舞伎の本質を反対側から見せてくれたような気がする。
80近くなっての吉右衛門の挑戦には敬意を表したいし、元気で良かったと思った。
3000円/30分、人間国宝だし、浄瑠璃他も一流で、きちんと芸を披露はしているので、この価格は高過ぎるとは思わない。ただ、どの程度のアクセスがあるのかというのはあろう。
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