藤田真央著 文藝春秋2023
面白かった。まだ20代半ばの青年ピアニストの1年半の記録だが、とにかく面白い。
音楽については、会場、ピアノ、曲の解釈、曲の構成のプログラム等について語られる。この間の日本でのコンサートは何度か通っているので、あの時かあともなった。
様々な指揮者とのやり取りも非常に興味深い。ネルソンス、エッシェンバッハ、大野等々。そして師弟関係、日本での音大の先生とベルリンではゲルシュタインだというのもビックリ。ゲルシュタインは何度か聞いている。樫本とのコンビだ。
プレトニョフは東京フィルによく出るが、ピアニストであるのも知っていたが、そんな凄いのだと驚いた。
音楽祭におけるアーチストの交流等も楽しく読める。
欧州における教会での演奏や、アーチストとの交流等、豊かさを感じる。
ミツバチと遠雷の映画を観たときに、風間塵の演奏は藤田のイメージと思ったら本当にそうだった。恩田陸との対談もある。
過密なスケジュールだなと思ったり、地味な生活なんだなあと思ったり。張ったりの告白も面白いし。とにかく、感受性が豊かなだけでなく、頭のいい人だなあと思った。
今後が楽しみだ。