愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

ミィちゃんとエサやりさん(第3話)

2010年05月03日 | ネコの寓話
(第1話から読んでください)
彼女は三毛猫を家に入れて、世話を始めた。それまで「世話をしているだけで、飼っているわけではないから」と、これまでは世話をしている猫に名前を付けようとしなかった。しかし、この三毛猫の世話をしているうちに、自然と「ミイ」と呼ぶようになった。
ミイは、食欲旺盛。猫風邪をこじらせていたのがウソのように体調を取り戻し、部屋の中をぴょんぴょんと走り回るようになった。
「もう大丈夫だね」
彼女は安心したように、ミイをきょうだいのいる駐輪場に戻した。「部屋の前に来て鳴かれたりすると困るなぁ」と心配したが、ミイは、すべての現実を受け入れたように、きょうだいたちと一緒に暮らし始めた。彼女はそんなミイにホッとしつつ、ちょっぴり拍子抜けしたような気持ちだった。
ミイは、元気にすくすくと成長していった。人懐っこく、すぐに地域の人気者になった。それでもミイにとっては、やはり彼女が一番安心できる存在だった。駐輪場に彼女が姿を見せただけで、長くないシッポをぴんと立てて、どこからともなく姿を現した。
それだけではなく、子猫が捨てられると、母猫のようにかいがいしく世話をした。
「ミイがきてから、猫の世話が楽になったね」
 近所の人たちから、彼女はこんなからかわれ方をした。
彼女は笑ったが、胸を張って座ったミイの表情はちょっと誇らしげだった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ミィちゃんとエサやりさん(... | トップ | ミィちゃんとエサやりさん(... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ネコの寓話」カテゴリの最新記事