愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

罪悪感猫のロン2

2006年09月16日 | ネコの寓話
 右の前足と左の後足が思うように動かないことは、思った以上に不自由で自分の縄張りの点検をするのがやっと。結局、いつもと同じように食事にありつくこともままならず、空腹を抱えて寝て過ごしていました。
 そんなロンに追い討ちをかける出来事が…。タロロが無理をして屋根の上に上ろうとしたときに塀から落ちてしまい、右の後足を負傷。ときを同じくして、心配していたように、チーが散歩中の犬に襲われたときに逃げ遅れ、今後は左の前足をケガしてしまったのです。
 心配して駆けつけたロン。タロロは「どうしても、屋根の上で昼寝がしたくなって無理したらこのザマだよ。ケガさえしていなければよかったんだが…。ツイてないないぁ」と寂しそうにいいました。チーは「ワンコのあんな攻撃なんて、いつもなら簡単に除けられるんだよ。ケガさえしていなければよかったんだが…ツイてないなぁ」と不貞腐れたようにいいました。
 ロンは、2匹の様子を見て、この前以上に申し訳ない気持でいっぱいになり、小さくなってまた黙ったまま、その場を後にしました。
 「僕のせいだ。僕があのとき寝坊さえしなければ…」
 何度も、何度も、そう考えてしまい、夜になってもなかなか寝付けないでいました。そんな、ロンの前にまた降ったようにタビが現れました。
 ロンは、今度もタロロとチーと同じように、右の後足と左の前足の自由を奪うよう、タビに頼みました。
 タビは呆れたような顔をしながら、ロンの頼みを受け入れました。すると、ロンは、少し安心したようで、すぐに眠ってしまいました。(つづく)
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