’同じ穴のむじな’と例えたら、’あんたに言われたくない!’と言われると思うが、バレンボイムの{大公トリオ}の終楽章で笑ってしまった。
結構、鍵盤をたたいている。バレンボイムは超高い能力で、悪い人にも思えない演奏をする(きれい)。でも、ベートーベンなのにスタッカートをピンコラはねたり、たたきつけた打鍵もあったりする。そして、この録音した頃は幸せいっぱいの愛も長くは続かなかった。
私と似ている所がある。私という人間の対人関係のつながりや、ひょっとしたら、家族とも最後まで全うできなかった。人間はみんな、もれなく、こうかもしれないと妙に親近感が持てたのである。みんな続かない愛や人間関係や、鍵盤をたたきつける所も、音楽性が高ければ高い程、そうなりがちなのである。私だけではなかったと思った。
私の父も「お前に言われたくない」と言った。でも、父だって、かなり性格が悪い所があった。でも、母に言わせれば「他の男の人って、父さんのように、寛容でやさしい人間ではないのよ!」足が震えるぐらい、怒ったりする旦那さんもいると言っていた。男性は遺伝子が一つ欠落しているから、みんな怖い所があるそうだ。父は珍しく、寛容でやさしいと、それはそれは、何度も言っていた。