Soar into the Sky!

トレントの日記

ウィーン・フィルハーモニー イン 東京 ─ ハイドンとブルックナー

2008-09-16 23:59:59 | *Music
ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008 東京公演一日目が終わった。

リッカルド・ムーティ が誘う甘美の世界。今日の曲目は以下の通り。

◇ フランツ・ヨーゼフ・ハイドン : 交響曲第 67 番 ヘ長調 Hob. I-67
◇ アントン・ブルックナー : 交響曲第 2 番 ハ短調

<アンコール>
◇ ジュゼッペ・マルトゥッチ : 夜想曲


一言で言うと実にマニアックな選曲である。

ブルックナーは僕が最も好きな作曲家の一人であるから当然よく知っている曲ではあるのだが、一般的にはこの曲を好き好んで聴く人はいないだろう。僕も実演に接するのは今回が初めてだ。

ハイドンの交響曲第 67 番に至っては、事前に聴き込もうと思って音源を探そうとしてもなかなか見つからない。僕が店頭で発見出来たのはドラティの交響曲全集のみだった。

結局、今日の演奏会で初めて聴く事になった訳だが、「交響曲の父」 ハイドンの独創性を垣間見る事が出来るような楽曲であった。交響曲の礎を築くその過程を聴く趣とでも言おうか、どこか初々しさをも感じさせるようなフレッシュさを感じた。

恐らくウィーン・フィル独特のまろやかさがその印象を一層確かなものにしたのではなかろうか。いつも感じている事だが、彼らの音色はやはり楽曲に息吹を与える。これこそがウィーン・フィルを是が非でも生で聴かねばならない理由だ。クラシック音楽ファンを名乗るのなら、借金をしてでも聴きに来るべきである。

さて、僕の中で今日の目玉はやはりブルックナーの交響曲第 2 番。しかし実は期待と不安が入り混じっていた。

ウィーン・フィルの音色がまろやかで豊潤であり、ブルックナーの交響曲の表現にぴったりとはまるだろうという期待 (というか確信)。そして、不安はムーティというイタリア人指揮者とブルックナーの相性だ。

残念ながら、個人的にはムーティの指揮で心から感銘したという記憶が無い。恐らくそれは、彼の指揮がやや外面的で、イタリアらしいと言うべきか、“華麗さ” とか “聞こえの良さ” に重きを置いているからではないかと思う。これは同じくイタリア人であるクラウディオ・アバドにも共通するものだ。

ブルックナーはそういう指揮者とは極めて相性が悪い。ブルックナーの音楽は 「大自然」 そのものだと僕は思っているが、そんな音楽に “華麗さ” は相応しくないのである。

その不安はある程度的中した。

素朴であるはずのブルックナーが “キラキラ” と輝きを放とうとしていた。音が輝いてしまうと、その裏にあるブルックナーの世界観が台無しになってしまう。

しかし、全てが駄目と感じた訳ではなく、やはりウィーン・フィルの音色そのものにだいぶ助けられたという印象だ。ウィーン・フィルはやはり凄い。ここまで音色に唯一無二の独特さをもてるオーケストラなど他に無い。

それが全ての不安を払拭してこの演奏会を素晴らしいものにしてくれた。

有難う、ウィーン・フィル。

さぁ、明日はヘルスベルク楽団長の講演会だ!

いよいよ甘美の世界へ

2008-09-16 18:49:42 | *Music

まもなく、ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 東京公演一日目が始まる。

サントリー・ホールはいつになく活気に満ちている。

言葉に出来ない感情が溢れて来る!



(※画像は休憩中のもの)

リーマン・ブラザーズ破綻

2008-09-15 22:55:58 | *Diary
米証券第 4 位のリーマン・ブラザーズが Chapter 11 申請。

衝撃のニュースといえばそうだが、今まで一つも社会のためにならない錬金術で散々甘い汁を吸って来た訳だからコケて頂いて結構。彼らもやっと現実が見えて良かったんじゃないか?

第 3 位のメリルもあわや、というところでバンカメに救われて胸を撫で下ろしているところだろうが、先は全く甘くない。

ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーの 2 強も他人事と暢気にしていられるのも時間の問題か?

とにかくあれやこれや手法を産み出し金を儲けようとする連中は結局ロクな事にはならない。結果的に社会全体も巻き込みこの有様だ。

まったく、勝手に死んでおいて欲しいものだ。

ウィーン・フィル来日!

2008-09-15 02:36:28 | *Music
僕が世界で一番好きなオーケストラで、今年創立 100 周年を迎えた ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 が来日。いよいよ ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2008 が始まった!

僕は東京公演の全てを聴く予定だが、密かに楽しみにしているのが実は 17 日の 「クレメンス・ヘルスベルク楽団長講演会」 だ。今回のテーマは今年やはり生誕 100 年を迎えたかの ヘルベルト・フォン・カラヤン と楽団の関係を語る 「カラヤンとウィーン・フィル」 だそうである。

日本には数多く世界の一流オーケストラがやって来るが、こんな企画を欠かさず持ち込んでくれるのはウィーン・フィルぐらいのものである。本当に有難う。

ちなみに僕はウィーン・フィルに会うために今週一週間を夏休みとした。

ウィーン・フィル独特の甘美な響きを存分に楽しみたい。

刺客となるか

2008-09-14 23:48:17 | *Imaging

昨年から予告されていたソニー デジタル一眼レフ・カメラのフラッグシップ機、α900 がついに発表された。

大方の予想通り、ソニー初めての 35 ミリ判フルサイズ・イメージ・センサーを採用しており、画素数もクラス最高となる 2460 万画素を擁する。

価格がニコン D700 並みに抑えられていて、冬の商戦で台風の目となる事は必至。

個人的にキヤノン EOS-1Ds Mark III にすぐ手を出さずに様子を見ていたのはこの α900 を待っていたからであり、発表を見る限り、待っていて正解だったように思う。

ファインダー設計にも拘りが感じられ、撮影という行為そのものに重きをおくユーザーの事も決して忘れていないところは高く評価出来る。

恐らく発売日には手に入れる事になるだろうが、現在メインで使用中のキヤノン EOS-1Ds Mark II との棲み分けに悩むところだ。

天国的

2008-09-11 22:58:35 | *Music
シューベルト:交響曲第9番「ザ・グレイト」
ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団

ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

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しばらくぶりに聴く名曲。

シューマンをして 「天国的な長さ」 と言わしめたこの曲、やはり聴いていて非常に心地が良い。

副題の 「ザ・グレイト」 は出版社が適当に付けたものであって、シューベルトが作曲時に抱いていた思想を反映している訳でも何でもないのだが、不思議と楽想にマッチしているように感じる。

雄大で優しくて、包み込んでくれるようだ。

聴いていると難題に立ち向かう勇気をくれる。

ジルコニアの輝き

2008-09-09 23:01:32 | *Audio/Video
ここ最近で一番気になっていたイヤフォンを入手。

パナソニック RP-HJE900

このイヤフォンのハウジングには模造ダイヤとも呼ばれる ジルコニア という非常に硬い素材が使用されていて、その共振レベルが低い事からピュアな音質が狙えるとされている。

模造ダイヤというだけあって、カナル型イヤフォン史上、最も美しい仕上がりと言っても過言ではないだろう。ずっと気になっていたのも実のところこの美しい筐体に一目惚れしたのが理由。

ただしパナソニックのイヤフォンというと、RP-HJE70 のような低音域が必要以上に膨張したブーミーな音質がすぐイメージされて、あまり期待していなかった。

そしてやはり RP-HJE900 も鳴らし始めは低音域がボワンと膨張して 「また騙されたか…」 と思っていた。

しかし 5~6 時間のエージング (ウォークマンにつないで大きめの音量で音楽を鳴らして放置) の後はそのモヤモヤ感も薄くなって締まりも出て来た。このままエージングが進めばなかなか良い線行くのではないか。

高音域もやはりまだ硬さが残っていて本領を発揮していないように感じられるが、鳴らし始めよりはほぐれて来たし、さらに良くなって行きそうだ。

音質はさしずめ磨かれる前の原石といったところだが、積極的に使って早くジルコニアの輝きを見たい。そんな可能性を秘めた音質である。



扉が開く

2008-09-08 18:58:49 | *Audio/Video
ソニーがウォークマン端子 WM-PORT の仕様をアクセサリー・メーカー等に公開するライセンシング・プログラム "Designed for Walkman" を開始すると発表した。

アップルには既に "Made for iPod" というラインセンシング・プログラムがあり、数多くのクレードル型スピーカー等が各社より販売されているのは周知の通り。

まぁ、スピーカーぐらいまでの話なら、不得意な部分を補う為のよくある戦略でしかないのだが、Made for iPod で一つ興味深いのはデジタル音声出力方法も開示されているという事。

そもそも iPod からデジタル音声出力が取り出せるという事を初めて知って驚いた。

アナログのオーディオ・ビデオ信号を取り出すだけならピン配列さえ判ればよいが、Dock コネクタポートからデジタル音声信号を取り出すには、ライセンシーしか知らないコマンドを iPod に送信する必要があるという。

それを知ったのは少し前、かの高級デジタル・オーディオ・メーカー、米 Wadia170iTransport を発表した時である。

これは面白い。

この 170iTransport を使う為に iPod をメインに切り替えようかなと考えた事もあったぐらいである。

ウォークマンにもそういう周辺機器が出て来て欲しいなと思ったが、まずは WM-PORT の仕様のライセンシングの問題だなと思っていたところ、今日の発表である。

ソニーもきっと Wadia の製品を見て考えているに違いない。詳細は不明だが、デジタル音声出力も可能になると大変嬉しい。

早速ロジテックがいくつか製品を準備しているようだが、是非、Wadia のようなメーカーの動きを期待したいところである。



Designed for Walkman ロゴ



“ウォークマン”専用アクセサリー拡大に向けてライセンスプログラム“Designed for Walkman(R)”開始 (ソニー株式会社)

観劇

2008-09-05 23:33:14 | *Diary
今日は 『SEASONS』 という朗読劇を観た。

テレビでよく見かけるキャスターの方々によるもの。

多忙な中にあって、そんなに稽古を重ねられた訳ではないと思われるが、きちんと物語の世界観を描き切る表現力は流石であった。

特に中田有紀さんが演ずる母親は、柔らかくて暖かくて全てを包み込んでくれそうな優しさが感じられる、まさに理想の母親像といった趣。

声だけでここまで表現出来る事に素直に感動した。

喋る技術という観点でも大変参考にもなった。


巨人が贈る、ミニ

2008-09-05 22:59:51 | *PC Computing
所謂 ネットブック 市場が急速に拡大している。

DELL もいよいよ Inspiron mini 9 で同市場に参入。今日から販売が開始されている。

そして流石というべきか、ある誌上でのレビューでは現存のネットブックの中でも最高と思われるパフォーマンスを記録していた。

英語キーボードが選択出来る他、外観デザインもシンプルで使い勝手が良さそうである。これはもちろん買いでしょう。という事で、Windows XP モデルの全部入りを手配。

多分再来週ぐらいには届くかな。

HP 2133 Mini-Note PC、ASUS Eee PC 901-X に続く 3 台目のネットブック。


デル「Inspiron mini 9」フォトレビュー (インプレス PC Watch)