宮古on Web「宮古伝言板」後のコーケやんブログ

2011.6.1~。大津波、宮古市、鍬ヶ崎復興計画。陸中宮古への硬派のオマージュ。
 藤田幸右 管理人

~懲(こ)りない面々「コンクリート村」で会議~ 同じやり方で港湾復興は許されない。

2011年07月03日 | どうなる復興計画

●防波堤整備を促進へ 第2回久慈港復興会議  (新聞記事より)

 東日本大震災で被災した久慈港の復興策を話し合う第2回久慈港復興会議は29日、久慈市八日町の久慈地区合同庁舎で開かれた。
 東北地方整備局や県、久慈市、久慈港を利用する企業や漁協などから12人が出席し、非公開で行った。
 同整備局と県が、湾口防波堤の整備促進や被災した久慈港の早期復旧に努めることなどを盛り込んだ復旧・復興方針の素案を示した。
 関係者によると、市や漁協関係者から「市場前の岸壁の復旧を夏イカ漁に間に合うように急いでほしい」、「湾口防波堤の整備促進を強力に進めてほしい」などの意見が出た。
 次回は7月中旬に開き、同方針を取りまとめる予定。(岩手日報、2011/06/30)


この復興会議には久慈市民は「待った!」をかけないといけない。



1、津波の被害者は港湾関係者だけではない。市民総意で久慈港を考えなければならないからだ。 

港湾が漁業や荷役業のものという考えは今回の大津波の来襲によって根底的にひっくりかえった。景観、観光、経済、災害、防災、どこから切っても市民一人一人が自分のものとして考えなけれならなくなった。復興についても単なる復旧ではなく、オープンにしてオープンにして個人で、グループで、地域で、業界で、縦横に意見を出し合って始めるべきだ。

>東北地方整備局や県、久慈市、久慈港を利用する企業や漁協などから12人が出席し、非公開で行った。

この一行から、私物化し、閉鎖的な津波前の港湾行政の姿が丸みえに見える。これを再現してはならない。官主導、少人数、密室会議はとんでもない話だ。災害復興は全て最初から市民に公開しなければならないだろうに。



2、東北地方整備局(国土交通省=東京、国土交通省東北地方整備局=仙台、釜石港湾事務所=釜石、それぞれが又現地事務所・現地現業所を持っている)、岩手県、久慈市のラインでは津波震災の港湾復興は不可能だからである。このラインは修繕屋に過ぎないからだ。復興のことはちょっと待て!と彼らに念押ししなければダメだ。
このラインが今できる事は、本当のところ、津波によって破損した古い防波堤や船繋留岸壁の復旧、修繕だけである。分をわきまえて業務に精励するべきだ。

大震災、大津波はコンクリートで塗りかためたほとんどの市町村の港湾の少なくとも津波防衛機能の無効性を示した。そのマイナスの港湾づくりを担ってきたのが国、県、市町村の土木官僚と民間の土木業者であった。膨大でありながら閉鎖的な利害組織、人脈、思想を増殖し既成事実化してきた。今ではコンクリートのない浜辺は皆無になったが、彼らは世紀を超えて日本の沿岸にコンクリートを注ぎ込んできた。砂浜や小石浜はなくなり、都市港湾では過剰なコンクリートパイルとケーソンを打ち込んできた。市民的総意と合理的計画ではなく、場当たりの利害によって構築した港湾施設の数々であったから当然のように今回のような自然力には無力であったのである。 

※ 天才的パロディスト海猫屋イラストレーターさんはそのパロディーを下図のようにえがいた。当ブログの母胎<宮古 on Web「宮古伝言板」>に大津波の半年前にのった絵であった。久慈港湾ではなく宮古港湾をテーマにしているが、伝えるべき事は同じである。それぞれ思いを感じとってほしい。

 



わたしは福島原発事故であぶり出されてきた日本の「原発ムラ」の相似形として、このマイナス世界を「コンクリート村」と総括的に呼ぼうと思う。まさに国ー地方ー地方の上記ラインはその「コンクリート村」の悪しき骨格である。自然を軽視、住民の多様なソフト価値の無視、災害の教訓を拒否してただただコンクリートを重視する硬直したままの思想。問題なのは、古い「コンクリート村」をそのまま温存し、そのセメントのついた手を洗わないで大津波後の各市町村の復興を自ら行おうとしている事実である。市民はそれは絶対阻止しなければならないのだ。

いま、国レベルでは復興構想会議や復興対策本部、県ではやはり復興計画、市町村では復興対策等々、それぞれそれなりに苦闘し苦悩している。「コンクリート村」はそこから超然として古い実績と、どこかに留保しているらしい膨大な国・県予算(税金)をてこに息のかかった自治体や団体の意見を集約して実効的位置を着々とかためようとしている。

その姿がこの記事であった。


 



そうこうしているうちに次のような記事がのった。(2011.7.01、岩手日報)

●2年以内に大船渡港を復旧 国と県が方針素案

  東日本大震災で甚大な被害を受けた大船渡港の復興会議は30日、大船渡市役所で開かれ、国と県が同港の「復旧・復興方針」の素案を示した。地盤沈下した岸壁をかさ上げするなど、荷役作業に支障がないよう、おおむね2年以内の本格復旧を目指すとしている。

 会議は非公開。商工団体、港湾利用企業、行政などから16人が出席した。東北地方整備局と県の素案には▽地盤沈下岸壁は当初設計の高さまでかさ上げが基本▽湾口防波堤の早期復旧▽水質浄化策の検討―などを盛り込んだ。

 同港の特色である外国貿易コンテナ航路再開には、クレーンなど民間所有施設の復旧が不可欠。現状では支援策がないため、国による支援措置の必要性も素案に取り入れた。同日の会議での意見を踏まえ、7月に行う3回目の会合で方針案を取りまとめる予定だ。



そして松本復興相の発言があった(2011.7.4)。中央から地方、上から下まで、こんなことでは復興は望めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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