私が少なからず関心を寄せているバルセロナの
建築家、アントニ・ガウディ。 日本人の彫刻家
外尾悦郎さんが長い間、サグラダ・ファミリア教会
の完成に向けて携わっていることは良く知られている。
もう一人、田中裕也さんと言う方が、1978年以来、
約40年間、ガウディの建築作品の「計測」を続けて
いる事は余り知られていない。その「実測図」が公開
されていると聞いて、展示会に行ってみた。
ただひたすら、長い間「図り続ける」と言いう事は
所謂「ビッグデータ」の集積に他ならない。その結果、
我々には見えないものが、田中裕也さんには見える、
と言う事なのだ。教会の建築に向けて一切の
設計図を残さなかったガウディの「意図」を探る、
大きな役割を果たす事になったのではないか。
私が訪れた日、バルセロナから来日した田中裕也さんと
国立遺伝学研究所教授・木村暁さんが「ガウディ作品
と細胞に共通する原理とは」と言うテーマでトーク
が行われていて、「測る事は生きる事」と言う、田中さん
の話を興味深く拝聴させて頂いた。
それにしても凄い、40年間もガウディを測り続けて
いる日本人がいるとは・・・。