すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

メニュー

農林水産商工常任委員会県外視察1日目 塩竈漁港

2013年07月31日 | 日記

 農林水産商工常任委員会の県外調査は塩竈市役所から始めました。福祉生活病院常任委員会から配属替えになり、初めての県外調査です。 

 塩竈市役所では小山浩幸産業環境部長から話を聞きました。名刺には日本ソムリエ協会のシニア・ワインエキスパートという肩書きもあり、期待が高まります。

 小山部長は「東日本大震災から発災から874日目。塩竈市は周囲4キロの小さな市域だが、1万3333戸が浸水するという大きな被害を受けましたが、9000枚の毛布を鳥取県から送っていただき、ありがとうございました」と挨拶された後、今回の調査目的である漁港荷捌き場の「高度衛生管理基本計画」について説明を受けました。以下はその概要です。

 塩竈市の沖に4つの島があり、ここは10メートルを超える津波となったが、この島々が防波堤のような役割を果たし、4メートルくらいの津波となった。水産業の復興については、2回の公募で8社を選定。水産物の鮮度保持施設や加工処理施設を建設中だ。商業・観光では約60店舗あった海岸通地区が12店舗を残してなくなった。ここには低層の商店街、ホテル、駐車場からなる再開開発ビルを建築する。浦戸諸島の復興、避難道路の整備を進める。

 漁港荷捌き場の「高度衛生管理基本計画」に話題は進みました。

 塩釜地区の魚市場は昭和40年に建てられ、相当老朽化していた。水産庁の高度衛生管理基本計画は、全国に13港ある特定第3種漁港が対象。市をを挙げて取り組み、枕崎と共に平成22年に指定された。計画の内容は①陸揚げから搬出までを一方向化する②人と一般車両の入場管理③囲壁による鳥獣類の侵入や糞尿等の異物混入の防止④電動フォークリフト導入による排ガス汚染防止⑤床面の抗菌処理⑥海水冷却装置等による温度管理の徹底⑦水産物や水質の定期検査などに取り組むことだ。

 計画の策定にあたっては現状の問題点を抽出した。現在の荷さばき所は開放型なのでカモメなどの侵入を許している。敷地内に車道を走ったトラックがそのまま入れる。魚が直置きされているなどが問題点として浮かび上がってきた。

 平成24年に水産庁が公示し、設計に入った。A棟(マグロ類)とB棟(その他の魚)を建設する。この予算は52億円。荷さばき所補完施設は復興交付金を使って建てる。こちらの事業費は8億円。食堂や会議室、さらには現在の荷さばき所の二階に入居している仲買の事務所もこちらに移転する。

 市役所から現場に移動し、現在の荷さばき所を見学しながら、質疑に移りました。津波の影響で建物などが流され、荷さばき場だけが残っているというような感じです。

Q 現在、市場の運営費はどれくらい。県の補助は。

A 市場は市営です。一般会計から特別会計への繰入は約1億円。ここは県の土地を借りているので、建物がある部分は賃借料をお支払いしているが、県からの補助はない。高度衛生管理を導入するとトラックの入出管理も必要となるが、敷地として区分されるので、敷地全部の賃借料を払って欲しいとの県からは言われているが、これは勘弁していだこうとお願いしているところだ。

Q 現在ある建物は

A 順次取り壊し、新築し、置き換えていく。

Q 工事中のあの大きな建物は

A 製氷や冷凍の民間事業。いまだと8分の7の補助が国から出る。しかし、それでも、水産会社の経営は厳しく、なかなか復興は進まない。

Q 高度衛生管理を導入するにあたっての課題は

A 一番の課題は、働く人たちの意識改革。魚を直接置かない、市場に入る時は消毒するなど求められる項目は多い。くわえタバコで作業というわけにはいかなくなる。加えて、ランニングコスト。今でも大変なのにさらに費用がかかる。太陽光発電を導入して売電輸入を得るなどの工夫を考えている。

歪んだままの岸壁もあり、震災の傷跡はしっかり残っていました。

停泊しているのは高知の船でした。マグロでは塩竈にブランド力があるので、他県や他港の漁船の入港も多いそうです。

ここで、意外な話を聞きました。

 魚市場の水揚げですが、マグロの延縄が一番多く、5316トンで390億円、次いでマグロ・カツオの施縄で、1235トンで105億円などがメインですが、貨物自動車という項目があり、これが1万7156トンで850億円と一番多いのだそうです。

 塩竈漁港ではなく、港湾である塩竈港、それに仙台港などに荷揚げされた海外からの魚のすり身をトラックで運んできたものが、これなんだそうです。塩竈は、かまぼこなど練り製品の生産が日本一でしすが、その原材料は輸入に頼っているのだそうです。「水産加工会社がハイテクパークにもあります。排水施設さえあれば内陸でも生産は可能なのんです」とお聞きしました。地元の魚でこその特産品だと思っていましたが、そうではないようです。長年の加工技術こそが、特産品だとも言われました。その一方で、「近海で捕れ、塩釜港に挙がった魚でつくる練り製品は、それだけ付加価値が付くと思います。高級品としてブランドを進めていきたい」とも話されました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする