すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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質問戦は難しい

2012年12月10日 | 日記

 今議会での一般質問は、湖山池の塩分濃度の問題を取り上げました。

 湖山池はもともとは千代川と湖山川で繋がっているわずかに塩分が混じる淡水湖でしたが、度重なる水害から湖山川の河道改修を行い、千代川ではなく、賀露港に繋ぐようにしたのです。昭和58年のことです。ところが、海と直接繋がったことで、塩分濃度が上昇し、汽水湖となり、湖山池の水を使う農業に塩害の被害が発生しました。そこで、湖山川にあった水門を閉じ、塩分濃度を下げたのです。その結果、塩分濃度は元に戻りました。ところが、水門を閉じたことで、水の流動性が低下し、周辺の宅地化の進展と伴って、水質が悪化したのです。さらにヒシが大繁殖しました。昔は貴重なタンパク源でしたが、今はあまり食べられることはありません。ヒシが増えて、枯れて湖底に沈むと、栄養価が高いので富栄養化が進みます。その結果、また、ヒシが増えるという悪循環に陥ったのです。富栄養化が進んだことで、アオコの発生にも繋がり、それが悪臭となったのです。ヒシの刈り取りなど様々な試みがなされましたが、うまくいかず、水門を開け、塩分濃度を上げることで、ヒシを枯死させることにしました。3月12日に水門を開けると塩分濃度はグングン上がりました。東郷池程度の3000~5000mg/Lの濃度を想定していましたが、今は7000~10000mg/Lで、これでは中海です。

 その結果、淡水性の動植物に大きな影響が出ています。特定希少生物に指定されているカラスガイは絶滅しました。アシやガマが枯れていますので、ここで暮らす鳥たちもピンチです。トンボの幼虫のヤゴは淡水でしか生きれませんので、来年からはトンボの飛ばない池になるでしょう。湖山池から生物多様性は失われつつあります。確かにフグやアジが釣れたとも聞きましたが、海の生物が海で生息すればいいわけで、淡水性の動植物を死なせる方が問題だと思います。

 知事の答えは、湖山池の塩分濃度問題は漁業者と農家の対立など長い経過があり、地元住民の意見も聞いて、やっと解決した策を見いだしたというような答えで、湖山川の付け替えは不可逆的な環境の変化をもたらしているとも指摘されました。私は塩分濃度が当初の想定を大きく超えたこと、住民には淡水性の生物が絶滅することなどのきちんとした情報提供がなされていないことなども問題だと話しましたが、議論はかみ合わないまま持ち時間を使い果たしてしまいました。

 議員の質問時間は25分に制限されていますが、知事らの答弁に時間制限はありません。私の25分に対し、知事らの答弁は40分です。あとでネットでみると完全に言い負かされている感じがしました。質問の技術を磨かないといけないと反省しています。今回の湖山池では調査した資料や聞き取りメモはファイル2冊分になります。毎回、資料はそれくらいになります。そうすると、あれも、言いいたい、これも聞きたいとなって、結局、中途半端になるんですね。分かってはいるんですが、本当に難しいと思います。委員会審議は時間制限がありませんから、いいのですが、本会議の質問はは難しいです。2月議会では、思い切って質問項目を削って、絞り込んで頑張ってみようと思います。

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